第102話 話し合い
俺たちは海岸に到着した後、各々が飛行魔法を使って一旦レインと俺の家で今後の事を話し合う事となった。
「レイン、どうするよ?」
レイン、レッド、シャノンさん、ユートがテーブルを挟んで椅子に座わっている。
俺は飲み物をみんなに出してから、レインの隣に座った。
「そうだな……」
レインは顎に手をあて、視線を下に向けた。
「レインはん、わいとシャノンはんも手伝うさかい、何でも言うてや」
「そうですね。ユートの言う通り、私たちに出来る事があれば何でも言って下さい」
「ありがとう。それは、こちらとしても助かるよ」
「気は遣わんといてな。わいらの罪滅ぼしやと思うてくれたらええから」
「おう。そういう事なら遠慮なく協力してもらおうぜ、レイン」
「ああ、そうだな」
シャノンさんとユートの力を借りられるのは、凄く大きい。
何と言っても二人の力は、Sランク以上だからな。
「『天を穿つ咆哮』の計画は、継続されていると考えて行動した方がいいだろう」
「確かに、その方がいいでしょう。何かあった時に、後手に回ってしまうのが一番危険ですから」
「それで、これから俺らはどうすりゃいいんだ?」
「この、今いるメンバーを三手に分けて行動する」
「三手に分ける? そんなに分ける必要があるのか?」
俺も三手に分ける必要性は、感じないけどな。
「ああ、三手に分けて行動した方がいい。俺たちが、後手に回らない為にな」
「はな。レインはんは、どないな感じに分けよう考えているんや?」
「レッドには王都に行って、警備隊にザイールが狙われている事を知らせてもらう」
「おお、いいぜ」
「シャノンさん、ユート、それにフェリスの三人には、ザイールへ行ってもらいたい。もし、『毒蛇の牙』が現れた時は、シャノンさんとユートには対処をお願いしたい」
「分かりました。その時は、対処します」
「わいも、やったるで」
「それと、フェリス……」
「あ、うん」
レインが真剣な眼差しで、俺を見つめる。
「フェリスが危険な状況だと判断した時は、迷わずに俺を呼べ。いいな」
「うん」
「それで、レインはどうするんだ?」
「俺はここに残って、組織が何かを仕掛けてきた時に対処する。まだ、陽動がなくなったと断定するには早いからな」
「そうだな。それじゃあ、それで、行こうじゃねえか!」
話し合いは終わり、レッドは自宅へと帰り、シャノンさんとユートは宿屋へと向かった。
明日の朝、それぞれが行動に移すという事になった。