021話 それぞれの事情
この作品を選んで、お読み頂きありがとう御座います。
誤字脱字があると思いますが、出来れば誤字報告して頂ければ幸いです。
この物語はフェイクションです。
物語中の世界観は独自の世界観で書いておりますので、法律、慣習、習慣、常識等に異質な部分が多々ありますが、其れ含めて楽しんで読んで頂きたいと思います。
ゼノンが6人の奴隷を買ってから5日が経ち、ルアンに協力して貰い何とか仕事を覚えて貰って、ゼノンの想い描いたようにスムーズに作業が流れる様になって来た。
農園管理を任せた4人には軽トラの運転が出来るように、ルアンが運転の仕方を指導して貰い2日の間に4人に運転技能を叩きこんで貰った。
軽トラには聖域内での安全を確保する為に時速制限を30kmまでと設定して、それ以上は速度が上がらないようにした。
軽トラの運転を覚えた4人が2組に分かれて軽トラを2台で収穫した野菜や果物を積んで、注文を受けたログハウスと寮の厨房と酒造工房に配達する様になりゼノンの負担がかなり楽になった。
酒造工房で魔術師のコリンが働きだして2日目の時にゼノンの指導の下で作業していたけど、どうにも覇気がなくゼノンが話し掛けているのに反応がなく、ただ身体を動かしているだけの様に見えていた。
「コリンさん、俺の話を聞いているかい」
「・・・・」
「コリンさん、俺の目を見なさい」
ゼノンは余りに反応がないコリンの肩を掴み揺らして語気を荒げる。
「はい、何でしょうか」
「はぁ~、そんなに此処で働くのが嫌なら契約を解除して返却しても良いだよ、やる気のない奴隷は不要だからね何か事情があるなら話なさい。それも嫌なら契約を解除して返却するよ」
「主様、此処で仕事をするのが嫌ではないです。ただ魔術師なのに魔法が上手く使えないのが嫌なんです。主様は無職と聞きました。なのに凄い魔法を平然と使っているのを見て自分が情けなくて・・・」
コリンは自分の思いの丈をゼノンに打ち明け泣き出す。
「そうか、それじゃ、何で魔法が上手く使えないか調べてみようか、コリンは2人で魔力循環をした事ある」
「魔力循環ですか、いいえした事はないです」
「そうか、なら俺としよう、両手を出して、軽く触れるよ、今から俺が君の右手に魔力を流すから俺の魔力を体内で感じてくれるかい」
「はい、お願いします」
コリンはゼノンの言う通り両手をゼノンの前に出して軽く握る。
「それじゃ、魔力を流すよ」
「はい、分かりました」
ゼノンはコリンの右手に魔力を流すと、途中で魔力の流れが途切れる箇所が何ヶ所かあり、レティアと同じ様に魔力回路が根詰まりをしているのか分断しているのか孰れかである。
「一旦止めるね、コリンさんは過去に大怪我をしたとか大病を患ったとかあるかい」
「いいえ、そんな記憶はありません」
「そうか、今ので分かっただけでコリンさんの体内にある魔力回路に4ヶ所ほど根詰まりか分断してるのか、いずれか何だけど判明したよ、だから魔法が上手く使えないだよ」
「えっ、それって治せるのですか」
「う~ん、それは分からないけど、俺で良ければ出来る限りの事はするけど、遣ってみるかい」
「はい、可能性があるのならお願いしたいです」
「分かった。事務所に行こうか、椅子に座った方が良いからね、さっきの様に魔力循環して俺の魔力で魔力回路の修復をしてみるよ」
ゼノンはコリンを連れて事務所に行って2人で向合って椅子に座り、両手を軽く繋いで魔力循環を始める事にした。
「それじゃ、始めるけど1回で直ぐに治せる程簡単ではないからね、辛くなったらちゃんと俺に伝えると約束する事だ。約束を破ったらもう2度しないよ」
「はい、分かりました。約束します」
「うん、約束だよ、それじゃ、始めるよ」
ゼノンは又コリンの右手から魔力を流し始める。
ゼノンはコリンの右手から魔力を流して始めて、最初に魔力の通りが止まった所から修復を始める為に1点集中させて修復を始める。
修復を始めて10分程で修復が終わり魔力が通り始めると、コリンの表情を確認すると少し辛そうにはしていたけど、まだ行けると判断して通常の魔力循環に戻した。
通常に戻して直ぐに2ヶ所目の詰まりに当たり、修復を始める為に魔力を集中させて始めたけど、詰りではなく分断されているのでかなり厄介だなと思いながら修復を続けた。
修復を始めてかなり時間が掛かりかなり集中して行い、30分くらい掛けて魔力が通る様になった。
「ふぅ~、今日は此処までにしよう、続きは明日にしよう、大丈夫だったかな」
「はい、チョッとだけ辛かった時もありましたけど、気持ち良くもあったので問題ありませんでした。主様は凄い方なのですね尊敬致します」
「そんな事はないけどな、但し修復が終わるまでは魔法の使用は厳禁だよ、下手に魔法を使われて修復した所がまたダメになる可能性があるから、これも約束だよ」
「はい、分かりまた」
コリンは今までとは違って何となく魔力の流れ良くなったような気がして、それに身体も少しだけ軽くなった感じがしていた。
治療した後のコリンは別人のようにハキハキとしてゼノンを指示にも元気よく返事をする様になって、ゼノンも何とかコリンが扱いやすくなってホッとした。
翌日も事務所の中で向合って椅子に座り魔力循環をしながら魔力回路の修復を始めて3ヶ所の詰まりを修復して修復が全て終わり、後は強化するだけとなった。
「一応だけど修復は終わったけど、当面は魔力回路の強化を兼ねての鍛錬として魔力循環を午前中に10分と午後に10分と週末まで続けるからね、それ以降なら初級魔法くらいは無理しない程度に鍛錬しても良いよ」
「はい、有り難う御座います」
コリンは修復が終わったと聞いた時には全身に魔力が行き渡っているのを感じて、心も軽くなったように思えた。
翌日からのゼノンとの魔力循環の鍛錬は全身にゼノンの魔力を感じて、とても心地よく感じて10分間があっという間に終わってしまい、残念な気持ちでいっぱいなる。
その分仕事にも身が入る様になり、ゼノンの指示が出る前に作業を始めており、仕事も楽しく思える様になりここでの生活環境が素晴らしいのにも漸く気が付く事が出来た。
2種類のワインの製造も軌道に乗って来たワインが満タンに入った樽が倉庫の保管棚に40樽ずつで80樽と保管された。
果実水もリンゴとオレンジとピーチの製造も順調で樽の中で瓶詰めされるのを待っている状態で倉庫の中に100樽ずつ保管されている。
店の方ではアズナは明るく笑顔でお客さんと接する事が自然と出来るようになり、仕事が終わって寮に戻ると寮の仲間と会話もする様になり、夕食後には木剣を持って寮の外で素振りをして鍛錬をしていた。
そのお陰なのか自信を取り戻して騎士は無理でも魔物の間引きを行う事によって魔物肉を確保して皆のお役に立てる気がして、それだけでも嬉しく感じられる様になった。
その様子を見ていたユランもアズナが頼もしく思える様になり、アズナに剣を与えたのが良い方向に向いたと安堵していた。
日曜日の朝を迎えてゼノンはエリザ夫人に会いに王都支店へ出掛け、ユランとレティアはエイリンとアズナの2人を連れて、神獣フェンリルのルキスとメイラの2匹の背に乗って出かけた。
ルキスにはユランとアズナが背に乗り、メイラにはレティアとエイリンが背に乗って魔境イフラインの大森林に向って快走していった。
今日は初心者が居るので比較的に弱さそうな魔物が居る場所へ遠出していき、オークや魔牛や魔狼が多く棲息する森に行った。
最初に遭遇したのは魔狼の群で出来るだけアズナとエイリンに討伐させようとしてユランとレティアは後方支援に周り、アズナとエイリンの2人に戦わせた。
アズナは最初はビビっていたけどエイリンの射抜いた魔狼に止めを刺したのが切っ掛けに吹っ切れたのか様で、積極的に魔狼に立ち向かい斬り込んで行くようになり、エイリンの援護を受けて15匹の群を難なく2人で討伐した。
その後はオーク20体と魔牛の群を10頭と討伐してお昼を迎えて、ユランが作ったお弁当を食べてから一息入れてから午後から2時間程魔物の間引くを行い、討伐した魔物の亡骸はユランとレティアの2人でアイテムボックスに収納した。
午後から2時間程魔物の間引きを行いオーク6体と魔狼を24匹を討伐して、明日の仕事に影響が出ると不味いで切り上げて、聖域に帰ってからログハウスの露天風呂に4人で浸かり疲れを癒した。
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