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52.どこまで

side:レイモンド・マイルズ



ワシと橋本秘書、楠木副室長はBSF専用機で中華連邦国に到着した。


「お疲れ様です、すみません、総長」

出迎えてくれたのは、少し長めの髪を後ろで縛っている青年だ。ランキング4位のリ・シンユー。

強く、真面目で性格もいい、信頼のおける奴だ。歳は今年で38だったか。


「おー、シンユー久しぶりだな、いいんだ。お主も大丈夫か?」


こころなしかシンユーの顔色が悪い。連邦支部の情勢…思ったよりも悪い状態か…


「はい、なんとか…ですが、私1人ではもう止めきれません」


「早速だが、直ぐに会議場に案内してくれ。詳しい状況も聞きたい」


「承知しました。会議の準備は出来ておりますので、早速移動しましょう」


「総長、私は研究室の方へ顔を出してきます」

楠木副室長は連邦研究室側の状況を確認しに行く予定だ。本部の研究室での研究成果は本部のセキュリティで守られているが、各支部研究室にも適合手術についての情報は全て共有されている。それだけでもかなり価値の高いものだ。あくまでも対バグズのためのものでなければならない。


「うむ、そちらの確認もよろしくのぉ」


「はい、お任せ下さい」


さて、大方、"連邦支部長"あたりの考えだろう。あヤツは欲深いからのぉ…

さすがに大っぴらには動かんはずだが、あヤツは恨んでいる可能性が高い。かつての面影が少しでも残っていれば良いのじゃが、欲に溺れてしまっておる。

老害とはあやつのような者をいうのじゃ!


「総長、こちらです」


シンユーに案内され、支部の奥側、会議室と思しき扉まで案内される。


扉を開けて中に入ると、正面にワン支部長が座っている。ワシより少し年上だったはずじゃが、やはり久しぶりに見たワン支部長は現役時代ランキング上位に入っていた面影はもうない。贅肉が至る所につき、お腹はでっぷりとしている。


そして、右にはチョウ・ユウロン。

短髪の強面顔、適合者は全盛期及び寿命も長くなるため、若く見えるがシンユーと同じくらいの年齢だったはず。ランキング5位の実力者だ。


左にはヨウ・スイラン。

ショートボブの美人だ。歳は知らんが10年弱、ランキングにはいるはずだ。妖艶な感じといえば分かりやすいか。順位は6位。


ふむ…

あとその後ろにも10人……、

レベル6連中か。レベル7はあとタン・チュインシーもいるな。ワシからしたら、脅威の実力者はランキング上位の3人だけだが。


「ようこそ、マイルズ総長殿」


「ワン支部長、ワシは会議に来たはずじゃがな」


会議テーブルはなく、ユウロンに至っては抜刀している。これは既に話し合いの装いではない。


「いやいや、話をするつもりですよ。私達連邦支部はBSFから独立、連邦政府と協力していくことにする。本部には黙って引き下がって欲しいですね」

ニヤついた顔で奴が宣言する。


「それにワシが…、BSF本部が同意するとでも?」


「しないのであれば、こちらも相応の対応をするだけですよ?みな、戦闘準備!」

全員が抜刀する。そこにはシンユーまでも含まれている。


「し、シンユーさん!?」


「すまない、橋本さん」

軽く振り向いて確認したシンユーは悲痛な顔していた。本意ではなさそうじゃな……


「シンユー」


「レイモンドさん、すいません」


「こらこら、シンユーくん、総長を説得してくれれば戦わなくてすむんだよ!謝る前に説得してくれよ!?」


「ふん!なんと言われても、この件に関してワシが首を縦に振ることはない」


「総長は強気だねぇー、しかし、ランキング4、5、6位の3人を同時に相手して勝てるとでも?」


「ランキング1位を舐めないことだな。ワン支部長。」


「確かに1対1じゃ厳しいけどよ、俺たちにそこまでの差はないだろ?」

ユウロンの言葉は憎らしいことに、確かにその通りなのだ。


「それに秘書も巻き込む覚悟かい?」


「っ!?貴様!!」


「はっはっは、ようやく動揺したな!余裕な顔をしおってからに!」


「貴様は……どこまで腐ったのだ!!」


「これが国家のためになるのだ!喜べ、お前の死は、国家の礎となるのだ!」


「ま、まさか貴様、既に政府に情報を?」


「えぇ、既に連邦軍には適合者特殊部隊が出来てますよ。まぁ、まだレベル5程度の者達ですが…」


「何人おるのだ?その特殊部隊は。貴様らを殺してそちらにも向かわなければならん」


「面白いことを言う。無理だよ、君はここを突破出来ない」

これ以上、情報は取れぬか…

しかし、確かにこの突破は厳しいのぉ。


「総長、覚悟は出来ております。私に気を使う必要はありません。全力で戦って下さい」

橋本くんを見るとしっかりと見つめ返してくる。すまんの。移動中に話していた事が現実になってしまった。




中華連邦移動中の機内にて


【橋本くん、最悪の場合じゃ。もし戦闘になったら即退避して、逃げとくれ】


【…分かり……ました】

いかにも渋々といった感じだが、レベル7の戦闘に参加出来るとは思っていないのだろう。


【本部に連絡したら、専用機の離陸準備をしておきます。総長も一旦逃げることを選択してくださいね】


【分かっておる。が、橋本くんも状況によってはワシを置いて行くのじゃからな!】





「橋本くん、すまんな」

【水鎧】を纏う。そして、雷も合わせて纏う。正真正銘、ワシの全力で相手しよう。

そのまま、シンユーに向かって行く。


「っ!?」

しかし、シンユーも甘くはない。風の刃を乱れ撃つ。


「2人を制圧しろ!殺してもかまわん!レベル6は包囲に集中しろ!」

腐っても元レベル7、指示は的確だ。


だが、今ワシと相対しているシンユーは橋本くんへの警戒が薄まる。適合者ではない橋本くんをそこまで警戒するわけがないのだ。

この隙に橋本くんがシンユーの脇を通って廊下を抜けようとする。


が、黙っては行かせてくれないか…

橋本くんが隣にきた瞬間シンユーはそちらに手を伸ばす。橋本くんを捕まえようとしたのだろう。

やはりな、シンユーを信じておったよ。

お主なら風刃を橋本くんに飛ばさず、無力化に動いてくれると。


橋本くんは素早くグロック18Cの銃口をシンユーに向け、フルオートで連射した。

毎分1200発の連射速度で放たれる弾丸は適合者でも見切るのが難しい。対適合者を意識した装備だ。

しかし、相手はレベル7の中でもランキング4位のシンユーだ。

全ての銃弾を刀1本で捌く。


しかし、ワシを縫い止めていた風の刃が途絶えるため、一気に肉薄する。



ワシも背後にはユウロンとスイランも迫っているため、余裕はないが…


肉薄したシンユーを切りつけ、無理やりこちらに向かせる。

「今じゃ!走れ!」


橋本くんが全力で走る。橋本くんは適合者ではないが、ただの秘書でもない、彼女もBSFで訓練しているのだ。足は早い。


今度こそシンユーの脇を通り過ぎ、廊下を戻ってゆく。

ワシも頑張らねばならん。

せめて橋本くんが現状を本部に連絡する間は…


「はぁぁぁあ!!」

背後からもユウロンとスイランが来てしまうため、全方位に向け、水流を放つ。

少しでも当たれば常人ならば腕など簡単に折れる威力だ。まぁ、こやつらには牽制程度にしかならんが。

【水雷鎧】(すいらいがい)は強力だが、その分、負担がかかる。

3人相手にするのだ、もはやなりふり構っていられないだろう。


「はっはー、総長とやれるなんざ願ったりだぜ!」

戦闘狂のユウロンの剣戟を躱して蹴りつけるが、しっかりガードされる。


「大人しくしてくださいよ、総長。」

スイランが死角から斬りつけてくるが、雷も纏っているワシなら反応できる。左に躱す。

っと、レベル7は4人だったな。

斬りかかってきたスイランの影からチュインシーが影から飛び出してきた。


「はっ!!」


「お主にはまだ早いわ!!」


攻撃をかわして直ぐに顔面を鷲掴みする。そのまま地面へ叩きつける。この隙に3人は攻撃しようとしてくるため、チュインシーへのトドメと並行して、水流を背中らから渦巻くように放出。

雷も放電し3人の追撃の足を止める。かつ、チュインシーはワシに頭を掴まれたままのため、まともに雷に焼かれトドメ完了だ。


「さっすが、総長だが…いつまでもつかな?」


「ふん、お主らを叩きのめすまでじゃ」

ここから3対1の攻防が激化していく。



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