38.映画デート
「で、で、デートですよね?これって!?」
「よくやったぞぉー!ついに誘えたね」
「やっと誘えました!」
「いっつも、緊張して誘えてなかったもんね」
「グッ!?そ、それはしょうがなかったんです…」
「でも、ついにデートだよ!あ!あの時買った服着なよ!あれあれ!!」
「あ、あれですか!?あれ本当にいいんでしょうか?」
私は大急ぎでBSF入口の門へ向かう。
準備に手間取ってしまったが、何とか時間には間に合った。
隊長を確認し、急いで崩れた服を整える。
今の私はリリさんと買い物に行った時に買ったものだ。
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「絶対にこれは買っておいた方がいいって!」
「でも、私に似合うでしょうか?」
「似合うに決まってる!むしろ、アリスで似合わなかったら誰が似合うのよ!?」
「そ、そうですかね?隊長は見てくれるでしょうか?」
「もちろん!絶対に可愛いってなるね!多分、隊長の好みだと思うなぁー!」
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リリさんイチオシの服…
白を基調としたブラウスに、黒のスカート、太ももまである黒のストッキングをはいている。
絶対領域と呼ばれるやつだ。そもそも隊長と出かけるのなんて初めてだから、着る機会がなくて眠りかけていた衣服。リリさんは絶対良い!隊長には絶対に刺さる!って言っていたけど、正直不安だ。
「た、隊長…、すみません遅れました。」
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side:夜白
アリスの声が聞こえて、見ていたスマホから目を離す。ちょうど着いたアリスは、初めてみる格好をしていた。こ、これがアリスの普段着か!?
俺はまた全力で能力を行使し、脳の処理速度を上げる。
だって、めっちゃ可愛いんだもの。
アニメとか見ててもこんなの可愛いなと思ったりするじゃん?
俺のタイプ知ってたんか!?って思ったくらいどストライクである。そして、これがまたスタイルのいいアリスに似合っており、大好きだ。
間違えた…似合っており、とても可愛い。
あ、ここは服装を褒めなくては…
しかし、この気持ちの昂りを気取られた場合、アリスはいい気がするのだろうか?
いや、俺は借りにも上司だ。上司からそんなこと言われてセクハラと捉えられたら!?
でも、何気なくOKしたけど、これってデートじゃないだろうか?
アリスから誘ってくれたんだし、もっと気軽な感じだったんだろうけど、それならそれで、ここで何も言わないのも良くない気がする。
ちなみにこの間0.1秒である。
「初めて普段着見るけど、似合ってるね」
「あ、ありがとう…ございます…」
あ、あれー?これは照れてる!?いや、怒ってる?アリスが顔を俯かせてしまった。
マズったかなぁ。
調子のらないようにしないと…
これはデートじゃない。たまたま暇だっただけ。そう思って動くべきだろう。
「そ、それじゃあ、行こうか」
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「は、はい!」
私はいきなり、隊長に褒められて、あまりの恥ずかしさにふせた顔を上げる。
歩き出した隊長と一緒に門に近付く。
「お疲れ、外出する」
「すみません、私も外出します」
門担当にカードを提出する。
「は、はい!!お疲れ様です!!」
若めの門担当だが、さすがに零番隊の夜白隊長はわかっているのだろう。やや緊張しながら、カードを受け取る。カードを機械に読み込ませ、直ぐに出てきたカードを返却してくれる。
私のカードも受け取り、何故か2度見をして先程と同じように読み込ませて、返却される。
「い、行ってらっしゃいませ、夜白隊長殿、氷姫殿」少し高揚した顔で敬礼と共に挨拶され、まだ慣れない呼称に少し恥ずかしい。
「あ、ありがとうございます」
「ご苦労さま」
隊長はいつも通りだ。
門を出たところで、タクシーが止まっていた。
「アリスも一緒だから今日はタクシーを呼んだんだ」
「え!?全然、電車でも良かったんですよ?」
「いやー、配信し始めたただろ?アリスは大人気だから絶対囲まれるぞ?」
「そんなこと言ってー、隊長だって人気じゃないですか!?」
「アリスに比べれば全然だぞ?それに俺は目立たないのだ」
今日の隊長は白いТシャツに、下は黒くスラッとしたパンツで、特にアクセサリーはつけていないし、カジュアルな感じだ。
隊長によく似合っている。
「確かに、日本人である隊長は目立ちませんけど」
「そ!そゆこと!」
「そういえば何見るんです?」
「そうだった、コードギネスの劇場版なんだけど、アリスは見た事ないよね…」
「あ、隊長が前進めてくれたやつですね!アニメ見ましたよ」
「おぉ!?良かったー!なんの映画か言ってなかったから、どうしようと思ってたんだよね」
「私も知ってるので良かったですー!つい先日見終わったところなんで、良かったです!!」
本当に!!良かったです!!
「じゃあ、予定通りの映画でいい?」
「もちろんです、私が隊長に着いてきたんですし」
「公開してそろそろ落ち着いてきたはずだから、混んでないと思うんだけどね」
「それだと助かりますね、ポップコーン買いましょ!」
「いいねー、1人だと多いから頼みにくかったんだよね」
は!?隊長と2人で1つのポップコーンを!?
もう完全にデートです!
「絶対買いましょう!ふふー」
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side:リリーナ
「これは見守らなきゃいけないねぇ〜」
「リリさん?」
「アレンも行くかい?」
「どこにっすか?」
「隊長とアリスのデートを確認しにね!」
「え!?隊長とアリスって付き合ってたんすか!?全然気付かなかったっす!!」
「いや、正確には付き合ってないけど、付き合うかもしれないって感じだね」
「ほえー、そうなんすか!」
「あんまり、興味無い?」
「んー、とゆうより誰かを好きになったことがないから、よく分からないって感じッスね」
な!?今どきそんな人がいるなんて!?
「じゃあ、アレンも私と一緒に隊長とアリスを追っていくぞぉー」
「え?」
「隊長もアリスも緊張用に端末は持っているからね、それを追跡するぞぉー」
「え!?そんなことしていいんすか!?」
「オペレーターは可能なのだよ、ふっふっふ」
「職権乱用っすよ!!」
「…隊長の方が上司だから大丈夫なのよ!」
「な、なるほど…そうだったのか!?」
さすがアレン、今ので大丈夫だったようだ……
アリスはどうなってるかなぁ…
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