34.訓練開始
お昼も食べ、訓練場の休憩室へ戻ってきた。
「さて、一旦さっきの戦闘のおさらいをしてから訓練を始めます!」
「……よく見る夜白隊長になった」
そうですよ、休憩時間の隊長は本当に自由なんです。仕事モードになればこうなります。
このギャップもいいですよね。
「隊長ー!ちょっと待ってくださーい!」
リリさんが入ってくる。
後ろには、
「シャルル!?」
「皆さんお疲れ様です!!」
シャルルが元気よく挨拶する。
「お疲れ!?どうしたんだ?」
「やっと正式に許可がおりまして、皆さんの密着しちゃいますよ!!」
「そういえばそんな話あったね」
「忘れてたぜ!!」
シャルルには悪いが、正直、私も忘れていた。
「なになにー?なんの話ー?」
「あ、佐藤さん、配信用の撮影で零番隊に密着取材というか、撮影をするらしいですよ」
「そうなんだ!?え?じゃあ、これから合同訓練の私たちも映るの!?」
「はい!それを含めて許可頂きました。あと、次の進行があった際はライブ配信を行いますので、後ほど、各部隊にも連絡いきますよ!」
「あ、ほんとだ、さっき連絡来てる」
栗谷隊長がスマホを確認する。
「そう言うわけで、早速来ました!!先日の大規模進行で撮影が遅れましたが、その解決に尽力した18番隊を撮れるなら、結果問題ありません!」
テンション高めのシャルルはテキパキと準備をし始める。
いや、スコットさんとマイヤーズさんもいるんだが、2人は無口だ。準備は的確なようだけど。
「なんか緊張してきちゃった」
「僕もです…」
「カメラは気にしないで大丈夫ですよ、ただ私たち3人が見学してるくらいに思って貰えれば!」
「な、なるほど、努力しよう……」
栗谷隊長までもがちょっとぎこちなくなってて少し面白い。
「じゃあ、我々はいつも通りに行こうか!訓練の見学者がいるだけだ」
「「「はい」」」
仕事モードの隊長は頼りになる。オフモードは趣味に走る。別に普通に話してくれるけど、私たちは基本的に零番隊建屋から外に出ないから、いつも話してるし、話題が尽きてしまう。
私もアニメとか隊長のオススメで結構見てるから、話題はあるし、一緒にゲームもするんだけど…
リリさんは新鮮味がないから逆に進展しないのかなぁと、嘆いていた。
「えー、午前の戦闘についてだが、これを見てくれ」
隊長の後ろ、70インチの壁掛けモニターには午前の戦闘シーンが映し出されている。
アレンと佐藤さん、健くんの戦闘だ。
隊長が脇のPCを操作する。
「ここの佐藤、佐々木の連携はとても良かった。タイミングも、バッチリだ!」
最初の佐藤さんの水で目くらまししながら飛び跳ねて、視線誘導しつつ、健くんが下から攻める場面だ。
「ありがとうございます」
佐藤さんも健くんもニヤついている。
「ここの左右同時攻撃はタイミングがズレてしまった。格上相手てはその差だけで対応されてしまうから2対1の優位を常に生かさなければ、1対1を2回じゃ勝てないぞ」
2人ともシュンとする。顔に出やすいタイプのようだ。
「佐々木はここで弾き飛ばされてしまった、耐ええればもう少し2対1で戦闘出来たはずだ。佐藤は最後、やられながらも咄嗟に攻撃したな。いい反応だ。全体的に反応速度がとても良かった。」
「「はい」!」
佐藤さんはニヤつき、健くんはシュンとする。
「これを踏まえて佐藤は能力を使用しながら刀を振るうことを中心に、佐々木は全体的な能力向上を中心に訓練することにしよう!」
「「はい!」」
「さて、次はアリスと栗谷さんだ」
次は私たちだ。どうかな!?
「栗谷さんについては基本的には別にどうこう言うことはありませんが、さらに強くなるために、1点単刀直入に…
風系統に頼りすぎになってます」
「ゔッ!?」
栗谷さんの心に突き刺さったようだ。狼狽えている。
「風系統の扱い、汎用性は高いですし、栗谷さんの得意系統です、引き続き伸ばすことは言うまでもありません。…が、だからといって、他の系統全然使えませんよね?」
「はい…おっしゃる通りで」
「風系統と相性のいい、相互に効果を高められる炎や汎用性の高い雷系統も練習しましょうか」
「了解です」
「最後にアレンとアリス」
「「はい」」
「アレンは途中までは良かった、最後まで気を抜かないこと…対バグズでも油断で怪我してたら次の戦闘に支障がでるぞ」
「はいッ、気をつけます!」
「アリスは風系統への反応も良かったし、氷の使い方も、良かった。これからも生成速度と強度の両立レベルを中心に上げていこう」
「はい!そうします!」
ふふっ、褒められた。
内心ニヤついていると、リリさんと目が合って笑わわれてしまった。
顔に出てただろうか!?
「じゃあ、だいたいの方針が決まったところで、アレンは栗谷さんに炎系統について教える、栗谷さんはアレンに風系統を教えてください。佐藤は俺と模擬戦、佐々木はアリスと特殊能力禁止で模擬戦をするように!」
「「「了解です」」」
「じゃあ、質問あるかな?」
「夜白隊長!私たちは自由に撮ってもいいんでしょうか!?」
シャルルが質問する。
「あ、訓練場にはドローンだけにして、君たちは入らないようにしてくれ、接触すると危ないからね。ここからドローンを動かしたりかな、一応、さっきの映像みたいに確認ようの固定カメラもあるけどね」
「分かりました!ちょっと準備するので訓練開始は10分後からでもよろしいですか?」
「おけー、じゃあ、他になければ、各自準備して10分後に始めよう!!」
……佐藤さんと隊長が模擬戦か
どうしよう、別に変な事じゃないのに、意識してしまう。隊長だって、いつも私との模擬戦やってるし、そんな変なことは起きないのに。
「アリスぅー、顔に出てるぞー」
リリさんがコソコソ喋ってくる。
「な!?だ、大丈夫です!」
「ふふふふ、可愛いねぇー」
く、くそぉー
「リリさんは誰かいないんですか?」
「えー、内緒だよぉ〜」
「リリさんだけずるいですよ」
「アリスが分かりやすかっただけだもーん」
「なになに、楽しそうな話してない?」
佐藤さんが興味津々で入ってくる。
「いや、そんなことは…」
「佐藤さんはどんな人がタイプー?」
「えっと、そうですねー。私は素直な感じがいいですね、かっこいいよりは可愛い系がタイプですね」
隊長はかっこいいし、可愛い…当てはまる気がする。どう転ぶか分からないかも…
「アリースー、そんな難しい顔しなくても大丈夫だから!」
「え?そんな顔してました?」
「やっぱりアリスちゃんは……〇〇〇〇のことが?」
佐藤さんは口パクだったが、絶対に夜白隊長と言っていた。
「な、な、な、なぜ!?そ、それが!?」
「なるほど…アリスちゃんは可愛いねぇ〜」
「そうなんだよぉ〜」
……解せない
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