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アラン王太子殿下

廊下を手を繋いで歩いていると、いろんな人に振り向かれる。

「みんなアラン様を見てる」

「いや!マリーだろう。見るなと言いたいよ。俺のマリーだ」

「また、そんなこと言ってる」

「俺はおまえの事に関しては心が狭い」

「えへへ。なんか嬉しい」

「気持ち悪くないか?」

「私もだもん。一緒だね!」

手をギュッと繋ぎ直す

「まずは両陛下に挨拶に行くんだけど、今日は大変だと思うけど、頑張ろう」

「うん。大事な日だもんね」

おしゃべりをしていたら両陛下が待つ部屋の前に着いた

「アランです」

「入れ」

「失礼します、ご挨拶に参りました」

「失礼いたします」マリーも続く


「あらぁーマリーちゃん素敵ー!ねぇあなた?!」

「そうだな。とても綺麗だよ」陛下も褒めてくれた

「ありがとうございます」

「おっ?緊張しているのか?」

「ハイ、頑張ります」

「肩の力を抜いて何かあればアランに任せておけば良い。隣にいれば良いんだ」


モルガンがマリーの肩にポンと手を置いた。

「そうよマリーちゃん!こう言う時のためにアランがいるんだからね!大丈夫よぉ」

ね!と笑うエルザ

「父上そろそろマリーから手を離してください!」

「なんだ?おまえわしにまで焼きもちを妬くとは、噂に間違いはないんじゃな…」

「どういった噂かは想像付きますが、マリーに触れないで下さい」

「……もうアラン様ったら」

呆れるマリー

「アランったら今からマリーちゃんにキスをしてくる男が三人も来るのよ?良いの?」

「…………。」

嫌そうな顔をするアラン…


「あら?無言ね」

「取り敢えず今日の日を迎えられて嬉しい。アランこれから忙しくなるぞ」

「はい!」

「マリーもこれからアランを支えてやってくれ、頼む」

「はい。勿体無いお言葉です。アラン様のお力になれるよう頑張ります」

「あらあら。マリーちゃんがいてくれるだけでもアランは頑張れそうよねぇ?」

「そうですね」

「さぁ。もう皆集まってきておるぞ。準備をしておけよ。マリーはリオネルに会って来い。部屋を用意してある」

「はい、それでは失礼いたします」

「あっ!マリーちゃん!ちょっと」

エルザに呼ばれた、耳元でこっそり

「私たちは会場に入ると王族と言う名の仮面を被るのよ?」

二人で笑い合う

「ふふふ、はい!」

マリーが返事をする


「どうした?」

アランが言うのが

「内緒!」

と笑ってアランに腕を絡める

「秘密を作るのか…」

「王妃様からのアドバイスだもん」

「今から侯爵達に挨拶か…胃が痛くなってきた」

「えっ?大丈夫?意地悪されたの?誰に?お父様?お兄様?フラン?」

「大丈夫だよ」笑うアラン

「何かいわれたんでしょ?…お兄様?無視してやろうかしら!」

「やめとけ」

「もうっ!」


ーーーーーーーーーーーーー


コンコンコン


「侯爵いるか?」

「ローズマリアです、入っても良い?」

「どうぞ」

二人並んで部屋に入る

「お父様・お兄様・フラン今日は来てくれてありがとうございます」

お辞儀するマリー

「今日のマリーはすごく大人びてビックリだよ。アラン殿下この度はおめでとうございます、これからも娘をよろしくお願いします」

リオネルがアランに深々とお辞儀をする


「侯爵!やめて下さい、顔を上げて」

「いや、心からマリーの事をお願いしてるんですよ?」

「お父様ぁぁー」

抱きつくマリー

「あぁ、マリー泣いたらダメだよ?せっかくの美人さんが台無しだ!」

リオネルがハンカチで涙を拭う

「ゔん」

マリーの額にキスするリオネル

「アラン殿下この度はおめでとうございます。妹の事をよ・ろ・し・く・」

ユーリウスがアランに微笑む


…マリーは兄が何かを言ったのだ!と確信した。

いつもは些細な言葉など気にならないが、今日のマリーは違う!


「アラン殿下、本日はお招きいただきありがとうございました。姉の事を末永くよろしくお願いします」

フランまでが深々とお辞儀をした

「おい!フランどうしたんだ?大丈夫か?」

アランは心配するが…

「今日の姉がとても美しいので、幸せなんだろうなと思って、とても複雑ですが貴方の事を認めないとと思いました」

フランソワが笑う


「「フラン」」

フランに抱きつくアランとマリー

「姉様凄く綺麗だよ」

頬にキスするフラン

「ありがとう、嬉しい」

キスを返すマリー

「あっ口紅ついちゃった」

笑うマリーとフラン

「そろそろ離れてくれる?アラン様?」

フランソワが言う。

「いや、嬉しくてつい」

「アラン様も僕にキスして欲しいの?」

フランが言うとパッと離れる


「悪いがそんな趣味はない」

「僕もないよ!」

笑顔で握手する二人

「なんだか泣けてきちゃう」とマリー

「私は置いてけぼりだな」

呟くユーリウス


ぽんとアランがユーリウスの肩に手を置く

「約束は守るよ、凄く辛いがな…」

「えぇ、頼みます」

握手した二人

「さぁ、二人ともそろそろ時間だから私たちは会場に向かうよ。マリーは今日王宮にお泊まりだろ?明日迎えに行くよ」

「はい、お父様何かあったら助けてね」

「何かある前に潰しとくから大丈夫!胸はって行ってこい!」

「あ、ありがとう」


二人で部屋を出る。

「アラン様嬉しそう」

「あぁ嬉しい。マリーの家族に認められたなんてな。五年間かかった……」

笑い合う二人

「ねぇ、マリーちょっとだけ寄り道!」

アランに連れられた所は

「ここから会場に入る馬車がみえるだろ?」

「うん」

「これだけたくさんのゲストが来るんだ!みんなにマリーは俺のだ!って言えるのが嬉しくてここから叫びたいくらいだよ」と笑う

「アラン様ったら」

微笑むマリー


「はぁ緊張する。キスして良い?」

「口紅ついちゃうよ?」

「拭けば良い、そのままでも良いけど、笑われちゃうか?」

アランに名前を呼ばれ目を瞑る…


アランにされるキスは夢心地のような気分になり

現実なのか夢なのかわからなくなる。

アランの体温が心地良い…

もう一度キスされる

私の王子様は今日から王太子になる。

私の理想の王子様はアラン様。

少しぶっきらぼうで口が悪いけれど蕩けるように甘く、優しい人


この人の隣にいられるのが私の幸せ


夢ならこのまま覚めないで……


          【完】


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