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我が家の猫の、餌事情
第一話
マサキとネコが、向かい合って座っている。
「まず、事情を聞こうか」
「そうじゃな、それは必須じゃと思う。じゃがその前に…」
ネコは右の前足をフリフリしながら言った。
「まぐろが食べたい」
「は? なんで今? なんでまぐろ?」
「飼い主のくせにわからんのか? 飼い猫の世話は義務じゃろうが、わし腹減った!」
「飼い猫のくせに権利主張しやがった!」
「あー、とりあえず、まぐろ、まぐろか。ちょっとスーパー行ってくる」
「おお、ついでに飲み物も頼む」
(…。猫の言うこととは思えない。いや、そもそも猫はしゃべらないか)
「まぐろと、飲み物ね。あのスーパーって猫用ミルク置いてたかな」
ネコは大きくため息をついた。
「いや、肴食うなら日本酒じゃろ」
「お前本当に猫か!?」
マサキとネコはちゃぶ台越しに向かい合う。ちゃぶ台の上には、先ほどマサキが買ってきたまぐろと日本酒が置かれていた。
「改めて、事情を聞こうか」
「うむ、飼い主の義務もこなしてくれたしの。じゃがその前に…」
ぽんっという音と煙と共に、ネコの姿が一瞬にして黒髪の少女に変化した。
「食べながらで良いか? 良いよな!」
「いや、なんとなく事情が見えた」
妖怪になった。とのこと。




