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【7月24日第一巻発売!】毒父に物資扱いで戦地に送られた転生治癒師、無自覚チートでなんでも癒しちゃいます  作者: 藤なごみ


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第三百九話 結婚式を台無しにしようとしたもの

 皇帝陛下がズンズンと先頭を切って歩いて行くので、僕達は皇帝陛下の後をつく形となった。

 僕達が向かった先は結婚式が行われる大教会内で、ちらほらと結婚式に参加する人達が集まっていた。

 突然現れた皇帝陛下に急いで臣下の礼をする中、当の皇帝陛下は近衛騎士に捕らえられている一人の聖職者のところへと一直線に歩いていった。


「やはり貴様だったか」

「ぐっ……」


 皇帝陛下の冷たい声に、捕らえられている聖職者は悔しそうに見上げていた。

 この聖職者は貴族で、頭頂部がはげているがかなり豪華な聖職者の服を着ていた。

 更に、宝石をあしらった豪華なネックレスや指輪までしていた。

 ここまで派手な聖職者は、僕も見たことがなかった。


 シュイン、バシッ、バシッ!


「「「なっ!?」」」


 更に、スラちゃんの拘束魔法によって、逃げようとした三人の聖職者が捕らえられた。

 直ぐに、鑑定魔法が使える近衛騎士が捕らえられた聖職者を確認していた。

 すると、複数の軍人が陛下の前にやってきた。


「恐れながら、皇帝陛下に報告いたします。教会内にあるダーティ子爵の部屋より、犯罪組織とやり取りをする手紙を押収しました。ブーケの中に隠した盗聴魔導具で式の進行を確認し、教会の外に出た瞬間に襲う様です」


 おおう、なんという事を計画していたのでしょうか。

 しかも、犯罪組織と襲撃計画を実行する寸前だったなんて。


「直接手を汚さないダーティ子爵らしいやり方だな。まあダーティ子爵は前皇太后との繋がりが深いから、結婚式を台無しにして現皇族の影響力を下げようとする事くらい考えるか」


 当の皇帝陛下は、前々からこの聖職者貴族が何かを計画したのではと思っていたみたいだ。

 そして、ブーケの中に隠された盗聴魔導具を見つける事で、一気に事態が明るみに出たんだ。


「煩い! 貴様のせいで、我々の生活は貧しくなる! 再び王国と戦争をして、王国の利益を奪う……」

「黙れ!」

「うっ……」


 ダーティ子爵は物凄く自分勝手な理由を叫んでいたが、皇帝陛下の一喝で一瞬の内に黙り込んだ。

 というか、これだけの宝石を身に着けているのに貧しくなったなんて、いったいどういう生活を送っていたのだろうか。


「民から様々な理由をつけて金を奪い取り、私腹を肥やしていた貴様には分からない事だろうが。のらりくらりと逃げていたみたいだが、もう容赦はしない。厳罰を覚悟しろ!」

「うぅ……」


 ダーティ子爵は、激怒する皇帝陛下の迫力に飲まれて完全に黙り込んでしまった。

 普通に考えれば国家反逆罪だし、こんな大胆な計画なんて起こさないと思うけどなあ。


「こいつを、重犯罪者牢にぶち込んで厳しい取り調べをするように。教会周囲の警備を厳重にし、犯罪組織も壊滅させるのだ」

「「「「「はっ」」」」」


 近衛騎士と帝国軍は、皇帝陛下の命を受けて一斉に動き始めた。

 ダーティ子爵は猿ぐつわまでされながらの連行で、屋敷にも即座に軍が向かったという。


「ふう、何とも嘆かわしい事だ。私欲の為に、神聖な結婚式を台無しにしようとした。こんな馬鹿な事など、許されるはずもない。諸君らも、肝に銘じるように」

「「「「「はっ」」」」」


 皇帝陛下の言葉を聞き、集まった参加者は再び臣下の礼をした。

 ようやく落ち着きを取り戻し、皇帝陛下一家は新婦席に座った。

 僕達も、新婦席側に座った。


 ふりふり。


「皇帝陛下、スラちゃん達が念のために教会内を確認すると申しています」

「ありがたく受けるとする。この際だから、使えるものは何でも使おう」


 スラちゃん達は、皇帝陛下にビシッと敬礼して教会内を調べ始めた。

 勿論軍の警備も強化され、急遽手荷物検査なども行われる事となった。


「披露宴会場の警備強化と再度の捜索も命じた。ここまで厳戒態勢にするとは予想していなかったが、もはややむを得ない」


 ビクトリア皇女様がアットホームな結婚式を希望していたので、皇帝陛下も苦渋の決断だったみたいだ。

 ビクトリア皇女様も、ブーケから盗聴魔導具が発見された時点でこうなる事は覚悟するだろう。

 すると、帝国軍幹部が皇帝陛下のところにやってきた。


「報告いたします。大教会敷地内に潜んでいた不審者を拘束いたしました。また、大教会周辺に潜んでいた不審者を捕らえました」

「ご苦労だ。引き続き、対応するように」

「はっ」


 軍の警備を増強した結果、通常巡回では探しきれなかった不審者を見つけ出したという。

 それこそ、大教会内や周辺は山狩りレベルで細かいところまで捜索中らしい。


「はあ、何とも嘆かわしい事だ。神聖なる結婚式をぶち壊しにするなど、あってはならぬ」

「ふふ、そうですわね。ありえないですわ。神様への冒涜です」


 皇帝陛下以上に、皇妃様がブチギレしています。

 女性として、結婚式を台無しにする人を許せないのだろう。

 クリスもかなりプリプリしており、どうやら犯人のダーティ子爵は多くの女性を敵に回した様だ。


「あのね、いっぱいお花をまくんだよ!」


 そして、ライアンちゃんは両親の不機嫌を察知して僕のところへと逃げてきた。

 ライアンちゃん自身も結婚式を楽しみにしているし、このまま順調に結婚式が行われる事を祈るばかりだ。

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― 新着の感想 ―
ケン君たちがいなかったら結婚式が出来ないよねww その為にケン君たちを呼んだんだろうなー(*¯艸¯) そんな風に思われても仕方がない状況だよねー 帝国の警備のレベルが低すぎるというのに(꒪⌓꒪) 皇…
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