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うっかりメンバーカラー


「お嬢様は色が白くて可愛らしいお顔立ちされてますし、髪の色は銀色。もう何色を着てもお似合いです!!」


来月のお茶会に着て行くドレスを作るのだ


「お嬢様は好きな色などございますか?」



えぇーっと好きな色………?

前世ではこういう時、推しのメンバーカラーを選んでいたわ………。

自分の好きな色なんて関係ないの!!

推しの色で決まりなの!

似合う・似合わないは関係ないの!

ライブ会場周辺は色とりどりのカラーに溢れていたわ!!まるで花が咲き誇るかの如く!

一目で推しに愛を伝えられる。



それがメンバーカラー!!!!



「…………ピンク」


「姉様!ピンク凄く似合うと思うよ。この濃い色じゃなくて、こっちの薄めの柔らかいピンクにしよっ!」


フランが一緒に選んでくれるっていうの。

私はまだこの世界のドレスや、しきたりがよく分からないからフランが勧めてくれるものにしよう。フランってね、すっごく物知りなの!私なんかより詳しいの。


「お昼のお茶会と言うことですので、フランソワ様の言う通り、素敵な色ですね」

と生地を合わせながら、言う。


「後ね、腰のところにリボンを付けてね。何色がいい?姉様」


「銀色を入れて欲しいの。」


「えっ?銀色?」


「うん。だってみんなでお揃いの色だもん」


お父様もお兄様も私もフランも髪の色お揃いでしょ?女子っていくつになっても、お揃いが好きなの。

ふふふ男子にはわからないかもね。


「良いね。すっごく良い。ボクの衣装にも銀色入れてもらうね!お揃いだもん」


あら?フランってばお揃い肯定派なのね。

嬉しいーーー。


「まぁまぁ、仲のいい事ですこと。では腰のリボンは、透け感のあるこちらの銀色にいたしましょう?」

マダムが勧めてくれる。


「素敵ね!」


もう。可愛過ぎるんですけど?

アラサーじゃ着られないデザインと色合い。

限定デザインね。良い。すっごく良い。

こんなの大人になって着ていたら姫様コスよ!!田舎じゃ後ろ指刺されちゃう。

今のわたしが来たらリアルお姫様じゃない?

あら?お姫様って私が?


し・あ・わ・せ・カーニバル!!



「えっと…お願い。ドレスね軽くして動きやすくして欲しいの」


私体力ないのよ。病弱設定だから。何かの勢いで池に落ちたらもう沈んじゃう。ちょっとトラウマなの。


「それでしたらこちらのスカート部分のフリルのところは、レース素材の物を何枚か重ねて軽くしましょう」


ウィンクしながらマダムがいそいそとデザインを書き上げる!


「さぁ?お嬢様こちらのデザインはどうでしょう?」


「うん。とっても素敵ね。フランどう?」


「ねぇ様によく似合うと思うよ。出来上がりが楽しみだね」


ふふふと二人で笑い合う。


コンコンコン、ノックの後

「マリードレスの件だけどーーー」

「お兄様?」

「何?兄様?」

と同時に言うと、


「もう始まってるの?私も入れてくれよ」

仲間外れかよと、ごちる


「もうドレスは決まったの!!」

フランがお兄様にそう伝える。


「あぁ……そうみたいだな」

ふー。っと一言。

「あのね、お兄様、私とフランとね、衣装に銀色を入れるの。お兄様もよかったらお揃いにしよ?」


近くに寄ってお兄様を下から見つめる形になる。

「………そうか。私の衣装にも銀色で刺繍してもらおう」

「うん!」

やった!お兄様もお揃い肯定派なのね。


「本当に仲の良いご兄弟ですこと!腕によりをかけて最高の衣装に仕上げてまいりますわね。皆さん工房へ戻りましょう」


「「「「「はい」」」」」


「それでは出来上がり次第お持ちいたしますので、本日は失礼いたします」

嵐が去るように、帰っていく。



「フランソワ、マダムが来たら私に伝えるように言わなかったか?」


「えーーー?言ってた??覚えてないよ」


「……………………」


「マリー当日は、私たちから離れてはいけないよ。一人になってはダメだよ」


「はい。お兄様とフラン以外知り合いがいないもの!パパは会場に来ないんでしょ?不安だわ………」


そうよ。ドレスに夢中になって忘れていたけど、私ってば友達がいないの。

中身おばさんだけど友達になってもらえるのかしら?不安だわ……。

私どちらかと言うと、団体行動は苦手なのよ。どうしよう………。


不安な顔が伝わったのか、


「姉様。約束だからね。一緒にいようね」

フランが手を握ってくる。


「マリー。知らない人とお話するときは必ず私がいる時にしなさい。変な虫が付くと困る。」


「私、虫嫌い、やっぱり王宮ってお庭が広いから虫も多いの?」


「姉様は知らないだろうけど、とても多いよ!!嫌になったらすぐ帰ろう?大丈夫父上が許してくれるから!!ねっ。兄様」


「あぁ。そうしよう」


「……既に大きい虫が厄介なんだけどね」

ボソリ呟く


「ん?フランなんか言ったー?」


「ううん。姉様のドレス楽しみだね」


「パパにね、髪飾りも買ってもらうの!パパに選んで貰おっかな」


「ボクも一緒に選ぶよ。」


「ありがと。お兄様も選んでくれる?」

上目遣いでこちらを覗きながら微笑む


「あぁ。勿論」

と答えたが、どこでそんな仕草を覚えてきた?可愛いじゃないか!!他の男の前でそんな仕草しないでくれよ。

特に殿下の前ではするなよ。

自制が効かなくなり、即婚約されてしまうぞ。あぁー。茶会が憂鬱だ。



どうしたの?と笑うマリー。

ぶつぶつと「大きい虫が……」とぶつぶつ言うフラン。

不覚にも妹の可愛らしさに胸を打たれた私に、どんな状況だよ。カオスだな。

と頭痛がしてきたのだった。


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