第二百十話 結婚式でパレードをする事に
いよいよ僕とクリスの結婚式も近くなったのだが、僕は相変わらず忙しく動いていた。
結婚式で着る服などは既に出来上がっており、試着も済ませていた。
クリスのウェディングドレスも完成していて、後は本番を待つばかりだ。
ふりふりふり。
「おー、そーなんだ!」
「がんばるよ!」
「がんばるー」
最近、毎朝の魔法訓練時にスラちゃん達がアイちゃん達に何かを教えていた。
僕は何となく分かってしまったが、ここは知らないフリをしておこう。
微笑ましい光景にほっこりしつつ、僕達は王城へと向かった。
すると、陛下からとんでもない事を聞かされたのだ。
「ケン、結婚式時にパレードを行う事になったぞ」
「へっ?」
陛下がさらりと言った話に、僕は最初何だか全く分からなかった。
段々と意味が分かっていき、アーサー様や職員を見るとニコリとしていた。
「へ、陛下、何で僕が結婚式でパレードを行うんですか?」
「と言うか、逆に閣僚から聞かれたぞ。ケンは、何でパレードをやらないのかってな。王族だけでなく、上位貴族や一定の功績を挙げた者は結婚式時にパレードが可能だ。ケンは伯爵になる事が確定しているし、何よりも比類なき功績を挙げている」
おお、まさかそんな規定があるなんて知らなかった。
しかも、既に大教会側もパレードがある前提で動いているという。
「あの、それだと軍も大変じゃないですか?」
「既に、ゴードンが指揮する部隊が結成された。どうせ、アーサーの結婚式並みに警備も厳重にしないとならない。ある意味、ブライトの結婚式の良い訓練だ」
陛下、ブライトちゃんが結婚式を挙げるのはかなり先ですよ。
僕は、思わずガックリとしてしまった。
今頃、クリスもこの話を聞かされてびっくりしているのではと思ったのだった。
そして、今度は昼食時に王家の食堂に誘われた時の事だった。
「あのね、けっこんしきのおてつだいするー!」
「「「するー!」」」
「ウォン!」
王家のちびっ子とジョセフちゃんが、ユキちゃんと共に僕に満面の笑みで僕に話しかけてきた。
どうやらチビスライム達が何か話したみたいで、みんなもの凄くやる気になっていた。
僕はというと、先にお弁当を食べ終えてイリスちゃんを抱っこしていた。
とはいえ、その件は僕に話しても良いのかな?
「ふふ、みんなその話はまだ内緒なのよ」
「「「「そーだった、ないしょー」」」」
「ウォン」
苦笑するメアリーさんに話しかけられ、ちびっ子達は急いで手で口を塞いだ。
ここはちびっ子達のためにも、スルーしてあげるのが良いだろう。
「あっ、そうだ。僕が、結婚式でパレードをしても良いのですか?」
「ええ、全く問題ないわ。寧ろ、知り合いから【蒼の治癒師】様はパレードしないのですかと聞かれたわ」
「私にも、是非【蒼の治癒師】様のパレードを見たいと問い合わせがあったのよ。勿論、私も見たいですわ」
「「「「見たーい!」」」」」
王妃様とメアリーさんは、パレードをやるのは当然という反応だ。
王太后様も、ニコニコしながらうんうんと頷いていた。
「アーサーの結婚式の時でも、ケン君が先導したらもの凄く盛り上がったわ。きっと、王国史に残るパレードになるでしょうね」
「「「「すごーい!」」」」
「ウォン、ウォン!」
王太后様、流石にアーサー様の結婚式のパレードを僕が超えるのはまずいかと。
でも、間違いなく町の人も盛り上がるだろうなと思ったのだった。
「ケン、聞いた? パレードだってよ……」
「「「わーい!」」」
今日の仕事を終えて屋敷に戻ると、どよーんとしているクリスの姿があった。
間違いなく、軍でパレードの件を聞いたんだ。
アイちゃん達は大盛り上がりしているが、結構大変なんですよ。
「パレードを外から見ている分には良いけど、パレードをする側になるのは大変だよね。僕も、パレードの先導をするだけで緊張したよ」
「私なんか、アーサー様の結婚式のパレードは沿道から見ていただけなのよ。その時は良いなって思ったけど、実際にやるとなると全然気持ちが違うわ」
僕もクリスも、今から緊張してしまった。
とはいえ、もう決定事項だし何よりもこの国で一番偉い人達が絡んでいるのだからパレードをやらないという選択肢はない。
でも、多くの人が楽しみにしているんだろうなと思うと、頑張らないといけないと思ったのだった。
読んでいただき、誠にありがとうございます
ぜひブックマーク、下の評価を5つ星よろしくお願いします!
作者のモチベーションも上がります!




