炎の大魔導師と酒場 -2-
"'あなたの夢を乗せて、あの馬が走ります。キャリーオーバー発生中!"
二枚目の張り紙は、競馬のお知らせです。どうやらウィンズ7がキャリーオーバーを発生させているようです。次の週には、いよいよ一億円突破です。
こちらの張り紙には、住民みなさんの関心が高いようで、手あかがたくさん残っています。
リンリンシチーには娯楽よろしく、無論競馬場も整備されており、毎週末に開かれるレースには住民がこぞって出かけ、馬券を握り締めスタンドに立ち上がると、あなたの夢を乗せた馬が走るのを大声で応援します。そのエネルギーはまさに殺気立っていますが、レースが終わったとたん、多くの住民は大きなため息を吐き、ハズレ馬券はまるで紙ふぶきのように宙を舞います。
このようなキャリーオーバーを知らせた張り紙は、平凡な日常のど真ん中をさしています。
では、三枚目の張り紙はどうでしょうか。
“お尋ね者あらわる。この顔にビビッときたらご連絡を!!”
これでもかというほどの、悪役感満載の顔写真が張り出されています。
その顔は、あごひげを蓄えて、目の下にはクマがあり、虚ろな目をしています。
が、実年齢はわたしとそう離れていないにもかかわらず、わたしのことをおばさんと呼ぶ、失礼にもほどがあるあいつと、その面影はとてもよく似ています。
「……」
これは調べてみる価値がありそうです。




