王子様もとい王太子様
私の大好きな王子様もとい、王太子様…
なんかヤダ…
生々しいわね…
慣れないもの…
アラン様の事は王子様だから好きなんじゃないのよ…
決して!声を大にして!!
「マリー!」
アランに声をかけられる
「はいっ?」
「…どうした?ぼぉっーとして」
眉をしかめるアラン
ふるふると頭を振る
「なんでもない…」
アランの顔をじぃっーと見つめるマリー
…うん、やっぱり好きだ!
かっこいい私の王子もとい王太子様
「熱でもあるのか…?」
心配そうにマリーを見つめる、おでこに手を当ててくる
「聞いても良い?」
「なんだ?急に」
「アラン様って王太子様になったでしょ?」
「あぁ」
「王子様から王太子様になってなんか変わった?」
「あー、そう言う事?マリーは王子様と言う肩書きが好きだったのか…それはショックだな…」
「違うもん!」
ぷくっと頬を膨らませる
「好きなのはアラン様だもん!」
「それはそれで嬉しいけど、マリーは王子様と言うワードが好きなんだった…」
「えっ!」
なぜそれを……
私が前世で自称王子?が好きだったのを知っているの?
いや!それはない
「なんで?」
「王子様と言うものに憧れを抱いていたんだった…王太子じゃダメか?」
「違うもん!」
「いずれ王様になるけど、ダメか?」
「ダメじゃないって言ってるのに!」
「マリーだけの王子様だなんて言ってしまったからな…」
「アラン様どうしたの…?」
「…マリーが俺といる時にぼぉーっとしているのが気にくわない」
今日はアランとマリーの二人だけのお茶会である。
天気がいいので、王宮のパティオでのんびりとお茶を飲む。
アランが王太子になってから二年ほどが経ち、
アランは十七歳マリーは十六歳となった。
結婚式まであと二年となる。
マリーは相変わらず素直に育っている。
中身は…
傾国と呼ばれた母を持つマリーはそれはそれは美しい女性に育った。
アランは相変わらずマリーに執着し、少しでも異性が近づくのを許さない
そんなアランもイケメン王太子である。
女性人気は高いのだが、異性を寄せ付けずマリーしか見ていない。
学園では授業中以外はマリーと一緒にいるし、お昼休憩は王族専用のサロンでべったりくっつく。
ソフィアからはストーカーの小判鮫と呼ばれる。
「マリーは王子様じゃない俺は嫌か?」
「違うもん!アラン様だから良いの」
手を握られ見つめられる
「ねぇマリー、そろそろアランって呼んでくれない?」
「アラン様?」
「…様はいらない」
かぁっーっと顔が赤くなる
ふるふると頭を振る
「呼べないよぉ…」
「なんで?」
「だって、王太子殿下を呼び捨てになんて」
「結婚するだろ?」
「そうだけど…」
「呼んで?」
「…はずかしい」
顔を下に向けるマリー
マリーの耳元で
「お願い」
声変わりも済み低いセクシーな声を直接耳元で囁く
「きゃぁっ」
耳を押さえて赤いの顔のマリーをみて
「可愛い、かわいいがすぎるよ…」
するとマリーの口元に自身の口を近づけ、くっつくかくっつかないの距離で
「ほら、マリーお願い」
見つめられて瞳に涙の膜が張る
「…うっ、」
「ほら頑張って」
「…アラン さま…」
「何?聞こえない」
「ア……アラン」
チュッとキスをされる
「はい」
嬉しそうな顔でマリーの頬を撫でるのだった
「やっと呼んでくれた」
「うぅっ…」
「嫌か?」
ふるふると頭を振るマリー
…自分の中の王子様や海外スターに様を付けるのは日本人の心なんです
様がなくなるときは、嫌いになるときか興味が失せた時だと思っていたケド…
両思いになっても様ってなくなるんだっ!
知らなかった!こんな気持ち
王子が王太子になったからって私のアラン様である事には変わらないのに…
なんと言う事でしょう…
幸せすすぎる…
アランを見つめ
「えヘヘッ、アラン」
笑うマリー
かぁっと顔が赤くなるアラン
「マリー…」
マリーの頬に手を当て優しく触れるだけのキスをされる
「明日の夜会は俺の側から絶対離れるなよ」
「うん、いつも通りね!」
明日は帝国の若き国王がジェオルジ王国へ到着する。
三カ国を回っていて、先日レオ様こと、
レオナルド・ルイス王太子殿下に会われて、
マルベリー王国を発ったとの報告が入った。
これで二カ国目と言う事で、我が国としては丁重にお・も・て・な・し・をしなくてはならないのだった。
「緊張してきた…」
前世ではロイヤルな方達との交流なぞなかった私…一般家庭で普通に結婚して早くして死んじゃったし!
三十二年も歳を重ねたところで、現世の十六年の方が遥かに濃い人生だ…
しかし、まだ慣れんのだ!
異性も未だアランと家族以外は苦手だ
例外はレオ様。
レオ様はいい人だ…チャラチャラして見える見た目とは違い国を思う真面目な人である。
マリーとは友達付き合いをしていて、手紙のやり取りもしているのだが、アランはもちろん気に入らない、他国の王族との親交なのでダメとは言えず、ヤキモキしている。
「あと二年か…」
遠い目をするアラン
「なぁに?」
「結婚まであと二年、一緒に学園に通えるのはあと一年…マリーから目を離すのが不安で堪らない…」
ムッとするマリー
「トラブルメーカーみたいに言わないで!」
「トラブルを俺の前で起こしてくれるのは構わないんだ、俺が卒業してからの一年なんだよ…問題は」
トラブルメーカーと言われる所以はマルベリー王国のレオナルド、アルベルトだけではない…
マリーのレシピを狙った誘拐事件、
子供の頃から貴族子息に囲まれ、アランに助けられる事数回
マリーの亡くなった母親の実家からは必要以上に招待され実母の兄ではあるが、苦手でずっと逃げているマリー
学園ではアランといるにも関わらず、見つめられる視線…マリーの私物が無くなることも頻繁に起きた為護衛が密かに増やされ、
私物がなくなることは減ったが、男子生徒が減ると言う事も起きている、数日後戻ってきた男子生徒はげっそりと痩せ、おどおどと学園に通う…
美しさとは罪なのだ…天然は知らない
「最近はないもん!気をつけてるもん!」
ふんっ!と顔を背けるマリー
「どう気をつけているか聞こうではないか」
「アラン様と家族といる時しか、笑わないでしょ?用事があって声をかける時もフラン経由でお話しているし、あとは…泣かないでしょ?学園では一人にならないし…えっーと、ほぼ王宮にいるし安全だもん」
どうだ!とばかりアランに披露する
「そうか、バカなりに一応対策はしてるんだな」
「うん!あとは仲良し作戦しか思いつかない」
「それは有効的だな…」
ソファの隣に座るマリーの細い腰を抱き寄せぴたりとくっつける
このくらいの密着くらいでは怒られなくなった二人、日常茶飯事である
執事もアンもキスくらいは目を瞑る
それ以上の事は流石に人目があって出来ない…なんせアランの横にはいつもユーリウスが側近として付いている。
手がよからぬ所へ触ろうとしようものなら、
[死にたいか?]とボソッと囁いてくる
その声がリオネルにそっくりで恐ろしいのだ




