23..【初の大規模進行】
私も16歳になった。
私も実践任務につくようになった。
私が配属されたのは第24特殊戦闘部隊。
隊長はレミー・マイルズ
…そうママだ!
私はついにレベル6となった。レベル6は部隊の隊長も務める場合がある。もちろん、私みたいな新兵ではなく熟練の兵がだ。
レベル7は全体で30人しかいないのだから、それだけの難易度なのだろう。
私は天才と呼ばれているが、私の場合は環境に恵まれていたからだ。同じ氷系統のメイさんを師匠にオヤジとママに基本的なことを叩き込まれている。
となれば新兵でレベルだけ高いものなど、配属先は限られるだろう。
「マッ、隊長、本日の訓練終了しました」
「ふふっ、まだ慣れないようね。でも、仕事は仕事。普通に隊員として扱うからね!」
「はい!」
「隊長ー、俺もママと呼んでも良いでありますか!?」
「ぶち殺すわよ?」
「すみませんでした!」
冗談を言っている短髪の先輩はラーズ先輩、後ろでニヤニヤしてる長い黒髪を後ろで結んでいるのがミラー先輩だ。
どちらもレベル6で、ママと合わせて平均レベルがかなり高い隊だ。
オヤジの隊と共にヨーロッパ支部の双璧と呼ばれている。
私はその名に恥じないように精一杯頑張らなければ。
「まだまだ訓練が足りないようね」
「え!?い、いやだなぁ隊長、もう限界ですよ」
「いやー、ラーズはまだいけそうじゃないですかね」
「な!?お前!」
「ラーズいまだに落ち着きがないようですね。先輩になったのだから少しは落ち着きなさい」
「わっかりました!」
「はぁ」
「ラーズはアリスより怒られてるね」
「そうね、アリスは怒るようなこと全然しないから」
「えらいえらい」
ミラー先輩に頭をわしゃわしゃ撫でられる。
「そ、そんなに子供じゃないですよ」
「ふふっ、つまりラーズは子供ってことね」
「なにー!?アリスぅー?」
「あ!?いや!?そんなつもりは!?」
「アッハッハ、焦んなくて大丈夫、わかってるって!」
雰囲気は、まぁ、いいところだ…
___________
着任して1年、ここ数回短い間隔で出動が続いている。バグズが2・3体の進行だ。
初出動は緊張したが、問題なく倒すことができた。それからは自信もついて、動きも良くなってきたと思う。
「ビービービービー!」
警報音が鳴り響いた。
またバグズが出たようだ。今日の当直である私達の部隊がすぐさま出動する。
「最近多いっすね」
「なにか怪しいわね」
私もママと同じことを思った。何か起きているのだろうか?こん頻度ででるものじゃない。学校やママからも聞いてた話と違いすぎる。
「数10!まだ増えてます!」
「今回はちょっと違うようね…」
10体のバグズが出てきている?対バグズ衛生の捕捉がそんなズレるわけない。本当にそんなにたくさんのバグズが出てきているのだろう。
「急ぐわよ。サーシャ、援軍要請もしておいて!嫌な予感がするわ」
「分かりました!全員叩き起します!」
「ふふっ、頼むわね!」
時刻は深夜1時、外は真っ暗だ。
奴らの動きが見えにくいが、幸い今日は天気が良く月明かりにその甲殻がよく照らされている。まだ密集して、動きだしていない。
「目標目視で発見、ホールが空いてます」
「そうね、サーシャ、増援はいつ頃なりそう?」
「」ラーズは右、ミラーは左、私が真ん中へ能力を使用して先制攻撃を仕掛ける。範囲優先、アリスはホールに氷を張って敵増援の遅延を」
「「「了解」」」
ラーズ先輩の不可視のカマイタチが、
ミラー先輩の鋭利な石礫が、
ママの高圧水のレーザーが同時にバグズを襲う。
一気にたくさんのバグズを巻き込んで炸裂する。
タイプ:αやβは既に無傷の個体はない。足がちぎれた個体、複数穴が空いた個体、既に絶命した個体もいるほどの一斉攻撃となった。
しかし、タイプ:γだけは上に逃げているようだ。2体もいる。
私も遅れまいとホールに氷を生成する。なるべく厚く、強固になるように。
「各自、殲滅戦闘!私がγを引き付ける」
「「「了解!」」」
先輩達がブレードや能力を使って負傷させたバグズを確実に仕留めていく。
ママは高速で2体のγと空中戦闘中だ。
早くて私では援護出来ない。
私も素早く残りを倒す。ママの援護に行くべく、目の前のαに高周波ブレードを振るう。私の高周波ブレードはオヤジやママと同じ日本刀タイプだ。節を狙って腕を切り落として近ずき、頭と胴の節で完全に殺す。
私はまだ戦闘中確実に甲殻の上から切断する力量はない。ママにちゃんと節を狙うように言われている。
節さえ狙えば抵抗なく切り落とせるけど、気は遣う。
一体一体しっかり切り倒す。
「最後ォ!」
ラーズ先輩が最後のタイプ:αを倒す。
「ママっ!?」
急いで振り向くとママはもうタイプ:γを2体倒していた。
凄い…
タイプ:γと空中で、しかも2体も同時にやり合えるなんて、そんな機動力はランキング上位でなければ対応すら許されずやられるだろう。
ママの凄さを身に染みて感じた。
??
ママの視線はもう別の所へ向いていた。
目線を追ってみると、私が氷を張ったホールの方をみている。
ザッ
「ッ!?」
え?オヤジ!?
「メイさん!」
「お疲れ!増援にきたよ!」
オヤジの部隊が増援に来てくれたようだ。よく見ると1部隊じゃない。ヨーロッパ支部の結構な部隊が増援で駆け付けたようだ。
ピシッ!!
「え?」
私の張った氷にヒビが入った。
「全員、戦闘準備!!」
オヤジの激がとび、私も咄嗟に刀を握る。
ドッ!ガラガラガラッ!!
完全に氷が崩れ落ちる。
黒い影が飛び出してきた。
人型、2mくらいの体高、赤黒い甲殻で顔に大きな顎と8つの赤い目、そして何よりも、分かりやすい、腕が6本・脚2本。
間違いない。
30年前南アメリカで初確認され、当時のレベル7、10人がかりで半数が死傷しながら討伐したバグズクラフト。
タイプ:δだ。
奴はゆっくりと首だけ動かして、こちらを確認している。ただそれだけなのに、感じる殺気は普段から戦っているはずの特殊戦闘部隊が気圧されていた。
「全員、傾聴!!」
オヤジの大声が響いて、体のこわばりが解ける。
「レベル7、6のみδと戦闘、他は包囲網を作れ!!」
「「「「了解!」」」」
声と共にオヤジの全身に水が纏う。纏った水は高速で動く水流となっており、体を守り、敵は削る。
防御にも攻撃にもなるオヤジがランキング2位たる由縁の能力だ。
水鎧を纏ったオヤジは強い。その点だけは疑いようがなく、水系統最強の男なのだ。
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