第百五十八話 新年の謁見
午後の謁見の時間になり、僕たちも謁見の間に移動した。
オーフレア様とマーヤちゃんも、今日は最初から謁見に参加することになっていた。
因みに、謁見に出ると張り切っていたちびっ子達は、残念ながら食後のお昼寝の時間に入っていた。
小さい子は、寝るのがお仕事です。
「皆のもの、面を上げよ」
陛下をはじめとする王族が袖から入場し、陛下の言葉で謁見が始まった。
陛下は、集まっている貴族や関係者を見回してから話し始めた。
「昨年は、王国と隣国の帝国との間で戦闘が発生した。しかし、それを期に帝国側の体制が大きく変わった。我が国も、国内の発展に注力しないとならない」
陛下は、ここまで話した所で一旦間を取った。
そして、厳しい表情で話を続けた。
「しかし、残念ながら和平を快く思わない者がいる。昨日の大教会で行なわれた奉仕活動を狙ったテロ行為は、まさに過激派が活動していることを示している。我が国は、理不尽な暴力に屈することはない。断固たる措置を取らなければならない」
陛下は、改めてテロ行為に対抗すると宣言した。
殆どの貴族が真面目な表情で話を聞いている中、微かだけど悔しそうな歯ぎしりの様な音が聞こえた。
スラちゃんたちがこっそりと動いたので、直ぐに貴族の名前は分かるだろう。
スラちゃんは、陛下に触手をフリフリとさせながら偵察を始めた。
そして、ここからはマーヤちゃんへの勲章授与に移った。
オーフレア様とマーヤちゃんが、絨毯の切れ目に膝をついた。
「昨日のテロ行為の際、幼いながらも身を挺して多くの者を救った勇敢なる者がいる。宮廷魔導師オーフレアの娘であるマーヤだ。幾ら宮廷魔導師の娘とはいえ、咄嗟にできることではない。その勇気を讃え、マーヤに勲章を授ける」
「ありがとうございます」
多くの拍手が送られる中、係りの人がマーヤちゃんに勲章を付けた。
オーフレア様も、とても誇らしげな表情だった。
これで謁見は終わりとなり、僕たちは謁見の間から応接室に向かった。
「「「おめでとー!」」」
「あぶー」
「ありがとう」
応接室に入ると、寝起きで元気なちびっ子たちがマーヤちゃんを祝福していた。
昨日もマーヤちゃんのカッコいい所を見ていたし、ちびっ子たちもとても喜んでいた。
そして、改めてソファーに座った。
「陛下、娘に過分な対応ありがとうございます」
「優秀な魔法使いを見つける事ができ、余もとても満足している。軍の魔法の訓練に参加する事も許可しよう」
オーフレア様のお礼に、陛下もとても満足そうにしていた。
マーヤちゃんは既に魔法の基礎は出来ているし、訓練次第で一気に伸びそうだ。
そして、陛下はスラちゃんにある事を指示した。
「当面、犯罪組織の壊滅に注力する。ケンのスライムが探し当てた貴族は、余も怪しいと踏んでいる。だが、まだ証拠は掴んではおらぬ。証拠を掴み次第、サンダーホークに乗って屋敷へ潜入捜査を行うように」
「ピッ」
スラちゃんたちとピーちゃんは、陛下に綺麗に敬礼していた。
スラちゃん達は、昨日のテロ行為に滅茶苦茶怒っていた。
隅から隅まで、徹底的に調べると意気込んでいた。
「さて、テロ対策についてはこの位で良いだろう。今夜の夜会に、オーフレア一家を招くとする。ローリーよ、幸せな家族だと嫉妬するのではないぞ」
「陛下、私はそこまで心の狭い人間ではありません……」
陛下の指摘に、ローリー様は苦笑しながら答えていた。
だが、夜会が行われるとオーフレア様の例の超美人な奥さんと新しく生まれた息子達と一家で仲良くしている姿に、ローリー様はかなり悔しそうな表情をしていたのだった。
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