18
翠を自宅まで送ってから、俺は帰宅した。部屋の鍵を開けて入り、鍵を閉める。靴を脱いで奥へ進むと、すぐそこに霞は座り込んでいた。テレビがついている。どうやらテレビを消し忘れたまま部屋を出てしまったみたいだ。
「霞?どうしたの?」
霞が来るのが、いつもよりも早い。
「ん?あー巡くん」
「今日いつもより早いね?」
「ん、巡くん、今日女の子と会ってきたでしょ」
「えっ待ってなんでわかんの!?」
「なんかちょっと嬉しそう」
「いや、別にそんなことないって!」
俺は必死に否定する。
「翠はただの友だち……みたいなもんで!」
脳裏に翠の顔が浮かぶ。長い金髪の翠の姿が、眼前の霞と重なった。
改めて見て、やっぱり自分が好きなのは霞なのだと自覚する。
「すいちゃん……?どんな子なの?」
「え、なんだろ、うーん……むず」
「何繋がり?」
「え、なんかね、なんだっけあのー、たしかスタバで初めて会ったんだけど、そん時にめっちゃ話して……」
「ふーーん」
「いやっほんとにただの友だち!」
「ふふっ、ははっ、もうわかったってー。そんな必死になんなくても」
そう言って、霞はにこにこと笑う。目を細めて、手で口元を隠すようにして笑う。俺は彼女の笑顔が本当に大好きだ。
「今日さ、映画見ようぜ」
「ん?なんの映画?」
「俺最近見たいやつあんだよね」
そう言って俺は台所へ向かう。引き出しからポテチ、冷蔵庫からコーラを持ってきた。
「巡くんお風呂入んないの?」
「ん?いーや先見よ!明日休みだし」
霞がまたどこかにいなくならないうちに、2人の時間を過ごしたいと思った。




