バカなマリーは策に嵌る
【ユーリウス・ブロッサム十歳の誕生を祝う会】
と言う名目のパーティーが始まろうとしている。
私は私室にてドレスアップが終わり窓の外を見ていた
わぁー。集まってきてるわねぇ。
老若男女が集うと言う事だ。
お兄様のお友達、お父様が懇意にしている家などが集うとのこと。そこまで大袈裟にはしない。という事で、これでも少ない人数らしいのだが、少数精鋭って感じなのかな?
アンが、「どうされました?もうすぐ始まりますよ?」と声を掛けてきた。
「外を見ていたの。知らない人多いでしょ?緊張してきちゃった」
「そうですね。お嬢様大人しくなさって下さいね!そろそろ殿下がお迎えに来られますよ。侯爵様が挨拶されてるとの事ですよ」
コンコンコン
「はい」
「お嬢様、アラン王子殿下がお迎えにこられました」
「はいどうぞ」
扉を開けて入ってきたアラン様
「今日はお招きありがとう!マリー今日もステキなドレスだね。似合っているよ」
と笑う殿下
本日の私の装いは、イエローのドレスだ。
華美な装飾を嫌うので、大きなリボンを一点腰回りにポイントで付けてもらった。
イエローは明るい印象を持つ色なので、鬱々としていた気持ちが晴れると思い、この色にした!イエローと言ってもグラデーションになっていて下に行くにつれ薄くなっている。ハーフアップで髪の毛を編み込んでもらい、ドレスとお揃いのリボンを着けて、美少女の完成だ!
一方アラン様はシルバーグレーの上着、下にボタンがたくさんついてるベストのようなものを着衣し下は黒のトラウザーズで、髪型はオールアップにしていて、ちょっと長くなってきた金髪がキラキラとしている。
ぶっちゃけて言うと、ザ・王子!必殺キラキラビームと言った感じで、胸がザワザワする
「アラン様もとってもかっこいいです!」
と顔を赤くし身惚れてしまうが素直に感想を述べる
「どうした?熱でもあるのか?」
とおでこを触ってきた
「いいえ!素直に感想を述べただけです!」
と後ずさると、ぐらりと身体がよろけた
「おい。また転ぶ気か?」と腰を支えてもらい、顔が近づく
「ありがとうございます」
と声が小さくなる
体勢を整えて、アラン様が膝をついて
「今日は一日私のエスコートをお受けいただけますか?」
と手を差し伸べてきた
「はい。喜んで」
と笑顔で答える。
……どうしたと言うのか!これでは今までの近づかない作戦が無効になってしまう!
しかし王子に跪かれるなんてマリーやるわね。ちょっと気分が上がるわ。
だって王子様よ?知ってる?職業が王子様でお城に住んでいるのよ、この人。
前世の王子様は事務所に所属して自称王子を名乗っていたのよ。
もしかして、もしかしてだけど、私詐欺に遭っていたのかしら……。名乗るのは自由だったのかしら?前世の世界は。もう分かんないわね。止めておこう!
「どうした?」
「イエ、ナンデモアリマセン」
「変なやつだな」
「あっ!戻った」
「……ダメか?」
「ううん。そっちの方が気が楽で話やすい」
「お前もそれが、素なのか?」
「あっ!マナーの先生に怒られちゃう」
「俺が許すよ。俺もお前の前では素で話すからそうしてくれよ」
「いいの?」
……えっ。王子様なのに普通にお話しして良いなんて、この王子めっちゃいい人だわ。
王子なのに偉そうじゃないのに、王族の威厳もあるし、あれ?かっこいい
「あぁ。そうしよう!さてレディ会場へ行くぞ」
「うん」
腕を出されたので、手を添える
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会場と言っても邸内なので直ぐに着いた!
「あっ!お父様だ」
お父様はやはり目立つイケメンだ!
腕をほどき近くに行くと、
「マリー、パートナーから離れるもんじゃないよ。声をかける時は一言伝えて一緒に行動しなきゃダメだよ?」
「アラン様ごめんなさい」
しゅんとする
「あぁ。これからはちゃんと言ってくれ」
「うん」
「失礼します殿下。ご挨拶を」
招待されているお客様がアラン様に気づき挨拶が始まった。これは長くなりそうだ。
「お父様といるからアラン様どうぞ行ってきてください」
「そうだな。なるべく直ぐに戻る」
お父様に招待客の説明を受ける。
すると招待客がお父様に挨拶に来るので、隣で挨拶を一緒にする事になる。
「ブロッサム侯爵、本日はお招きありがとう。今日は息子も連れてきたんだ。息子も十歳を迎えて今度パーティーをするから、良かったら来てください。」
「モレル侯爵お忙しい中、出席していただきありがとうございます。パーティーの招待ありがとうございます。是非お伺いします」
……大人の会話だわ。中身アラサーだけどパーティーなんて誘われた事ないからよく分からないわ…。とりあえず笑っとこ!
「ブロッサム侯爵、お隣の可愛らしいレディは?」
「あぁ。紹介が遅れました。娘のローズマリアですよ。ご挨拶を」
「初めまして、ブロッサム侯爵が娘ローズマリアと申します」
必殺!淑女の礼!!
「おやおや。これは可愛いレディだね。セシリア様にそっくりですね。将来が楽しみだ!」
「…………自慢の娘のですよ」
嫌な顔をするお父様
どうしたのかしら?お父様を見上げると、頭を撫でられた
「うちの息子も紹介させて下さい。さぁ挨拶を」
「初めまして。私はモレル侯爵が嫡男テオドールと申します」
へー。うちと同じく侯爵なんだ。分かんないけどお父様に任せよう。
「あぁ。初めましてテオドール殿よろしく」
「ところで、ローズマリア嬢には決まった相手はいるのか?」
「いえ。まだですが」
「うちの嫡男はどうだ?同じく侯爵の身分だし申し分ないだろう?」
……えぇぇー。ヤダヤダ、そんなんで決めないでよ。面白くない顔をする。
「マリーはそろそろ殿下のところに行きなさい、パートナーだろ?アン!マリーを殿下のところへ」
「かしこまりました。さぁお嬢様こちらへ」
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「決まった相手はいないのだろう?」
とモレル侯爵」
「娘には好きな相手と結婚して欲しいと思っている」
「家同士の付き合いもあるぞ」
「それは後からでいいですよ」
「息子にもチャンスはあるか?」
「さて?どうでしょうね」
次々と挨拶に来られるが、ローズマリアに息子を紹介したい、と言う話ばかりだ。何回も同じことの繰り返しで、正直疲れた。
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「ねぇ。アラン様?」
「なんだ?」
「婚約って家同士で決まるの?」
「なんだよ!急に」
「さっきね、息子を紹介って言われて、挨拶されたけど、勝手に婚約って決まっちゃうの?好きでもないのに?」
「お前に婚約者が決まるまではずっとこう言う感じだろうな」
「えー。ヤダー。」
「じゃあはやく婚約者を定めろよ。」
「基準が分かんない。アラン様はいるの?凄いモテるでしょ?」
「オレはまだ居ないよ。」
「なんで?王子様なのに」
「俺と婚約するか?そしたらさっきのような事にはもうならないぞ」
「アラン様に好きな人が出来たらわたしお邪魔になるから、それはダメ」
「お前に好きな奴ができたら婚約解消してやるよ。」
「アラン様の迷惑になるから、それは嫌です」
「お前が俺を好きになればいいだろ?」
「………そうなの?」
「俺の事は嫌いか?」
「ううん。最近は嫌いじゃない」
「……待て!最近って事は、以前は嫌いだったのか?」
「だって池に落ちたし、意地悪言うし、チビって言うし、良いところなかったもん」
「……そうだな……」
頭を抑えるアラン
「でしょ?」
と笑うマリー
「俺も婚約者がいると、令嬢に言い寄られなくなるんだよ、だから婚約者はおまえがいいと思っているんだが…」
「……好きになるかなぁ?」
「じゃあ、婚約(仮)ってどうだ!」
「なに?それ?」
「成人までにおまえに好きな奴が出来たら解消するよ。俺のことが好きなったらそのまま結婚する。って事」
「そんな条件で婚約ってするの?」
「お互いの気持ちだろ?」
「なんか賭けみたいなんだけど…」
「絶対惚れさせるから大丈夫だよ、マリー」
と指にキスを落とされた
「あっ!」
頬を染めるマリー
「交渉成立?」
「う、うん」
「よし、決まりだな。でも(仮)って言うのはオレたちだけの秘密にしよう」
「お父様に迷惑がかかるのは嫌」
「オレもそうだよ。」
「じゃあ、内緒ね」
……ニヤリとほくそ笑むアランであった!
こうして二人の距離が近づく
その後すぐマリーは気付く。
その場に流されちゃった。どうしよう。
取り返しがつかないことになっちゃった!!
バカバカバカ……と。顔を青くする
フランソワにバカって言われて、逆切れしちゃったけど、その通りだった……
フランソワに謝りに行こう……
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