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どうしてこうなった?  作者: 英心
11/27

010 俺には過ぎたモノ

本日三話目です

 常時発注依頼は薬草集めと大鼠の駆除だ。それらの受注手続きは必要ないから好きな時に好きなだけ報告して良いと告げられた俺達は、それに従う事にした。

先ずはレイと俺の戦い方を互いに知らないからだ。お互いを理解した上で受注は受けようと話し合った結果だった。

お蔭で、朝の混雑するギルドへ顔を出す必要も無ければ、早起きをする必要も無い。前の晩に女将ベラへ朝食代わりに弁当へして欲しいと頼んでおいた。



「ご主人様……今日は狩りに向かう筈では?」


「そうだよ。頑張ろうね」


「頑張ろうではアリマセン!戦う前にどうして、こうなったか説明を求めます」


「ん~レイが綺麗で可愛かったから。俺の欲望が勝ったって事だね」


 一度箍が外れると後戻りは出来ない。それにレイとの親交を深めるのは大事な事だ。気持ちレイの行動も変化が在ったし。コレは余程の事が無い限り、毎晩続けるよと彼女に釘を刺した。あぁ~こういう時の主従関係って便利だな~。

支度を済ませ、弁当を貰って大門へと向かい今日の狩場へと向かって歩き出す。


「此処が教えて貰った辺りかな?」


「だと思います。目印の一本樹。背には町の城壁が見えますし、間違えないと思います。それにお目当ての大鼠が其処に居ますから」


 シャルルさんから聞いた狩場に迷う事無く到着した俺とレイ。歓迎するかの様に大鼠の群れが『キィー。キィー』と鳴いて騒いでいた。


「先ずは私の弓の腕を見て下さい」


 俺が槍を構える前にレイは既に弓を構え矢を放った。『シュッ』と風を切り、一直線に五メナル先の大鼠の眉間に矢が命中する。


「良かった……腕は鈍って居ないようです」


 なんだ、そんな事心配してたのか。レイは無理をしなくても良いんだよ。と心の声が諫めている。アレ?奴隷を買った目的を履き違えてる?まぁ~可愛いから仕方ないよね。男って所詮こんな生物さ。其れより俺の強さを見せつけないと!


 レイばかりに狩りはさせられない。俺だってと魔導槍を振り回す。


「痛ぇ!うはっ。……なんで、枝に当たるんだ」


 慣れない処か初めて持った槍の扱いに四苦八苦する俺。イキナリ無様な姿を晒したのは、慣れてないばかりか、力んで格好つけたい気持ちの先走りが成した結果だ。大怪我はしてないが、指先や足元が自分の攻撃で傷つくなんて……。


「大丈夫ですか?少し広い場所へ移りましょうか」


 雅かの大失態である。カッコいい処かレイに不安を与えてしまった。彼女を守るとか大層な事を思った俺が浅はかだったと反省する。そんな俺にレイは優しき話し掛けて来た。


「僭越ながら幾何かの心得が在ります。宜しければ、御指導致しましょうか?」


 此処で、意固地に成っては意味が無い。器が小さい。ケ○の穴が小さい。○○も小さいなんて思われ兼ねない。否、最後は日本男児特有のコンプレックスだな。


「うん。教えてくれ。俺は強く成りたい。成らないとイケないんだ!」


「基本の持ち方は幾つか在りますが、ご主人様は二つを覚えて下さい。先ずは柄の中程。次は石突寄りの三分の二位置です」


「ご主人様は右利きですね。であれば、右を後ろに左を前にする構えをして下さい。上段・中段の構えが在りますが基本中段構えで行きましょう」


「腰を少し落とし肩幅の広さに足を広げます。持ち手の間も足と同じ位に広げましょう。槍の基本は突く事です。両手もしくは体全体で突く!突く!です」


「槍先で相手の攻撃軌道を変えるんです!受け止める時は柄で!相手の体を流したら石突で叩く!……良い感じです」


 レイの指導の元、何度も反復練習を繰り返す。足元に汗の水溜りが出来る程だ。俺の行動に彼女も答え指導に熱が入る。高揚感が二人を繋ぐ。

気が付けば、大鼠の死骸が山の様に積まれていた。


「ご主人様、凄いです。此処まで集中出来る方とは思いませんでした」

「先生が良いからね。俺も此処まで集中できるとは思わなかったよ」


 一旦休憩を取りながら、大鼠の討伐証明として大きな前歯を刈り取っていた。


「少し遅くなったけどお昼にしよう。朝食を取ってないからお腹ペコペコだな」

「フフッ。そう言う所はご主人様はお子様と同じですね」


 教わる身としては肩身が狭く言われるがままに受け止めよう。だけど、子供っぽいはアンマリじゃ無いか?コレでも一児の父親だぞ。そう思いながらも何処か嬉しい気持ちも在った。レイがまた少し心を溶かしてくれている気がするからだ。

宿の食堂で食事を取っているから二人だけのご飯は初めてだ。


「二人だけだど、静かだな」

「ハイ。趣向が変わって違う美味しさが加わります」

「いつもはガヤガヤと五月蠅いからな。偶には二人きりって言うのも良いな」

「……」


 チラッとレイを見れば、頬が少し赤い気がする。時折俺のセリフは彼女の心をくすぐる様だ。少しだけど、甘い雰囲気が漂い出す。


イカン。イカン。此処は不慣れな町の外。俺達に野外プレイは早すぎる。自重しなければ……。



 遅い昼食を終え、訓練を再開する。大鼠の他にスライムや角兎も交えながら、訓練は佳境へと入って行った。

扱いに慣れてきた俺に口出しが減っていくレイ。彼女も弓の他に剣と盾の訓練を開始する。午前中に二つ。午後に一つレベルが上がる。身体に更にパワーが漲るのが判る。だが、一向に槍のスキルが身に付く様子は無い。


「レイ。調子はどうだ?」

「はい。レベルが二つ上がり、盾スキルが一つ習得できました」

「そっか……」

「ご主人様、どうされました?」

「レベルは三つ上ったんだが、スキルは全然だな」

「初日ですし、基礎を学んだばかりですから。其れよりレベルが三つも上がったナンテ凄いじゃないですか。ステータスはドレ位成長したんです?」


 何気ない彼女の言葉に俺は答えに戸惑う。確かにアナウンスが頭に響きレベルが上がった事を理解しているが、今まで自分の成長の変化を目で確認する事が出来なかったからだ。


「それなんだが、実は俺はそのステータスの確認の仕方を知らないんだよ」


 レイが何時もの様に口をポカーンと開けて呆れる様な視線を向ける。


「ご主人様は本当に世界の理を理解してないんですね。良いでしょう。私に続いて言葉を発して下さい」


「神の加護の下、我に授かりし力の源を公の場に示せ」


 唐突に呪文の様なコトバをレイが唱えると突然彼女の視界の前にホログラフが浮かび上がる。


「ご覧下さい。コレがステータスです」


 そう言ってレイは俺にステータスを見せる。


『名前:レイ・ウィリーレッキス。LV:12。年齢:18歳。性別:女性。職業:冒険者。HP:45。MP:30。力:25。防御力:18。機敏性:30。器用:30。習得スキル:片手剣:LV:1。盾:LV1。弓:LV1。習得魔法:初級・風属性LV1。聖属性LV1』


「あっ。聖属性を習得しています。コレは有難い。ですが何故でしょう?っとその前にご主人様のステータスを出してみましょう。呪文を詠唱して下さい」


 同じく詠唱を唱えると、漸く俺にも自分の成長を見る事が出来る様になった。


『名前:工藤英司。LV:8。年齢:35歳。性別:男性。職業:冒険者。HP:75。MP:0。力:50。防御力:60。機敏性:45。器用:80。SP残:30P。習得スキル:無し。習得魔法:無し。ユニークS:言語習得術:LV1。加護漏れ』


「こ、コレは……」


 俺のステータスを見てレイが驚く。突っ込み処が幾つも在るよね。其れより俺は自分でも目を疑う箇所が幾つか在るんだけど……。

時間を割いて読んでくれて有り難う

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