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【Bar風花】第二章 緑風の縁側と初鰹の冷やし素麺 〜法の鉄壁は茶色いおにぎりに完璧な安寧を見る〜

【前書き】


※本作は『Bar風花-kazahana-』の日常編となります。

※本編をお読みでない方でも、単体のお話としてそのままお楽しみいただけます。

※初夏の冷やし素麺と、涼やかな久留米の純米生酒をご用意してお待ちしております。


初夏の光が深く差し込む、櫻庭家の緑豊かな庭と縁側。

丹念に引いた出汁のジュレを纏う涼やかな素麺と、切子に満たされる澄んだ生酒が、夫婦の穏やかな時間を包み込みます。

重厚な排気音とともに訪れる「法の鉄壁」と、コロコロと転がるふたつの茶色いおにぎり。

台北の路地裏から届いた温かな絆が、10月の秋風に乗って新たな物語を紡ぎ始めます。

どうぞ、そっと縁側の向こう側を覗いてください。

第1章:緑風の庭と初夏の兆し

 

 風花町の初夏は、光の深さから始まる。

 端正に整えられた櫻庭家の庭では、青葉が瑞々しく輝き、心地よい薫風が吹き抜けるたびに和室の畳へ涼やかな葉擦れの音を運んでいた。開け放たれた障子の先、磨き上げられた縁側には、木漏れ日が美しい斑模様を描いている。

 櫻庭天は、薄手の白シャツの袖を肘の上まで軽く捲り上げ、縁側にゆったりと腰を下ろしていた。

 手元には、美和が淹れてくれた極上のアイスネルドリップ珈琲。大きな氷がちりりと音を奏でるたび、深煎りの香ばしい苦味が初夏の清々しい空気に溶けていく。

「天ちゃん、お待たせ」

 静かな足音とともに、障子の奥から美和が現れた。

 いつもの『Bar風花』で見せる凛としたバーテンダーの装いとは違う、爽やかなネイビーのリネンブラウスに薄手の白いギャザースカート。腰にはシンプルなエプロンを締め、ゆるくまとめた髪から覗く白皙のうなじが、初夏の光を受けて眩しく映えていた。

 美和がお盆を縁側に置くと、ふわりと涼やかな出汁の香りが鼻腔をくすぐった。

「わあ……美和さん、すごく涼しげで美味しそうだね」

 天の瞳が感嘆に揺れる。

 青磁の大鉢に盛られているのは、丁寧に取った昆布出汁のジュレを纏った素麺だ。上には、さっと湯引きされた瑞々しい初鰹の薄切り、翡翠色に輝く茹でたてのおくら、そして色鮮やかな茗荷と生姜の細切りが美しくあしらわれている。隣には、深い出汁をしっかりと含ませた茄子とヤングコーンの冷やし鉢が添えられていた。

「少し汗ばむ陽気になってきたでしょう? 旬の初鰹と冷やし素麺で、涼を感じてほしくて」

 美和はそう言って微笑むと、天の隣にそっと腰を下ろした。ふたりの肩が触れ合い、ブラウスの生地越しに柔らかな体温が伝わってくる。

「いただきます」

 天が箸で素麺をすくい、口へ運ぶ。

 キリッと冷やされた麺の喉越しとともに、鰹節と昆布の豊かな出汁の旨味が口いっぱいに弾けた。初鰹の爽やかな脂と、茗荷のピリッとしたアクセントが絶妙な調和を見せる。ただ冷たいだけでなく、素材の持ち味を引き出す丁寧な手仕事が光る、身体が歓喜するような美味しさだ。

「……美味しい。出汁のジュレが麺にしっかり絡むし、初鰹の旨味がすごく引き立ってる」

「ふふ、よかった。鰹は表面だけさっと炙って氷水で締めてあるの。薬味の切り方ひとつで、出汁の馴染み方がガラリと変わるのよ」

 美和は嬉しそうに目を細めると、冷やし鉢の茄子を箸でつまみ、「はい、天ちゃん」と天の口元へ運んだ。天は少し照れながらもそれを受け取り、噛み締める。ジュワッと溢れ出す冷たい出汁の旨味に、思わず頬が緩んだ。

「そういえば……美和さん。10月からの秋学期に合わせて来日する、台湾の羽婷ちゃんの件……大学側との連絡は順調?」

 天が尋ねると、美和はお盆の傍らに添えられていた一升瓶へ視線を落とした。涼やかな清流色のガラス瓶の中で、澄んだ液体が光を反射している。地元・久留米の若竹屋酒造場が手掛ける純米生酒だ。美和は涼しげなガラスの片口に静かに酒を注ぎながら、どこか慈しむような目をした。

「ええ。大学側の『10月入学・特別交換留学生』としての受入内定通知が届いたわ。……台北のマスターからも、お礼の国際電話をいただいたの」

「あの『隱酒吧』の老マスターさん……僕たち三人で台北に行って、再会を果たしたあの時が、なんだか昨日のことみたいだね」

 天の脳裏に、あの永康街の夜が鮮やかに蘇る。士林夜市の熱気を抜け、静かな地下室のドアを開けたあの瞬間。老眼鏡の奥で目尻を下げ、涙ぐんでいた老兵の佇まいを。

「ええ……」

 美和は片口を傾け、切子のぐい呑みへと清酒を静かに注いだ。最後の一滴まで刃物で断ち切るように手首を返す、プロのバーテンダーならではの洗練された手つき。切子のカットに反射した光が、縁側に美しい虹色の影を落とす。

「私がまだカクテルの『技』ばかりを追いかけていた頃……自分の運命や時の重さに少しだけ疲れて、逃げるように身を寄せていた台北の路地裏で、あのマスターに出会ったの。彼は何も訊かず、ただそこにいる私に寄り添うように『アルゴンキン』を作ってくれた」

 美和は切子を口元に運び、生酒ならではのフレッシュな香りと、米の瑞々しい旨みを静かに味わった。

「あの夜、天ちゃんと千草お姉ちゃんと一緒に再会した時、マスターが作ってくれた『オールドパル』……古き良き友、という名のカクテル。幾千の夜を見渡してきた老職人だからこそ、私が背負う刻の重さを、声に出さずともそっと受け止めてくれていた……。知識でも論理でもなく、長年の経験と感性で全てを理解した上で、『命が尽きるまで、お前は大切な古い友達だ』って、抱きしめるように笑ってくれたわ」

「うん……マスターのあの言葉、本当に胸に沁みたよ。マスターの愛があるからこそ、今の美和さんがいて、こうして僕と出会えたんだって」

「ええ。酒はね、天ちゃん。飲む人の心を映す鏡であり、絆を深める道具なの。どんなに高度な技術も、人を想う心がなければただの冷たい液体に過ぎない……それを背中で教えてくれたのが、あのマスターだったのよ」

 美和は目を細め、静かに愛おしさを噛み締めた。

「大切な私の原点。そのお孫さんである羽婷ちゃんが、秋からの学期に合わせて風花町へ来てくれる。本当に感慨深いわ」

「10月からの来日なら、離れの準備もじっくりできるね。僕も何でも手伝うよ」

 天が言うと、美和は愛おしそうに天の手の甲へ自分の手を重ねた。

「ありがとう、天ちゃん。でも……10月来日に向けたビザや在留資格、大学側の身元保証の手続きは、少し複雑で素人には難しいでしょう? だから……あの方に頼んだの」

「あの方……?」

 天が首をかしげた瞬間、櫻庭家の敷地の外から、低く地響きのような、しかし極めて上質なマルチシリンダーの排気音が近づいてくるのが聞こえた。



 

第2章:重低音の訪れと茶色いおにぎり

 

 重厚なV8ツインターボの低音が静まり返り、櫻庭家の門前に1台の車が滑り込んだ。

 BMW M8クーペ コンペティション。フローズン・ブラックのボディカラーが初夏の強い日差しを跳ね返し、圧倒的な威厳を放っている。

 運転席のドアが開き、降り立ってきたのは、隙のない黒のタイトなパンツスーツに身を包んだ女性だった。少し長めの黒髪ボブを耳にかけ、アンダーリムの眼鏡の奥から知的でシャープな瞳を覗かせている。櫻庭家の顧問弁護士であり、「法の鉄壁」と称される橘栞だ。

「美和様、天さん。10月からの羽婷さんの来日に向けた在留資格手続き、および受入書類の経過報告に参りました」

 栞は格式高い凛とした声でそう告げ、手にしていた本革のダレスバッグを軽く持ち直した。しかし、彼女の背後――クーペのリアシートの窓ガラスに、何かがペタッと押し付けられている。

 湿った小さな黒い鼻と、ピンと立った大きな耳。

「……栞さん、リアシートのあの子たちは……?」

 天が尋ねると、栞は一瞬だけアンダーリムの眼鏡のブリッジをくいっと指で押し上げ、ほんのりと耳たぶを赤く染めた。

「……大変申し訳ありません。本日、午後からの出勤前にこの子たちの散歩を予定しておりまして……報告のついでに、櫻庭家の庭園で少し遊ばせていただけないかと……」

 栞がリヤドアを開けると、そこから弾けるように飛び出してきたのは、ふたつの茶色い塊だった。

 ウェルシュ・コーギー・ペンブロークの「ぷりん」と「ちび」。

 短い足を目一杯動かし、プリプリとお尻を振りながら走ってくるその姿は、まるで歩く茶色いおにぎりそのものだ。

「きゃうん!」

「わんっ!」

 ふたつの茶色いおにぎりは、一目散に縁側へと駆け寄り、天と美和の足元でシッポをちぎれんばかりに振った。

「まあ……ぷりんちゃん、ちびちゃん! いらっしゃい」

 美和が膝を折って手を差し出すと、ふたりは競い合うように美和の手に濡れた鼻先を押し付け、喉を鳴らす。

 その時、和室の奥の障子の隙間から、ふわっと白い毛玉が転がり出てきた。

 櫻庭家で暮らす白毛の子狐、「狐白」だ。

 狐白は突然現れた茶色い訪問者たちに驚いたように耳をピクッと立て、丸い瞳を見開いた。

 庭の芝生の上でピタリと動きを止める三匹。

 佇む白毛玉の狐白と、鼻を鳴らすふたつの茶色いおにぎり。静かな緊張感が庭を包む。狐白が首を少し傾けると、ぷりんがふんすと鼻を鳴らし、ちびが前足を低くして腰を落とした。

 次の瞬間――。

「きゃうーっ!」

 狐白がくるりと翻って芝生の上を駆け出すと、ぷりんとちびが短い足を激しく回転させてその後を追いかけた。

 白毛玉が跳ね、茶色いおにぎりがコロコロと転がる。木漏れ日が輝く庭園で繰り広げられる、あまりにも平和で愛くるしい追いかけっこ。

「……くっ……! なんという……完璧な精神の安寧空間ですの……」

 さきほどまで冷徹な法曹の顔をしていた栞が、アンダーリムの眼鏡の奥で目尻を限界までフニャフニャに下げ、口元を手で覆いながら悶絶していた。

「栞さん、立ち話もなんですし、どうぞ縁側へ上がってください。天ちゃんが冷たい珈琲を淹れてくれますから」

「あ……申し訳ありません。お言葉に甘えさせていただきますわ」

 栞は名残惜しそうに庭の毛玉たちに視線の先を送りつつ、すっと背筋を伸ばして縁側に腰を下ろした。



 

第3章:法理の刃と完璧なるスケジュール

 

 縁側に腰を下ろした栞の前に、天が丁寧に淹れたアイスネルドリップ珈琲がカランと涼やかな音を立てて置かれた。

 栞はひとくち含み、芳醇な苦味と甘みの余韻に静かに吐息をつく。

「……相変わらず、天さんの淹れる珈琲は澄んでいますね。冷えていても雑味が一切なく、油脂分が美しく調和している……まるで、隙のない完璧なロジックを読んでいるかのような心地よさです」

「ふふ、栞さんらしい褒め言葉だね。ありがとう」

 栞はダレスバッグから、革製のファイルを取り出した。インデックスが整然と並ぶ書類を、美和と天の前に滑らかに差し出す。

「本題に入ります。10月からの羽婷さんの交換留学に向けた法的手続きですが――初期段階の申請および各種書類の精査は完遂いたしました」

 栞の瞳に、プロフェッショナルとしての鋭い光が戻る。

「10月来日に向けた出入国在留管理局への『在留資格認定証明書』の交付申請、大学側の受け入れ協定に基づく身元保証書、さらには櫻庭家の離れを居住地とするための賃貸・使用許諾契約の整備……何ひとつ隙のない万全の法務体制を構築してあります」

「まあ……10月までまだ時間があるのに、そんなに速く?」

 美和が目を見張ると、栞はふっと誇らしげに唇の端を上げた。

「秋からの新学期に向け、夏以降は入管の審査窓口が各国の留学生の申請で極めて混雑いたします。直前の申請ではビザの発給が遅れ、10月の渡航に間に合わないケースも珍しくありません。だからこそ、この初夏の段階で完璧な書類を提出し、余裕を持って許可を確定させることが重要なのです」

 栞はアイス珈琲をもう一口含み、言葉を継いだ。

「提出書類の末尾には、櫻庭家顧問弁護士である私の職印と当事務所の法務監査証明を添付いたしました。窓口の担当官も『橘弁護士が直々に後見に就かれ、櫻庭家が身元を保証されているのであれば、10月の来日に向けた許可は100%問題ありません』と断言いたしましたわ」

「すごい……さすがは栞さんだ」

 天が感心すると、栞は少し照れたように眼鏡のブリッジを押し上げた。

「当然のことです。美和様が大切にされている恩人のご家族であり、10月から志を持って日本へ来られる若者です。法とは本来、夢を持つ者が手続きの遅延やトラブルに脅かされることなく、安心して平穏な日常を迎えるために存在する防波堤なのですから」

「……ありがとう、栞さん。あなたに頼んで本当によかった」

 美和が深々とお辞儀をすると、栞は静かに首を振った。

「いいえ。……それに、台北の『隱酒吧』のマスター様からも当事務所に感謝の連絡が届きました。『美和さんと優秀な弁護士先生がついていてくれるなら、秋からの留学も安心だ』と……大変喜んでおられましたわ」

 その言葉を聞いた美和の目が、熱く潤んだ。

 かつて自分が台北の静かな地下室で受け取った温かなアルゴンキンとオールドパル。言葉を超えて自分を包み込んでくれた老バーテンダーの職人としての誇りと愛。それが今、時を超え、10月の風とともにやってくる一人の少女の未来を守る絆となって、しっかりと繋がっている。



 

第4章:初夏の木漏れ日と重なる手

 

 庭では、すっかり遊び疲れた三匹が、日陰の涼しい芝生の上で丸くなっていた。

 白い毛玉を中心に、両脇をふたつの茶色いおにぎりが挟み込むように体を寄せ合っている。白と茶色の見事な団子状態になり、スースーと気持ちよさそうな寝息を立てていた。

「ふふ……あんなに仲良くなるなんて」

 美和が目を細める。

 栞もまた、その愛くるしい光景をスマートフォンのカメラで静かに収めると、満足そうに息をついて立ち上がった。

「では、私はこれで失礼いたします。10月の来日スケジュールがより詳細に決まりましたら、また正式なビザの控えをお持ちいたしますね」

「ええ、栞さん。本当にありがとうございました」

「ぷりん、ちび。帰りますよ」

 栞が優しく声をかけると、ふたつの茶色いおにぎりは名残惜しそうに耳をパタパタさせながら起き上がり、狐白の頭を一度だけペロリと舐めてから、栞の足元へ駆け寄った。

 栞は二匹を愛おしそうに抱き上げ、リアシートへ乗せる。

「天さん、美和様。……あ、それと天さん」

 車に乗り込む間際、栞はふと思い出したように振り返った。

「先日、天さんがお書きになったルポタージュ……拝読いたしました。相変わらず、人々の声なき声に寄り添う見事な筆致でしたわ。頼まれてもいませんが、念のためリーガルチェックは済ませておきましたので、ご安心ください」

「えっ……あ、ありがとう、栞さん」

 早口でそう告げると、栞は逃げるように運転席へ滑り込み、少し顔を赤くして重厚なドアを閉め、V8エンジンを静かに始動させて初夏の青葉が輝く風花町の街並みへと去っていった。

第5章:解けていく時間と繋がる秋へ

 夕刻。西の空が柔らかな黄金色に染まり始める頃、櫻庭家の庭には涼しい夕風が吹き抜けていた。

 天と美和は、再び縁側に並んで座り、揺れる木々を眺めていた。

 天が片口から、美和の切子へと清酒を注ぐ。トクトクと心地よい音が響き、澄んだ酒が満たされる。

「美和さん。10月に羽婷ちゃんが来たら、風花町も賑やかになるね」

「ええ……本当に楽しみ。あの子がこの町でたくさんの経験をして、素敵に成長していく姿を、遠く離れた台北のおじいさんにも見せてあげたいわ」

 美和は切子を傾け、ふっと目を細めた。

「あの台北の夜、マスターが私たちに作ってくれたオールドパル……人を想う温かい心が、今度は羽婷ちゃんを通じて次の世代へと受け継がれていく。そう思うと、胸が熱くなるの」

「うん……美和さんの教え子であり、妹みたいな存在になりそうだね。僕も10月に向けて、離れの掃除等準備をしておくよ」

「ふふ、天ちゃんのご飯を食べたら、羽婷ちゃんも美味しくて台湾へ帰りたくなくなってしまうかもしれないわね」

 二人は顔を見合わせ、くすくすと笑い合った。

 初夏の清々しい風と、冷えた清酒の豊かな余韻。そして、膝の上で再び丸くなった狐白の心地よい体温。

 天は、美和の柔らかい手をそっと握りしめた。薬指で静かに輝くシンプルな結婚指輪が、夕日を受けて温かな光を返している。

 美和もまた、その手をしっかりと握り返し、愛おしそうに天の肩に頭を預けた。

「こうして二人で過ごす毎日が、本当に幸せ……愛してるわ、天ちゃん」

「僕もだよ、美和さん。ずっと、僕の隣にいてね」

 美和は嬉しそうに目を細め、天の首筋にそっと顔を埋めた。

 言葉を超えた絆と、夫婦として重なり合う穏やかな時間。

 酒が持つ人の心を繋ぐ力と、温かな料理が育む日常の愛おしさ。それらすべてが溶け合い、初夏の柔らかな空気の中に満ちていた。

 10月の秋風とともにやってくる新しい家族を待つ櫻庭家の庭に、青葉を揺らした優しい風が、静かに吹き抜けていった。

【あとがき】


最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。

今回は『Bar風花』のカウンターを少し離れ、初夏の光が溢れる櫻庭家の縁側を舞台に、10月の秋学期に向けた「羽婷ちゃんの留学手続き」を描いたエピソードをお届けいたしました。

かつて美和が台北の地下室で受け取った『オールドパル』の温もりが、時を超えて一人の少女の未来を守る絆へと繋がっていく──そんな酒と人の心の温かな循環を感じていただけましたら幸いです。

クールな橘弁護士が見せる、コーギーたちへのギャップあふれる愛らしさもお楽しみいただけたでしょうか。


もしこのお話で心が和んだり、冷えたお酒や出汁のきいたお料理が恋しくなっていただけましたら、作品ページ下部よりブックマーク登録や評価の星(★★★★★)、感想などをいただけますと大変励みになります。


皆様の温かな応援が、風花町に咲く桜の輪をさらに広げていきます。

それでは、また次の夜にお会いしましょう。

天照(Bar風花)

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