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お昼、わたしたちはサービスエリアで昼食を食べた。今は売店のソフトクリームを翠と頬張っている。影は知らない外国人に頼まれて、外国人とその飼い犬のツーショットを撮らされていた。
「影の半袖珍しー」
わたしは呟く。「あーたしかに?」と翠は返した。
「いっつもジャージだもんね?あの真っ黒の」
「そーそー。あいつ昔っからあれなんだよー」
「えっなんで?」
「なんか露出すると怪我した時痛いからだって」
「あー」
翠は曖昧な返答をしてソフトクリームを1口舐めた。わたしもそれに乗じて1口舐める。翠の耳元の透明ピアスを見て、勇気を出してわたしは聞いた。
「ピアス、影に開けてもらったの?」
「うん」
「ふーん。ずっと開けたいって言ってたもんね。あれでしょ、巡に憧れたんしょ?」
「やっぱわかるー?」
翠は眉尻を下げて言った。
「うんまーでしょーねって感じ。ちなみに巡、あれよりもっと開いてるよ」
「え?」
「いつも付けてるより多く開いてるよあの人。開いてるけど使ってない穴ある」
「すごお……めっちゃ痛かったよあれ」
影がどんな気持ちで翠の耳に穴を開けたのか、想像したくもなかった。
「ねえ見てあれ」
翠は笑って少し離れた先の影を指さす。今度は外国人と飼い犬と影のスリーショットを撮らされていた。
「はは、うける」
あまりにもから笑いだったので、言っていて自分でも今のは感じ悪かったかな、と反省する。と、それを見兼ねた翠が申し訳なさそうに言った。
「ごめんね、わたしがいなければ2人きりだったのに」
「えっ違う違う」
わたしは首を横に振って否定した。翠のことだって大好きなのに、翠にそんな顔をさせてしまった自分を嫌悪した。
すると、そんなところに外国人から解放された影が戻ってきた。
「なんか大変そうだったね」
翠が言う。
「うん」
影はそれだけ答えた。二人はバスへ向かっていく。わたしも続こうと思ったが、1度立ち止まった。
2人が横に並んで歩く姿が、皮肉にもとてもお似合いだと思えてしまって。今の空模様とは裏腹にわたしの心は嫌でも曇っていく。
翠が足を止めて振り返った。
「朔?」
わたしは1拍遅れて「うん」と言い、駆け足で2人へ追いついた。




