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【7月24日第一巻発売!】毒父に物資扱いで戦地に送られた転生治癒師、無自覚チートでなんでも癒しちゃいます  作者: 藤なごみ


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第三百十九話 王都に到着です

 翌朝、僕達はガルフォース辺境伯領から王都に向かうために朝早く起きた。

 僕はいつも早起きだが、ここ暫くはいつもよりも早く起きていた。

 たまにはゆっくりと寝たいなあと思いながら、僕は隣で寝ているクリスやスラちゃん達を起こしたのだった。


「今度貴殿らが我が領に来る時は、帝国からの使節団を迎える時であるとよいな」

「全くですな。それも、遠い未来でないことを祈るばかりですな」


 朝食を食べたら、いよいよ出発だ。

 僕達は玄関ホールに移動し、ハーデス様とヘルナンデス様がガッチリと握手をかわした。


「また来るね」

「じゃーねー!」

「ねー!」


 僕は、朝から元気いっぱいなランディちゃんとマミちゃんの頭を撫でて上げた。

 きっと、次にマミちゃんと会った際にはもっと色々な言葉を話せる様になっているはずだ。

 元気な兄妹の声に見送られながら、僕達は馬車に乗り込んだ。

 そして、ゆっくりと僕達を乗せた場所はガルフォース辺境伯家の屋敷を出発した。


「えっと、おやつの時間には王都に到着しますね。何だか、長い様で短い数日でした」

「王国にいては体験できない、ある意味非日常的な体験だ。貴重な体験だったということだ」


 僕の話に、ルーカス様も感慨深そうに話した。

 今は両国間の交流が殆ど制限されているし、今回の様な使節団も限られている。

 民間交流が再開するまでもう少しかかるだろうけど、こうした地道な交流は必要だと感じた。

 では、軍の施設から魔導船に乗って王都へと向かいましょう。


「スラちゃん、ここはどう思う?」


 乗船した魔導船内でまた各自仕事をしているが、クリスはスラちゃんと通信用魔導具を使いながらあれこれ相談していた。

 クリスはある軍の行事を任されたらしく、準備に余念がない。

 因みに、僕はまだ枠組みしか教えてもらっていなかったが、どうも軍部内の婚活らしい。

 シーリアさんも絡んでいるので、多分うまくいくのではと思っていた。

 さてさて、僕はアーサー様とのやり取りと学園の準備をしないと。

 こうして、魔導船が王都に到着するまでの間、忙しく仕事をしていたのだった。


「あっ、王城が微かに見えたよ」

「何だか、ホッとするね」


 魔導船の窓から、米粒みたいに小さい王城が見えた。

 クリスとスラちゃんもホッとしており、僕もかなりホッとした。

 ヘルナンデス様とルーカス様も到着に向けて荷物の片付けを始め、僕達も通信用魔導具をしまうなどした。

 そして、僕達を乗せた魔導船は無事に王都郊外にある軍の施設に着陸した。


「この後は、王城の玉座の間で到着の謁見をする。応接室に移動して、今後の対応を指示されるだろう」


 出迎えの馬車内で、ヘルナンデス様がこの後の対応を指示した。

 常に通信用魔導具で報告を行っていたが、改めて報告書も出さないとならないだろう。

 場合によっては、帝国からの使節団をいつ受け入れるかという話にもなる。

 まだまだやる事はたくさんあるなとおもいながら、僕達を乗せた馬車は順調に王城へと向かったのだった。


「皆様、お待ちしておりました。玉座の間へとご案内いたします」

「うむ」


 王城の貴族専用の馬車乗り場に到着すると、近衛騎士が僕達を出迎えてくれた。

 ヘルナンデス様が対応し、そのまま玉座の間へと案内された。


 ギギギ。


 あれ?

 まだ僕達が玉座の間に入ったばかりなのに、陛下が玉座に座っているぞ。

 更に、王家の方々や主だった閣僚などもスタンバイ完了していた。

 ヘルナンデス様とルーカス様は気にせず歩いているので、僕とクリスもその後に続いた。

 そして、絨毯の切れ目で膝をついて頭を下げた。


「一同、面を上げよ」


 陛下の声で、僕達は顔を上げた。

 何だか、陛下も僕たちを見てホッとしているみたいだ。


「恐れながら、陛下に報告いたします。使節団の日程、全て完了いたしました」

「うむ、大義である。常に報告は受けていたが、こうして諸君らの無事な顔を見るとホッとするものがある」


 ヘルナンデス様の報告を聞き、陛下も満足そうに頷いていた。

 そして、陛下はこの後の予定を話した。


「一週間後に、謁見の間に貴族を集める。そこで、改めて到着の報告をする。余としてはこの報告で十分なのだが、それなりに対応しないとならない」


 僕達は国を代表して帝国へ行ったので、きちんとした到着報告が必要だ。

 報告書なども公開される予定で、それだけ今回の使節団の持つ意味は大きかった。

 謁見はこれで終わりとなり、僕達は応接室へと移動したのだった。

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