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27.今度こそ

「隊長、そろそろ行けます」

「了解、ハッチ解放」

「はい!ハッチ解放!」


私達はサンダブリッツ後方のハッチから飛び降りる。

スカイダイビングの要領だが、パラシュートはない。

もう何度もやって慣れたから、怖くなくなったけど、最初は凄く怖かった。

アレンだって泣きべそかいてたくらいだ。

気持ちは分かる。

これに関しては隊長がおかしいだけだ。


隊長が指を指す。

先を見ると遠目だが目標を発見する。

私は能力を発動して減速しながら、調整する。地表が近付いてくるとバグズと交戦中の状況が上からだとよく分かる。

今回は私がタイプ:δ担当、アレンは残りのバグズ、隊長が全体の援助だ。


私はδへ向けて調整する。

栗谷さんが、δを引き付けているため、少し離れている。以前に比べBSF全体の力は上がっているが、流石にレベル7でなければ、一溜りもない。

流石、栗谷さんだ。判断が的確だ。


_____________

side:栗谷


「隊長!増援です!」

長瀬オペレーターから待望の報告がはいる。

「ッ!助かるッ!」


風を乱発して更に距離をとる。実際にやり合って分かった。こいつに勝てる気がしない。

増援有りきで防御固めて、どこまでも遅延戦闘に務めたのに、やつは無傷でこっちはボロボロだ。

致命傷だけは避けているが傷がない部分を探す方が難しい。

死ぬかと思った時も、あった。

息も絶え絶えに距離をあける。


直後に衝撃音が響き渡り、すぐ目の前に銀髪の少女が立っている。


自分よりもかなり年下なんだが、増援がこんなにも嬉しいとは。

「栗谷さん!大丈夫ですか!?」

「はぁはぁ、もうボロボロだが、

なんとか致命傷は避けてる」

「良かったです。後は私が引き継ぎます!」

「すまん!」


δがアリスを観察しているようだ。


δとアリスが向かい合って対峙する。

それを夜白隊長が少し離れて見ていた。


え?タイプ:δだぞ?

もしかして、アリス1人にやらせる気なのか?いくらなんでも、無理だろう。

「夜白た…」

言うが早いかもうδはアリスに襲いかかった。


6本腕を躱し、弾き捌いていく。右上の腕を弾き、右中の腕は受け流し、右下の腕は躱す。左の腕が伸びてきて、1度弾く。流れで左上を切り落とし、左中は受け流ず。左下は氷柱を生成して関節を止めた上で、切り落とす。

段々と捌きながら確実に腕を切り落として、あとは、もうδの腕が2本だけになった。

強い…

若い世代は能力に頼りきりになりがちになる。しかし、アリスの戦闘は動きながら能力を最適に行使している。

「ギシギシギシギシ!」

凄い殺気が放たれている。こんなのベテラン兵士でも足を竦んでしまうだろう。

急にδが動き出す。

δがアリスの右に回ろうとした時、素早く氷の壁が生成される。

「生成はっや!?」


「対δの訓練は数え切れないほどやってるんだ。お前達は絶対逃がさない」

怯んだδに素早く近付いて、刀を振り下ろす。δは逃げきれず若干お腹をきられた。

再度アリスが近付こうとした時、δの口から何か液体のようなものが放たれる。

アリスはスピード重視の生成で、薄めの壁を生成し、その液体を防ぐ。

「それは知っている!」

アリスは素早く回り込んで、δの首をはねた。

強い……


「ふぅ〜ッ」

アリスが大きく息を吐く。

夜白隊長に向かって、微笑みながら拳を突き出した。目が少し潤んでいるように見える。

俺も話は知っている、4年前のヨーロッパ大規模進行。δがその猛威を奮ったあの進行でアリスは母であるレミーさんを亡くしている。

かなりの死傷者を出したあの大侵攻を経験してるんだ、俺の想像よりもよっぽど思い入れがあるのだろう。

夜白隊長も笑いながら拳を突き出す。


やれると信じて、任せたのか。色んな思いが詰まってそうだ。



「すげ〜な、氷姫(こおりひめ)、あのタイプ:δを一方的に倒しちまった」

「い、いえ、私も余裕なんてありませんよ。ほら、ここが切られてます」

そう言って、右胸辺りを指さす。

確かに隊服が少し切れて、白い地肌が少し見えた。

「確かにそうだけど、そのくらいだろ?俺を見てみろよ…」

俺は自分を見下ろす。致命傷はないが、全身傷だらけで、隊服もボロボロだ。

「あ、すぐに医療班を!」

「まぁ、大丈夫だ、今すぐやばい傷はないから…

あー、あと、言い難いんだがな……

俺が言っとくべきか…、その胸のとこ、俺みたいな妻子持ちならいいが、隠した方がいいと思うぞ…」


_____________


「え?」

慌てて下を見る。

右胸の辺り、服が切られ、ブラもなんなら地肌さえちょっと見えている。


慌てて手で覆う。

………恥ずかしい。

切られてたの気付いてたのに…

さ、幸い右胸元が大きく開いてるだけなので、大事な部分までは見えていない。

リリさんに比べればそんなに大きくはないが、私だってそれなりにあるんだ…

「だ、大丈夫だ、俺はどちらかと言えばお父さんだ…、同年代彼らに見られるの方が嫌だろう…」

「た、確かに…

ありがとうございます」

うん、隊長達にはもっと恥ずかしい…

い、いや…私を意識させるには、隊長には見せた方がいい!うん、そうしよう。

アレンには絶対嫌だが、隊長にはむしろ見せるべきだ。

ちょっと、整えて…、よし、手を離せば見えるな。

「ありがとうございます!これでいきます!」

「ん!?い、いや、まぁ、気をつけて」

栗谷さんはよく分からない顔をしているが、まぁ、いいのだ。


「おっし!最後か!?」

「うん、もう衛生には反応ないよ」

「討伐完了ー!」

「うーん、またホールは数百mくらいで閉ざされてるなぁ…」

隊長がホールから出てきた。

「いつの間にホールに?」

「えっと、、アリスがδを倒したときからかな!?」

「あ、一応、見てくれました?」

チラッと押さえてた手を離す。


「ま、まあ、ミスったら命に関わるからな、心配もするさ」

「あ、ありがとうございます…」

いやぁ、心配されるとこっちご照れちゃうな…

あ、いや、今は私が照れさす番だ!もうちょっとはだけるか!?

「そ、それにしても、隊長の特訓のお陰で、私一人でδを倒すことが出来ました!」

「う、うん!よくやった!これで1人前だな!」

やった、隊長に認められた。これは嬉しい。

「ホントですか!?やった!」

思わずガッツポーズがでる。

「え!?隊長!?δのソロ討伐が1人前の条件なんですか!?」

げ、アレンめ、結構早く戻って来やがったな。はだけている部分を手で押える。

「そうだな、零番隊はそこが1人前の基準にしよう!」

「マジすか!?もっと訓練しねぇと!」

「そうだぞー、アレンは細かい操作が雑だからな」

「そうだぞー雑だぞー」

1人前になった私は便乗する。

「今度はその辺もできるようにしないとな」

「くぅー、1人前にはそれしかないっすかー、苦手だけど頑張ります!」

「じゃ、後始末だ!」

ご覧いただきありがとうございます。

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