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どうしてこうなった?  作者: 英心
20/27

019 散歩と言うなの買い出し

本日四話目です


 シャルロット侯爵夫人に解放されたのは、館で堅苦しいディナーを終えた後だった。ヴェイルとは違うスィーツをご提供すると、確約を取られてからだ。

明日は市内観光と考えて居たが、メインは市場に成りそうだ。一応宿も世話に成っている者の家族だからレシピを教えると伝えれば、館で共に学ばせれば良いと仰せに成る。果たしてヘレンさんは領主館へ来てくれるでしょうか?


「ご領主様の御屋敷で料理教室ですか!行きます行きます行きま~す」

「えっと、大丈夫です?緊張とかされませんか」

「緊張はしますが、ご領主様ご一家は月に一度教会は催す炊き出しにご参加されるんでお話は何度かしてるんですよ」


 へぇ~意外な一面を聞かされたよ。抑々この町にも貧相階級って居るんだね。

まぁ~零だなんて町の方が反って怪しい気がするけどね。

 予定は明日からで、今日は市場へ地元の食材探しを兼ねた観光に出るんだと女将に伝えた。


「御免。こちらにクドウ殿がお泊りと聞いたのだが」


 遣って来たのは、ボイド氏。それと変装したシャレーヌ嬢だ。


「アレッ!どうしました?何かお約束してましたっけ」

「今日は市場調査に出かけると聞きまして、案内兼護衛にと参上しました」

「で、姫様は?」

「わ、私も社会勉強です。ご一緒させて下さい」


◇ ◇ ◇ ◇ ◇


「ア、アレは何でしょう?」

「エビですね」

「アレが……ちょっと怖い姿ですね」

「食した事在りませんか?」

「いえ、食卓にはその~調理したモノですから。私が知る形とは異なります」


 成程、姫様はキッチンで料理する事も無いから、素材の生の姿を知らないんだ。そう言った所は現代日本人の子と似たトコが在るね。

ワイワイ・ガヤガヤと言った感じで四人で仲良く町の散策を楽しんでいく。



 一方王都では、教皇の下へ一通の火急の知らせが舞い込んでいた。


「月詠み殿!連絡が在りましたぞ」

「見つかりましたか?場所は!場所はどちらですか?」

「お待ち……領内ですな。それもヴェイル!やはり、既に接触が在ったと言う事ですな。発信日は一昨日ですな。……嫌、う~ん……」

「教皇様どうなされました?」

「文には、問題の者は男と記載しております。唯、一足違いで旅に出ていると」

「行先は、行先はどうなって居ますか?」

「ヘッジ、タラン、シーラルを廻って王都への予定らしいと」

「それでは、まだ、ヘッジに着いて居ませんね。至急ヘッジの教会へ連絡を入れましょう」

「お待ち下さい!確か……ヴェイルと言えば、先頃エルーラ候のご息女が関わった怪事件が在った地。それに情報では、その者は冒険者と記されております……多分この文の内容は騙されておりますぞ」

「何故その様な?」

「其れだけ、本人若しくは仲間が警戒していると言う事です」


 ギルド長と言う役職よりも政治的活動と暗躍が犇き合う世界に長く生きた分、教皇が一枚も二枚も人を疑う能力が高い様です。


「全てが嘘ではないでしょう。そうなればギャバンも気づく筈。巧みに嘘と本当を入り交ぜた情報を流したのでしょう。であれば、行先は逆方向。距離を考えれば其れが妥当……月詠み殿!かの者はエメロスに居ると推測されますぞ!」



◇ ◇ ◇ ◇ ◇


「ジャガイモにトウモロコシと色々在りますね。おや?アレは……」


 食材を吟味していると、一見アーモンドに似たデカイ粒を見つけた。茶色い粉末を商品として販売され、その脇には白い塊がデーンと山済みで捨てられている。


「スミマセン。この粉は如何使うんですか?

「お湯に溶かして飲む薬だよ」

「チョッと味見して良いですか?」

「良いけど……苦いよ」

「でしょうね。唯、私が知って居るモノかを確認したくて」

「物好きだね~ホラ!」


 うん。苦い!そして九分九厘カカオで間違いない。と成れば、捨てられてる白い塊はカカオバターに違いない。

 ちょっと高めの金額だけどカカオを購入序に棄てられているカカオバターは持てるだけタダで貰った。


「良いかモノが出来ました。後は実際に私が思う通り品が作れるか実験ですね」

「何が出来るか楽しみですわ」

「旦那様、お買い求めるのは宜しいですが、何方で試されるんですか?」


 おっと失念してました。ヘレンさんトコは仕事に使うし、侯爵家で実験する訳にもイカナイし……困りましたね。


「そうですわ!良い考えが浮かびましたの」


 突然シャレーヌ嬢が叫んだかと思うと工藤達の手を引っ張って領主館へと急いで向かい始めました。



「お父様!私、良い案が浮かびましたわ」

「突然どうした?良い案とは何だね?」

「昨日お父様が仰っていた形在るお礼の品です」

「ほほぉ~是非聞かせておくれ」


 うん。俺も興味が在ります。一体お姫様は何を想い付いたんでしょうね。

侯爵家当主と御后様を前に姫様は姿勢を正し、言い放った。


「この地にお二人の御屋敷をご用意しては如何でしょう」


 えっと……家ってそんなに安いの?貴族様ってブッ飛んでませんか?


「おぉ~其れは良い考えじゃ」

「そうなれば、いつ移住されても良いですわね」


 娘が娘なら親も親かよ。ってか、いよいよ懐柔するきですか!?


「姫様!勿体無いお言葉です。ですが、私は冒険者。今はヴェイルに身を置いていますが、何れ流浪の旅に出る考えです。家を構えるなど……」


 嘘です。本当はレイと住む家を考えてます。でもこの地かは未定なんですけど。


「構わんでないか。別宅を幾つか持って居ても不都合は無かろう。宿暮らしも大変だと聞く。宿が取れない事も有ろう。安心せい税金を取るツモリも無いし、留守の間の管理も任せるが良い」

「ですが、余りにも私には過ぎた褒美で御座います」


 なんて事をエルーラ候と押し問答して居たら


「お呼びでしょうか奥様」

「不動産屋に直ぐに使える家を探す様指示して頂戴」


 えっ!?何見切り発車してるんですか奥様。ってか相変わらず人の意見無視なんですね。


「流石お母様。お早い動きですね。でわ、私はメイド達を集める事にしますわ」

「と言う事だ。クドウ殿。後は何か希望はあるか?」


 二度目ですが、娘が娘なら親も親です。なし崩しで進む話に待った無しです。

チラッとボイド氏を見れば、視線を逸らされました。逃げ場を失ったようです。


 それから、奥方様が今日の収穫を訪ねて来た。蛇に睨まれた蛙の気分です。仕方なく購入目録を伝えると御后様は目を輝かせて、ウンウンと首を縦に振るばかり。そうこうして居る内に、指示を出されていた執事さんが戻ってきましたよ。


「調べた結果、今宵から住める家が二軒。若干の手直しが一軒。家具を買い揃えるのが二軒で御座います」


「でわ、向かいましょう。貴方、私とシャレーヌが吟味いたしますわ」

「判った。ボイド警護は任せたぞ」

「其れでは、クドウ殿参りましょか」


 無理やり手を引かれ俺とレイは拉致されました。

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