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13/19

第13話 双つ月は同じ夜を照らす

 双月礼拝の草案作りは、思っていた以上に難航した。


 和合祭では、太陽国の古式を探せばよかった。

 披露茶会の誓詞も、忘れられていた古い言葉を戻すことで形を作れた。

 けれど、今回の双月礼拝は違う。


 太陽国式では、双つ月は「太陽神リザーブの光を受け、夜にも地上を照らすもの」とされる。

 祈りの主語は、あくまで太陽神にある。

 月国式では、双つ月は月神ティアと太陽神リザーブの二つの子であり、月神ティアの二つの目でもあるとされる。


 眠る者と目覚める者。

 生者と死者。

 旅立つ者と帰る者。

 二つの月が、同じ夜の中で世界を見守る。


 どちらか一方を採れば、もう一方が薄くなる。

 形式ではなく、神話の重心が違うのだ。


 セレネは、王太子の執務室で両国の儀礼書を前に息を吐いた。

「これは、古式を継ぎ合わせるだけでは無理ですね」

 向かいに座るアレクシスも、太陽国式の儀礼書を閉じた。

「太陽国式に月国の一節を加えれば、太陽国の儀礼に月国の言葉を添えただけになる。月国式に太陽国の一節を加えれば、今度は太陽国側が従わされたように見える」

「どちらも、今回の目的には合いません」

 セレネは新しい紙を置いた。

「なら、最初から構成を変えます。太陽国式も月国式も、単独の祈りとしては使わない。二人で応答する形にします」

「応答」

「はい。王太子殿下が、太陽神の名を唱える。王太子妃である私が、月神の名を唱える。その後、二人で双つ月へ祈る」

 セレネは白い紙を見つめた。


「太陽国式では、月は太陽の光を受けるもの。月国式では、月は自ら夜を治めるもの。そこを直接ぶつけると、どちらが上かの話になります」

「だから、双つ月そのものに祈る」

「はい。双つ月は、太陽国にも月国にも見えるものです。解釈は違っても、空にあるものは同じですから」

 アレクシスはしばらく黙った。

「太陽国の神官は、月神信仰に寄せすぎていると言うかもしれません」

「月国神殿は、太陽神の名と並べることで月神の主権が薄まると言うでしょう」

「両方から不満が出ますね」

「ええ。ですが、両方が少しずつ不満を持つなら、どちらか一方だけが負けた形にはなりません」

 アレクシスが、少しだけ目を細める。

「貴女は時々、穏やかな顔で非常に現実的なことを言いますね」

「月国の王女教育の成果です」

「恐ろしい教育です」

「太陽国の王子教育も、似たようなものでは?」

「否定はできません」

 二人の間に、短い沈黙が落ちた。

 以前なら気まずさになったかもしれない沈黙だった。

 けれど今は、そうではなかった。


 セレネは筆を取る。

「まず、殿下の言葉です。太陽神リザーブの名を呼んでください。ただし、月を従えるものとしてではなく、夜へ光を託すものとして」

 アレクシスは少し考え、言った。


「太陽神リザーブよ。昼を導く光の主よ。沈みゆく後も、その恵みを夜に託し、眠る民の道を守りたまえ」

 セレネは書き取った。

「よいと思います。太陽神の光を残しつつ、夜を侵す言い方ではありません」

「次は貴女です」


 セレネは少しだけ目を伏せた。

「月神ティアよ。夜を抱く静けさの主よ。双つ月のまなざしをもって、遠く離れた者と隣に立つ者を、同じ夜の内に守りたまえ」


 遠く離れた者。

 月国にいる姉と父。

 祖国の民。

 かつて自分がいた場所。

 隣に立つ人。

 太陽国の王太子。

 今、自分の前で紙に目を落としている人。

 ――セレネの夫。


 アレクシスは、しばらくその文を見つめていた。

「遠く離れた者と、隣に立つ者」

「強すぎますか」

「いいえ。そのままがいいと思います」

 その言い方があまりにも静かだったので、セレネは少しだけ目を伏せた。

「では、最後は二人で」

「同じ言葉を?」

「はい。短く、覚えやすく、太陽国の民にも月国の使節にも伝わる言葉がよいと思います」

 二人はしばらく、別々の紙に言葉を書いた。


 同じ天。

 同じ夜。

 二つの光。

 互いを奪わず、互いを拒まず。


 似た言葉は、和合祭と誓詞で使っている。

 双月礼拝では、もう少し夜に寄せたい。

 月国だけの夜ではなく、太陽国も見上げる夜として。

 やがて、アレクシスが低く言った。

「双つ月は、同じ夜を照らす」

 セレネは筆を止めた。

 簡潔だった。

 だが、強い。

 片方が片方を従えるのではない。

 離れて見える二つの月も、同じ夜の中にある。

「続けるなら」

 セレネは、その下に書き足した。

「二つの国も、同じ空の下にある」

 アレクシスが頷く。

「太陽の民も、月の民も」

「眠る時は、同じ夜に守られる」

 二人は、しばらく紙を見つめた。


双つ月は、同じ夜を照らす。

二つの国も、同じ空の下にある。

太陽の民も、月の民も、眠る時は同じ夜に守られる。


 セレネは小さく息を吐いた。

「これなら、月国の祈りの核は残せます」

「太陽国側にも、受け入れられる余地があります」

「侯爵家は面白くないでしょうね」

「月が太陽に従うという言葉は、どこにもありませんから」

「オルガ様も、不満を持つかもしれません。月神の主権という言葉は、表に出していません」

「では、両方から少しずつ不満が出る祈りになりましたね」

「成功です」

 セレネが言うと、アレクシスはわずかに口元を動かした。

 その笑みは本当に小さかったが、もう見間違えなかった。


 ※


 草案は、その日の午後に王妃、ユリアン、月国祭儀官オルガへ示された。

 場所は王妃の私室だった。

 太陽国側と月国側の双方が同席するため、空気は少し張っている。

 王妃だけが、穏やかな表情で全体を見ていた。


 セレネが草案を読み上げると、まずユリアンが口を開いた。

「太陽国式の双月礼拝とは、かなり異なります」

「はい」

「ただ、太陽神リザーブへの呼びかけは残されています。月への祈りも、太陽の光を否定するものではありません」

 ユリアンは紙へ視線を落とした。

「神官側から見れば、異例ではありますが、異端ではありません」

 異端ではない。

 それは太陽国神殿として、大きな譲歩だった。

 次に、オルガが言う。

「月国式の双月祈祷とも異なります」

「はい」

「月神ティアの主権が、やや薄い」

「承知しております」

「ですが、双つ月のまなざし、同じ夜に守られる、という言葉は、月国式の核に近い」

 オルガは長く草案を見つめていた。

「月国神殿として正式な双月祈祷とは呼べません。ですが、神話婚の場における特別祈祷としてなら、認める余地はあります」

 セレネは深く息を吐きそうになり、こらえた。

「ありがとうございます」

「ただし、月国使節の前で、王太子妃殿下ご自身から説明が必要です」

「もちろんです」

 王妃が頷く。


「我が国側にも説明が必要でしょう。これは王太子妃が月国式を持ち込んだのではなく、王太子夫妻が共同で整えた祈りであると示す必要があります」

「私が冒頭で説明します」

 アレクシスが言った。

 王妃の目が、少しだけ和らいだ。

「そうなさい」

 ユリアンも頷く。

「それがよいと思います。王太子殿下が先に説明なされば、王太子妃殿下だけが儀礼を変えたという印象は薄れます」

「実際、私も作りましたので」

 アレクシスが淡々と言う。

 その言葉に、セレネは少しだけ胸が温かくなる。


 オルガはアレクシスを見た。

「王太子殿下。この祈りにおいて、月国の王女である王太子妃殿下が月の祈りを失わぬことを、殿下は本当にお認めになりますか」

 部屋の空気が少し張った。

 アレクシスは、まっすぐにオルガを見る。


「認める、という言い方は正しくありません」

 オルガの眉が動く。

「セレネが月の祈りを持っていることは、私が許すものではありません。初めから彼女のものです。私は、それを奪わないと誓っただけです」

 室内が静まった。

 ユリアンは目を伏せている。

 王妃は小さく微笑んだ。

 オルガは、しばらくアレクシスを見つめていた。

「……太陽国の王太子殿下が、そこまで仰るのですね」

「神話婚で月国の王女を迎えたのですから」

 アレクシスの声は静かだった。

「月を失った妃では、意味がありません」

 それは、以前セレネへ言った言葉だった。

 それを今、月国の祭儀官の前でもう一度口にした。


 セレネは、手元で指を重ねる。

 胸が熱い。

 けれど今は、王太子妃として顔を保たなければならない。

 オルガは、深く頭を下げた。

「承知いたしました。月国神殿として、この特別祈祷を確認いたします」

 これで、双月礼拝の形は整った。


 だが、王妃は最後に静かに言った。

「問題は、当日の場です」

 全員の視線が王妃へ向く。

「太陽国側にも月国側にも、不満を持つ者はいるでしょう。特に侯爵家は、披露茶会で退かされました。次の機会を逃すとは思えません」

「当日は、私が説明します」

 アレクシスが言う。

「ええ。けれど、最後に祈るのは二人です。どちらか一方が支えるのではなく、二人で立ちなさい」

 二人で立つ。

 その言葉が、セレネの胸に静かに落ちた。


 ※


 双月礼拝の夜は、雲一つない晴天だった。

 王宮の大露台からは、王都の屋根と広い夜空が見渡せる。

 東の空には、双つ月が並んでいた。

 一つは大きく白い月。

 もう一つは、それより少し小さく、青みを帯びた月。


 幼い頃から、セレネはその光を見上げて育った。

 だが、太陽国の王宮から見る双つ月は、少し違って見えた。

 同じ月なのに、空の高さも、風の匂いも違う。

 それでも、月は月だった。


 セレネは露台の入口で、静かに息を整えた。

 今日の装いは、太陽国の白い礼服に、月国の銀青の薄布を重ねたものだった。

 頭には双つ月を模した小さな銀飾り。

 胸元には太陽国の金の円環。

 左手首には銀十字。

 その下には、もう何日も結んだままの銀糸。


 隣にはアレクシスが立っていた。

 白ではなく、深い紺の礼装。

 月明かりの下で、金の瞳は昼よりも柔らかく見えた。

「寒くありませんか」

 彼が低く尋ねる。

「少しだけ」

 セレネは正直に答えた。

 アレクシスは近習に目で合図し、運ばれてきた薄い外套を彼女の肩にかけた。

「殿下」

「祈りの前に冷えては困ります」

「公のためですか」

 小さく問いかけると、アレクシスは一瞬だけ黙った。

「公のためでもあります」

 以前と同じ言い方。

 けれど今は、その先をセレネも問わなかった。


 露台の向こうには、すでに人々が集まっている。

 太陽国の貴族たち。

 月国使節団。

 神官。

 書記。

 王妃と王。

 老侯爵の姿もあった。

 オルガも、月国側の列にいる。


 この夜の祈りが、どちらの国にどう受け止められるか。

 誰もが見ている。

 アレクシスが、手を差し出した。

「参りましょう」

「はい」

 セレネはその手を取った。


 二人は露台へ進む。

 双つ月の光が、白い石床に淡い影を落としていた。

 ユリアンが神官として進み出る。

「これより、王太子殿下ならびに王太子妃殿下による、双月礼拝を執り行います」

 広がる夜空の下、声は静かに響いた。

 最初に、アレクシスが一歩前へ出る。

 予定通り、彼が説明を始めるはずだった。


 だが、その直前。

「恐れながら」

 老侯爵の声が、露台の端から上がった。

 空気が張る。

 やはり来た。

 セレネは、静かに息を整えた。

 アレクシスは振り向き、老侯爵を見た。

「何か」

 老侯爵は深く礼を取る。

 態度だけは、どこまでも丁重だった。

「本日の双月礼拝は、太陽国式とも月国式とも異なる特別な形と伺っております。神話婚のためとはいえ、王太子夫妻が新たな祈りを作ることに、不安を覚える者もおります」

 周囲がざわめく。

 新たな祈り。

 その言い方は危うい。

 神官の承認を得ていても、「勝手に儀礼を変えた」と聞こえかねない。


 アレクシスは冷静に答えた。

「この祈りは、太陽国神官および月国祭儀官の確認を受けています」

「承知しております。ただ、民は古き形を尊びます。新しき形は、時に不安を招くもの。月国の祈りが強すぎれば太陽国の民が惑い、太陽国の祈りが強すぎれば月国の民が惑うでしょう」

 言っていること自体は、間違っていない。

 だから厄介だった。

 老侯爵は続ける。

「王太子殿下。王太子妃殿下。今一度お尋ねしたい。この祈りは、太陽国のためのものですか。月国のためのものですか」

 露台が静まり返った。

 また、二択だ。

 太陽国か。

 月国か。


 セレネは、アレクシスを見た。

 アレクシスもまた、彼女を見る。

 ほんの一瞬。

 けれど、その一瞬で十分だった。

 これは、どちらか一人が答える問いではない。


 アレクシスが、静かに手を差し出した。

 セレネはその手を取る。

 二人は並んで、老侯爵の方へ向き直った。


 先に口を開いたのは、アレクシスだった。

「太陽国のためです」

 ざわめきが起こる。

 だが、彼は続けた。

「そして、月国のためです」

 セレネが続ける。

「太陽国だけのためなら、私は月国の祈りを持ってここに立つ必要はありません。月国だけのためなら、私は太陽国の王太子妃としてここに立つ意味を失います」

 老侯爵の目が細くなる。

「この祈りは、どちらか一方だけのものではありません」

 アレクシスが言う。

「太陽国と月国が、同じ空の下にあることを示すためのものです」

 セレネは彼の言葉を受け取る。

「双つ月は、片方だけを照らすのではありません。太陽国の屋根にも、月国の水路にも、同じ夜の光を落とします」

 アレクシスの手が、わずかに強くなる。

「ゆえに、この祈りは神話婚の祈りです」

 セレネもまた、その手を握り返した。

「私たち二人が、共に立つための祈りです」

 露台に沈黙が落ちた。


 老侯爵は、すぐには返せなかった。

 神官が認めた祈り。

 月国祭儀官も確認した祈り。

 王太子と王太子妃が、二人で神話婚の祈りだと言い切った。

 それを否定すれば、神話婚そのものへ異を唱えることになる。

 国王が静かに口を開いた。

「侯爵。答えは示された。まだ不安はあるか」

 老侯爵は、深く頭を下げた。

「……いいえ。失礼いたしました」

「では、始めましょう」

 夜風が吹いた。


 双つ月が、何も知らないように空に並んでいる。


 アレクシスが前を向く。

 セレネも隣に立つ。

 予定より早く、答えは出した。

 だが、本当の祈りはこれからだ。


 アレクシスの声が、夜に響いた。

「太陽神リザーブよ。昼を導く光の主よ。沈みゆく後も、その恵みを夜に託し、眠る民の道を守りたまえ」

 次に、セレネが月を見上げる。

「月神ティアよ。夜を抱く静けさの主よ。双つ月のまなざしをもって、遠く離れた者と隣に立つ者を、同じ夜の内に守りたまえ」

 夜風が、二人の衣を揺らす。

 最後に、二人は同じ言葉を唱えた。

「双つ月は、同じ夜を照らす。二つの国も、同じ空の下にある。太陽の民も、月の民も、眠る時は同じ夜に守られる」

 声が重なった。

 完全に同じ高さではない。

 アレクシスの低い声と、セレネの静かな声。

 二つの声が、同じ言葉を別々の響きで夜へ置いた。


 それでよかった。

 同じでなくていい。

 同じ言葉を、違う声で祈ればいい。


 祈りが終わった後、しばらく誰も動かなかった。

 沈黙は、不安の沈黙ではなかった。

 和合祭で月神の古式が戻された時と似ている。

 思っていたよりも自然に、何かが収まった時の沈黙。


 最初に頭を下げたのは、ユリアンだった。

 次に、オルガ。

 太陽国の神官と月国の祭儀官が、ほぼ同時に礼を取った。

 それを見て、貴族たちも続いた。

 王妃が静かに拍手する。

 王も頷く。

 月国使節団の叔父が、目元をわずかに緩めていた。


 老侯爵は、礼を取っていた。

 顔は見えない。

 だが、杖を握る手には力がこもっていた。

 終わったわけではない。

 けれど今夜、双月礼拝は成立した。

 太陽国式でも、月国式でもない。

 二人の神話婚の祈りとして。


 ※


 儀礼が終わり、人々が少しずつ露台を離れていく。

 セレネは、まだ夜空を見上げていた。

 双つ月は高く、静かに並んでいる。

 月国で見た時と同じで、少し違う。

 その違いが、今は不思議と寂しくなかった。

「寒くありませんか」

 アレクシスが尋ねた。

「少し」

「戻りましょう」

「はい」

 そう答えながらも、セレネはもう一度だけ月を見た。

「今日の祈り」

 アレクシスが言う。

「貴女とでなければ、作れなかったと思います」

 セレネは、ゆっくりと彼を見る。


 月明かりの下で、アレクシスの金の瞳は昼ほど鋭くない。

 その分、逃げきれないほど人の目に見えた。

「私も、殿下とでなければ作れませんでした」

 セレネは答えた。

 アレクシスは、少しだけ目を伏せる。

「まだ、殿下ですか」

 その言葉は、とても静かだった。

 セレネの胸が、強く鳴った。


 アレクシス様。

 昨日、思わずそう呼んだ。

 それに彼は、アレクシスとしても、貴女でよかったと言ってくれた。


 今ここで、また呼ぶべきなのだろうか。

 公の場は終わった。

 けれど、完全な私室ではない。

 近くにはまだ人の気配がある。

 セレネは、少しだけ微笑んだ。

「今は、まだ」

 アレクシスは彼女を見た。

「まだ?」

「はい。次にお呼びする時は、逃げないで聞いていただきたいので」

 アレクシスの表情が、はっきりと揺れた。

 それから、困ったように息を吐く。

「貴女は本当に」

「困る人ですか」

「ええ」

 けれど、その声は柔らかかった。

「努力します」

「何をですか」

「逃げないことを」

 セレネは、胸の奥が熱くなるのを感じた。

「では、私も努力します」

「何を」

「急ぎすぎないことを」

 二人は、しばらく黙って月を見上げた。


 双つ月は、同じ夜を照らしている。

 二つの光は重ならない。

 けれど、離れてもいない。

 今の二人には、それがちょうどよかった。


 契約の中にまだいる。

 けれど、その内側で、自分たちの言葉を作り始めている。


 セレネは、アレクシスの差し出した手を取った。

 今度は、儀礼のためではなく、露台を降りるために。

 それでも、手を取る理由があることが、少し嬉しかった。


 二人は月明かりの中を、並んで歩き出した。

▼おまけ

二人は過去の儀式を材料にできなくなりつつあります。

それこそアレクシスが戴冠するまでひたすら、過去を探し求めるしかありません。

二人が未来を見るためにどうすべきか?

というのがこの話のテーマでしまた。


原型になった短編版は「最短でタイトル回収かつ5000文字縛り」という制限で書いたので、

今回は12万文字あるならいっぱい書けるぞ!

した結果、私が制度と契約が大好きなことを考慮していなかったので、文字数かつかつになった次第です。



もしお気に召されましたら、

ブックマークや★評価、誤字脱字報告頂けると大変励みになります!

ここまで読んでくださったあなたに、心より御礼申し上げます。

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