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【7月24日第一巻発売!】毒父に物資扱いで戦地に送られた転生治癒師、無自覚チートでなんでも癒しちゃいます  作者: 藤なごみ


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第三百十一話 教会からお城の披露宴会場へ

 すると、皇帝陛下が僕にこんな事を言ったのです。


「ケンよ、大教会の周囲の様子を確認するように」

「あっ、はい!」


 念のためにヘルナンデス様の方を向くとコクリと頷いたので、僕は早速大教会を含む周囲の状況を確認した。


 シュイン、もわーん。


「「「「「おおー!」」」」」


 僕を中心に複数の魔法陣が現れると、結婚式の来賓から感嘆の声が上がった。

 うーん、これは……


「皇帝陛下、ヘルナンデス様、大教会の周辺で何やら争っている反応があります。更に、控室でも何か反応があります。でも、スラちゃんやチビスライム達が押しているみたいです」

「ご苦労。それなら、もう間もなく動けるだろう」


 僕には、スラちゃんやチビスライム達の魔力は直ぐに分かる。

 スラちゃん達は圧倒的な力で相手を倒しているようで、動けない反応が増えていた。

 ホーミング魔力弾なら座った状態でも相手を攻撃できるが、流石に自重した。

 来賓も軍人が多い為か落ち着いており、逆に自分が戦うとまで言っていた。


 ぴょんぴょん。


 五分後、スラちゃん達が戻ってきた。

 どうやら、中々の成果を上げたという。


「皇帝陛下、ヘルナンデス様、大教会周辺にいたならず者は、全て倒れたそうです。念のために、シロちゃんはそのままビクトリア様の側にいるそうです」

「そうか、それはご苦労。では、移動するとするか」


 僕が通訳したスラちゃんの話を聞き、皇帝陛下はすくっと長椅子から立ち上がった。

 念のためにもう一回探索魔法をかけたが、周囲で争っている気配はない。

 ピエール様とビクトリア様は、既に王城へと向かったという。

 僕達も、席を立って馬車乗り場へと向かった。

 すると、帝国軍の幹部が僕達が乗る馬車の前で待っていた。


「陛下、報告いたします。反逆者を全て制圧いたしました。犯人は、新体制に反感を持つ軍人貴族です。【蒼の治癒師】様のスライムのバックアップを受けながら対応いたしました」

「ご苦労。引き続き対応するように」

「はっ」


 どうやら、スラちゃん達は自分達が前面に出ないであくまでも帝国軍が対応するようにしたんだ。

 皇帝陛下も、満足そうに頷いていた。

 そして、足早に馬車に乗り込んでお城へと出発した。


「あくまでも帝国軍に対応させるとは、中々賢いスライムだな」


 皇帝陛下は、馬車内でスラちゃん達を褒め称えた。

 スラちゃん達も、ふるふると皇帝陛下に礼をした。

 ここで王国から来た僕達が前面に出て対応したら、逆に皇帝陛下の面子を潰す事になる。

 スラちゃん達の対応は、ある意味ベストと言えた。

 そして、僕達の乗る馬車は厳重な警備の中で進んだ。

 あっという間にお城に到着し、僕達は足早に披露宴会場となる大部屋へと向かった。


 ふりふり。


「スラちゃん達が、念の為に会場内と使用人の確認をするそうです。マルちゃんにも、不審者の確認方法を教えるそうです」

「頼んだ。ここで息子のスライムのレベルが上がれば、我々にとっても有益だ」


 僕も探索魔法を使うが、ここはスラちゃん達に活躍してもらおう。


「マルちゃん、頑張ってね!」


 ライアンちゃんは、やる気満々のマルちゃんにふりふりと手を振った。

 マルちゃんも、触手をふりふりと振ってスラちゃんと共に会場内などを確認し始めた。

 僕達は、席について状況を見守ることにした。

 その間に、続々と帝国貴族や来賓客が大部屋に入ってきた。

 どの来賓も、特に戸惑った雰囲気はない。


 ぴょんぴょん。


 そんな中、リーフちゃんが僕達のところにやってきてとんでもないことを教えてくれた。


 ふりふり。


「皇帝陛下、どうも料理担当が毒を混ぜた料理を提供しようとしたそうです。毒料理を作った料理人は全員拘束し、現在アクアちゃんが他の料理人と共に大急ぎで料理を作っているそうです」

「はあ、馬鹿なことをした料理人もいるもんだ。そもそも、余などが食べる前に近衛騎士が鑑定などを行う。どっちにしてもバレる作戦だ。余の乾杯の挨拶までは、先に問題のない飲み物を出せば場が持つ」


 もの凄い大胆な作戦をしてきたが、スラちゃん達の力を借りなくても近衛騎士などで判明する事だ。 

 現に、近衛騎士がリーフちゃんと同じ報告をした。

 アクアちゃんの料理はとても美味しいし、素早く作ることも可能だ。

 

 ぴょんぴょん。


 今度は、スラちゃんが僕達のところにやってきてある報告をした。


「給仕担当にも、毒ナイフを仕込んでいたものがいたそうです。しかも、スラちゃんの指導を受けたマルちゃんが発見したそうです」

「おおー!」


 マルちゃんの大活躍に、ライアンちゃんも大喜びだ。

 やはり給仕担当も近衛騎士が確認することになっていて、スラちゃんと同じ報告をしていた。


「あの手この手を使って結婚式を潰そうとしたのだが、全て裏目に出たな。それに、息子のスライムが功績を挙げた事にもなる。【蒼の治癒師】様のスライムから教えを受け、無法者を捕まえたとな」


 マルちゃんが活躍した事は、帝国にとってもとても大きな事だ。

 皇帝陛下の言う通り、スラちゃん達の教えがいいのもある。

 でも、王国から来た僕のスライムが活躍したというよりも、帝国の皇太子様の友達のスライムが活躍したという方が帝国にとって遥かに意味を持つ。

 披露宴開始までもう少し時間があるし、それまでスラちゃん達と近衛騎士などは忙しく動いたのだった。

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― 新着の感想 ―
ケン君のスライムたちはただのスライムではないのだから 帝国ではスライムさまーとお呼びしないとあかんのではw ケン君とスライムさんたちみんながいなかったら 今回の事件を完全に阻止するのは出来なかった …
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