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【7月24日第一巻発売!】毒父に物資扱いで戦地に送られた転生治癒師、無自覚チートでなんでも癒しちゃいます  作者: 藤なごみ


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第三百二十七話 いよいよ仕事復帰

 いよいよ、今日から仕事復帰だ。

 とはいえ、僕には朝イチでやる事がある。


 シュイン、ぴかー!


「これでよしっと。クリス、体調は大丈夫?」

「ケン、ありがとう。体調はだいぶ良いよ」


 昨日からクリスに朝の治療をしており、クリスもだいぶ体調は良さそうだ。

 なお、クリスの治療は僕がやるとスラちゃん達にも譲らなかった。

 これは、僕の夫としての義務だと思った。


「クリスお姉ちゃん、大丈夫?」

「ええ、大丈夫よ。心配かけたわね」


 最年少のリュウちゃんは、クリスが心配なのかベッタリとくっついていた。

 アイちゃんとケイトちゃんも、クリスがかなり心配みたいだ。

 そんな小さい子達に、クリスは努めて明るく振る舞った。

 さて、みんなでそろそろ朝食に行きましょう。


「おはようございます」

「「「「「おはようございます」」」」」


 久しぶりに王城のアーサー様の執務室に行くと、職員に笑顔で迎えられた。

 アーサー様も、ニコリとしながら僕を迎えてくれた。

 何だか、気持ちがホッとした。

 なお、僕にはギンちゃんがついており、スラちゃんはピーちゃんと共に軍の施設へ、シロちゃんはアルファちゃんと共に学園へと行った。

 残った面々が屋敷に残っており、クリスの側にはレモンちゃんがついていた。


「アーサー様、暫く不在ですみませんでした。あと、クリスの事でもご心配をおかけしました」

「ケン君は律儀だね。このくらいはなんともないよ。それに私も父親だから分かるが、先ずはクリスちゃんの体調を優先することだ」


 アーサー様からも、とてもありがたい言葉を頂いた。

 予定だとクリスは夏の終わり頃に出産予定なので、それまでは仕事も調整してくれるそうだ。

 さて、さっそく席について仕事を始めよう。


「えーっと、これがあれでこれはこっちで……」


 カリカリ、ペラペラ。

 カリカリ、ペラペラ。


「アーサー様、確認をお願いします」

「ケン君は、相変わらず仕事が早いね。復帰初日だから、もっとゆっくりでもいいよ」


 僕としてはいつも通りに仕事をしているのだが、何故かアーサー様から苦笑されてしまった。

 やる事はまだまだ沢山あるので、僕は久々の仕事に集中していたのだった。


「そうか、クリスの体調が改善したのなら上々だ。馬鹿が何かを言っても説明がつく。ケンは何も心配する事はない」


 昼食時に王家の食堂に招待され、陛下からもクリスの件で声をかけられた。

 明日の謁見時に何か文句を言ってくる貴族がいると確信しているみたいだが、僕からすると静かにして欲しいと願うばかりだ。


「みんな、それだけケン君とクリスちゃんの間に出来た赤ちゃんが無事に生まれる事を願っているのよ」

「そうですわ。あの小さかったケン君が父親になるだなんて、小さい頃を知っている人達にとっては奇跡みたいだと思うのですよ」


 王妃様とメアリーさんも、クリスの妊娠をとても喜んでいた。

 特に、王太后様はとても感慨深そうにしていた。


「みんなも、赤ちゃんが生まれるのが楽しみよね」

「「「「たのしみー」」」」


 王妃様の声掛けに、アリアちゃん達も元気よく返事をした。

 これだけ出産を楽しみにしてくれる人がいるのは、僕にとってもとてもありがたかった。

 こうして昼食は和やかに進んで行ったのだが、昼食の終わりに王妃様が僕にこんなことをいった。


「そうそう、ケン君は三時の休憩が終わったら軍の施設に向かってくれるかしら。クリスちゃんがやろうとしていたイベントの手伝いをして欲しいのよ」

「あっ、はい。分かりました。何か服装とか指定はありますか?」

「うーん、そうね。今着ている服で問題ないわ。アーサーには事前に言ってあるから大丈夫よ」


 僕がアーサー様に向き直ると、アーサー様もコクリと頷いてくれた。

 クリスの分まで頑張ろうと、僕もふんすと気合を入れたのだった。

 そして、午後はいきなり会議に参加した。


「ケン君、クリスちゃんの懐妊おめでとう。流石に連絡を貰った時は驚いたぞ」

「いよいよ、あのケン君も父親になるのか。初めて会った時は、小さな痩せこけた男の子だったのにね」


 ヘルナンデス様とルーカス様が、ニコリとしながら僕の肩を軽く叩いてくれた。

 先日まで僕とクリスと一緒に帝国に行っていたので、驚きも人一倍だ。

 他の閣僚や官僚なども、クリスの妊娠を祝ってくれた。

 本当にありがたい事だ。


「さて、先日報告を受けた帝国訪問結果を受けて、色々と情報を精査した。帝国内はまだ不安定なところがあるが、徐々に両国間の交流を進めていく必要がある。勿論、王国内にもまだ帝国を討伐せよという開戦派がいる事を忘れてはならない」


 会議の冒頭、陛下が帝国との関係について言及した。

 確かに帝国内の過激派になった面々はまだいるし、実際に僕達が帝国滞在中に色々な事をしてきた。

 これから帝国に行く人達も、十分に気をつけないとならない。


「本年については、今のところ帝国に使節団を派遣する予定はない。ただ、帝国側からの使節団を受け入れる可能性がある。様々な事を色々と想定する事だ」

「「「「「はっ」」」」」


 王国が帝国に行ったのだから、今度は帝国が王国に来るのが話の筋だという。

 そう考えると、ビクトリア様が王国にやってくる可能性もありそうだ。

 その後も、王国と帝国の関係や王国の事業などについて議論された。

 まだまだ年始めだし、今年やらないといけないことは沢山ある。

 仕事復帰初日から、中々忙しかった。

読んでいただき、誠にありがとうございます

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