第二百八話 学園関連の打ち合わせ
今日は、午後から学園関連の打ち合わせ兼とある作業を行うことになった。
僕だけでなくアーサー様も一緒に参加する事になり、僕とスラちゃんは昼食のお弁当を食べ終えるとアーサー様と共に大会議室へと向かった。
ガチャ。
「あっ。ケンだ」
大会議室に行くと、クリスとシロちゃんの姿があった。
どうやら、クリスも学園関連の打ち合わせに呼ばれたようだ。
なお、他のチビスライム達は軍の巡回組とちびっ子達の先生役に分かれていた。
ヘルナンデス様、ルーカス様の姿もあったが、僕は学者みたいな宮廷魔導師とは違ったローブを羽織っている人達に注目していた。
間違いなく、学園の教師になる人たちだろう。
個人的には、仙人みたいに顎髭を長く伸ばしている人が気になった。
どうやらクリス達は挨拶を済ませている様なので、僕も挨拶をしよう。
「はじめまして、ケン・アスターです。これから、宜しくお願いします」
「ほほほ、元気の良い挨拶じゃのう。儂はイアンじゃ、【蒼の治癒師】よ、宜しく頼むぞ」
僕は、イアン様とガッチリと握手した。
その他の人とも握手をし、改めて僕達は席に着いた。
すると、イアン様はこんな事を言ってきた。
「ケンの提出した教える範囲の内容は、もう少し詰めれば問題ないじゃろう。これなら、六月の準備期間で十分良いものができるはずじゃ」
「あ、ありがとうございます……」
イアン様だけでなく、他の人達もニコリとしながらウンウンと頷いていた。
実は、簡単にどんな事を教えるかという事を纏めてアーサー様に提出していた。
上級官僚試験内容の解説に加えて、王城での生活の仕方などを記載していた。
結婚式を終えるまではあまり時間が取れないので、結婚式後にブラッシュアップしよう。
その後も簡単な談笑をして、早速打ち合わせを始める事にした。
「それでは、現在決まっている内容を説明する。今いる人員で準備を進めつつ、六月から順を追ってテストに参加する生徒への説明を行う。そして、七月から授業を開始するが、当面は週の半分を授業実施とする」
アーサー様が簡単にスケジュールを話してくれたが、そこまで内容が決まっているんだ。
今年は官僚試験が終わってから授業が始まるそうで、来年以降は官僚試験対策も入るだろう。
「学園長は、ここにいるイアンになる。事務方も配置し、昼食のために料理人や使用人も雇う」
やっぱりというか、イアン様が学園長になるんだ。
その他の人が授業を担当し、僕も一コマ担当することに……
「ケンには、二コマ担当してもらう。その結果を受け、来年授業をどうするか決める」
えー!
いきなり二コマ担当するの!
びっくりして周囲の人を見ても、ニコリとするだけだった。
因みに、クリスは一コマ担当でホッとしていた。
そして、ある事も発表された。
「来年からは、共通の制服と運動服を用意する。校則などは叩き台を用意してあるが、皆も意見を出してくれ」
アーサー様は、軍の規則を参考に学園の校則を作っていた。
うーんと、えーっと……
「罰則に関しては、如何なる者も受けるという記載が必要です。王族でも、罰則は関係ないという姿勢を見せる必要があるかと。あとは、夏休みなどの長期休暇を入れるかどうかですね」
「ケン君の意見を、検討課題にあげよう。特に、罰則のところは何かと勘違いするものがいるだろう」
アーサー様も、僕の提案にふむふむと頷いていた。
他にも色々な意見が出ていき、校則の案が固まった。
制服に関しても、特に問題などは上がらなかった。
男女ともブレザータイプで、この世界に前世の高校の制服があるのではと思ってしまった。
聞くと、制服は騎士服をモデルにしているという。
これなら、制服も人気が出るのではと思った。
クリスも着てみたいと言ったが、残念ながら先生役なのでスーツを着ましょうね。
「通信用魔導具で書いた書類を、紙に印刷してくれる魔導具があるんですね」
「試作品だが、中々良いものだ。今は近くで作業しないと印刷できないが、将来的には遠隔で印刷できるようにする」
スキャナーみたいに書類を複製する魔導具はまだないけど、印刷できるだけでも凄いと思う。
魔導具も、どんどんと進化しているんだ。
「後は、簡単な掃除道具を教室に置いておきましょう。汚れたらその場でササッと綺麗にしたいです」
「ははは、それは中々面白い案だ。だが、軍などでは貴族当主であっても前線基地などでは清掃なども行う。取り敢えず置いておこう」
清掃の件などは、意外にもルーカス様が好反応を示していた。
学園から軍に行く者もいるだろうし、良い機会なのかもしれない。
こうして、学園に関する打ち合わせは中々白熱したものとなった。
スラちゃんも筆談であれこれ話をしていて、イアン様も凄いスライムだとスラちゃんを褒めていた。
「では、本日決まった案で担当者に渡す。次は二週間後だ」
「「「「「畏まりました」」」」」
最後に、アーサー様がこの場をしめて終了。
僕達も、挨拶をして解散となった。
「うう、結婚式まで後少しなのにやることがいっぱいだよ……」
「こればかりはしょうがない。クリスも、今や軍の注目株だからな」
「あの、私はシーリアさんの補佐だったはずです……」
やることが沢山増えたので、クリスも思わずガックリとしていた。
しかし、ルーカス様の言う通りクリスにとても期待している人も多いのは確かだ。
結婚式を乗り切れば少しは楽になるはずだと、僕も思っていたのだった。
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