表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
83/110

炎の大魔導師、風邪をひく -10-

 ラーメンは食べられませんでしたが、結局よく寝ることで体調は回復しました。


 単に、炎の大魔導師なのにヒョウザリン山に長く滞在したり、ブラックペギーと魔法対戦したことが、それなりにこたえたのかもしれません。


「レモン、すっぱ! すっぱペン! ほんとにこれだけ? って、すっぱペーン!」


 にしてもどうしてこう、嘴持ちのモンスターというだけで被っているのに、名前まで似通っていて、他にやり様があったのではと思わなくもないですが、それはそれ。とある世界線について、どうこういうつもりはありません。


「おばはん、おばはん、レモンの酸味味わってたら、塩味も欲しくなるペン。もみじとまぜそば、残ってるなら分けて欲しいなペン」


 トビーは嘴をパカッと開けて、あーんとしています。


 中身はラーメンスープ。見た目は、みんな大好きほぼイワトビペンギン。


 わたしとて、ペンギンの愛らしさは理解しています。


 覗き見ると、開いた嘴の中は、まるで最果てのように底が知れず、どこまでも空洞で、欲望のままに食物を食い漁る、無限の闇のようです。


「ミリアお姉さん、お恵みください、お願いします、といえば分けてあげてもいいですよ」


「は?」


「かんたんなことです。ミリアお姉さん、お願いします、はい、復唱してください」


「くっ、それだけは口が裂けてもいえないペン」


 なにゆえに?


「そうですか。では、もみじとまぜそばのことはあきらめて――」


「そんなこと言って、後悔するのはおばはんペンよ」


 トビーの目がにわかにきらりと光りました。


「最近、フレデリックが姿を見せない理由を知ってるペンか? さっきレモンを買いにリンリンシチーに行ったとき、フレデリックがお尋ね者として、町内会の掲示板に張り出されていたペンよ。もっと詳しい情報が知りたかったら、もみじとまぜそばを食わせろペン!」


「問題ありません。フレデリック君がどうなろうと、わたしの人生にはいっさい関係ありません」


「ほんとうにそうペンか? おばはんはまだ、フレデリックとウォークのレアモンスター交換をしてないんじゃないかペン? ヒョウザリン山に登ったとき、おばはんはウォークの入った端末を持っていき忘れたペンよね? フレデリックはそこで、レアモンスターをゲットしてるペンよ。フレデリックに会えなかったら、おばはんは二度とそのレアモンスターをゲットするチャンスを逃してしまうペンよ! それでも問題ないってすました顔できるペンか!?」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ