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20.【ランキング】

適合手術を終えて、4年の月日が流れ、14歳になった。

来年には実践配置となる。

特殊訓練学校も卒業に向けたカリキュラムが組まれ始めていた。

私も順調に強くなってきた、先生にはもうすぐレベル6になるのでは?と言われている。ヨーロッパ支部の天才と呼ばれているらしい。

ちなみにレベル6はバグズの甲殻を能力で貫通又は破壊できることが基準だ。要するに、特殊能力のみでバグズを倒せるかどうかということである。

前回のテストではヒビを付けることは出来たが貫通は出来なかった。


「メイさん、今日もよろしくお願いします!」

毎週木曜の放課後はメイさんに修行を付けて貰っており、今日がその日だ。

「はい、今日も頑張ってこー!」

早速、今週の成果を見てもらう。

「はぁぁぁぁあ」

私は両手を前にかざし、2m程度先に氷の槍を出撃させる。色々試した結果、私は氷系統が得意らしい。オヤジにもその系統を伸ばすのがいいと言われている。オヤジの部隊の同じく氷系統が得意なメイさんが師匠となってくれるようにお願いしたので、そこはオヤジに感謝だ。

「ほうほう、生成まで早くなったね!

強度の方はどうかなー?」

メイさんが温度計をかざす。メイさん曰く、氷は温度が低いほど強度は上がると言われている。とりあえず手っ取り早い目安で測定できる温度で確認なのだそうだ。

「ふむふむマイナス12℃、先週より1℃下がったね。こりゃどんどん成長しとるねー」

「まだまだ甲殻を貫けなくて」

「焦るな焦るな、在学中にレベル6なんて、有り得ないレベルなんだよ?」

「そうですが、皆さんを見てると私なんかまだまだで…」

「ハッハッハー、そうだろう!なんてったって、私達2番隊はかなり強いからね」

「ハッキリ聞いてないんですが、どのくらい強いんですか?」

「そっかー、アリスちゃんはランキングの話って知ってる?」

「システムは聞きました」

レベル7からの向上心継続のために設けられた制度。ランキングは個人の戦闘能力を基準とし、殲滅力や単体戦力、功績などを評価して算出されている。また、本人同士の許諾がなされた場合に、ランキング順位1つ上の者と直接模擬戦を行うことが出来る。もし下位の者が挑み負けた場合、最低でも1年は模擬戦申請まで期間を開けなければならない。


「そのランキングでね、レイモンド隊長は2位なのよ。あの隊長の事だから自慢してると思ったのに。」

「2位だから言わなかったんですかね」

私には見栄っ張りだからなー

「そうかも!1位だったら絶対言ってたね!」

「特殊戦闘部隊ってかなり人数いますよね、それで2位って十分強いと思いますが…」

「そうなのよ、でもねー、娘には1位って言いたいんだじゃない?」

「バカオヤジですね」

「ふふふっ、そうだね」

「メイさんは?」

「私はまだレベル6なのよねー、だから、アリスちゃんに追いつかれそうで割とビクビクしてる」

「そんな!?メイさん凄いのにレベル7じゃないんですか!?」

メイさんに修行付けて貰っているからわかる。メイさんは強い。能力の幅も威力も私より数段は上だ。甲殻を壊せるようになったらレベル6だが、だからといって、メイさんと同じ強さだなんて思えない。

「まぁね、次の査定でレベル7判定になるだろうって隊長も言ってたから、ほぼレベル7かな?」

「凄いですね!メイさんならランキング上位いけますよ!」

「そうかなー?頑張るけどね。頑張んないとアリスちゃんに追い付かれちゃう」

「私も早く一緒に戦いたいです!あ、ママはどうなんです?」

「あぁ、レミーさんはランキング12位だね。レミーさんも強いんだから!そういえばレミーさんのランキング戦そろそろあるんじゃなかったかな?」

え?ぜんぜん聞いてないんだが!?

「そうなんですか!?見たいです!」

「聞いてみたら行けるんじゃないかな?そろそろ卒業も近くなってきたし、強い人の戦闘を見るのもためになるよ」

「絶対ついて行きます!」


_____________



10日後、今日はママの12位防衛のランキング戦だ。

ママに言ったら恥ずかしいっては言われたが、反対はされなかった。しかも今回はヨーロッパ支部で行うらしく、移動も必要ないことも大きかった。

オヤジとママについて、ヨーロッパ支部へ入る。

訓練学校でも見学があるが、ちょっとドキドキする。

ヨーロッパ支部は城のような見た目をしている本館と別館の構成になっているが、別館にある演習場で行われるらしい。

ママのランキング戦までまだまだ時間はあるが、オヤジが一旦用事があるようで本館に寄ったところ、私と同じくらいの黒髪の子供が奥から歩いてきた。

「もしやお主が?」

「おや、あなたがレイモンド・マイルズさんですね。本日はよろしくお願いしますね」

「…あの話は本当だったようじゃな。有り得ぬと思っとったがなぁ、

なるほどのぉ…こちらこそよろしくお願いするわい」

オヤジと握手している。

こんな私くらいの子供にあのオヤジが礼儀正しい?何者だこの子は?

「そちらはレミー・マイルズさんですね、ランキング戦頑張ってください」

「あら、ありがとうね」

「えっと、娘さんですか?」

「はい、娘の…」「アリスです」

「やはり、ヨーロッパ支部の天才ですね。夜白龍鳴です。同年代ですので、よろしくお願いします」

「あ、はい、よろしくお願いします」

1つ上なのだろうか?もう隊服を着ている。階級章が見た事ないものだ。新人のものとは違う。勉強したはずなんだが。


「では、また後ほど」



「あの人は?」

「むぅ、まだ機密じゃからあんまり言えぬが、本部の隠し玉って所かの」

なんなんだろう?

いや、まずはママの試合だ!!

ママの戦闘は初めて見るからちょっとワクワクしている。



_______________


「では、始め!!」


審判のアナウンスが流れる。

「はッ!」

ママの対戦相手は13位のウィルソンという人だ。土が成形されママの足を掴もうとしてくる。

「ふっ!」

ママはオヤジと同じ水系統が得意らしい。ママの膝から下に水が噴出し空中に飛んでいる。更に手には篭手のような水の鎧を纏っているようだ。

ウィルソンさんは自分の周囲に石の礫を作って打ち出した。

模擬戦の武器は木刀だが、あんなのくらえばタダじゃ済まないだろう。

「危ないッ!」

私は焦ってしまう。

しかし、ママは篭手や足から水を噴出させ、空中で軌道を変えながらウィルソンさんとの距離を迫っていく。

急に2人の間に壁が作られた。凄い生成速度だ。

でも、ママの機動力はそれを上回った。壁にぶつかる寸前で水の噴出により軌道を急激に変化させて壁を躱し、真上からウィルソンさんの肩に木刀が入る。


「ぐっ!」

「そこまで!!」


審判が終了を宣言した。

ママの勝利だ。

「ママ、こんなに強かったんだ…」

凄い、水にあんな使い方があるなんて。ママがピンボールのように空中で軌道を変えていた。

「そうだじゃぞー、ママはすごいんじゃぞー」


え、このダメオヤジがもっと強いの??

普段の行動もちゃんとして欲しいな…

ご覧いただきありがとうございます。

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