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毒父に物資として戦地に送られた転生治癒師、無自覚チートで何でも癒しちゃいます  作者: 藤なごみ


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第百五十九話 魔法訓練の新規参加者

 新年の謁見の翌日に行われる軍の魔法訓練から、早速マーヤちゃんが参加することになった。


「マーヤです、宜しくお願いします」


 ペコリと頭を下げたマーヤちゃんに、大きな拍手が送られていた。

 軍服に似た服を着ていて、ちょっと緊張気味だ。

 勿論、保護者兼指導教官としてオーフレア様も参加していた。


 トコトコトコ。


「えっと、宜しくお願いします、ローリー先生」

「ええ、宜しくね。期待しているわ」


 昨夜の夜会でオーフレア様一家を羨ましく見ていたローリー様も、今日は笑顔でマーヤちゃんに対応していた。

 因みに、昨夜の夜会でオーフレア様は羨ましく見ていたローリー様をわざと煽っていたっけ。

 セレナさんたちもマーヤちゃんに挨拶をし、早速訓練を開始した。


「マーヤちゃんは、最初はスラちゃんと魔力循環をするといいわ。ふふ、驚くと思うわよ」

「頑張ります」


 いつも通り、訓練は魔力循環と魔力制御から始めた。

 ローリー様の指示を受け、スラちゃんはぴょんとマーヤちゃんの手のひらに飛び乗った。


 シュイン。


「わっ、わわ! す、凄いです。スラちゃんの魔力って凄いんですね!」


 マーヤちゃんは、スラちゃんから流れてきた魔力に目を見開く程驚いていた。

 初めてスラちゃんと魔力循環をする人は、全く同じ反応を見せていた。

 因みに、ちびスライム達は今日から訓練に参加する新人魔法兵と魔力循環をしていた。

 こちらも、小さなスライムから流れてくる魔力にかなり驚いていた。


「じゃあ、次は魔力制御よ。初めて訓練に参加する人は、ケン君に見てもらいましょう」

「「「「「はい!」」」」」


 今度は、ローリー様からの指名で僕が新人魔法兵とマーヤちゃんを教える事になった。

 オーフレア様とローリー様は既存魔法兵の相手をするそうで、クリスも一緒に訓練をしていた。

 僕も、皆に説明を始めた。


「魔法使いにとって、魔力制御はとても大切です。自分の体の中に流れる魔力を制御できないと、狙い通りに魔力を放てないばかりか暴発してしまう事もあります。放出タイプは狙った所に放てる様に、身体能力強化型は強化したい所に魔力を集められる様に頑張りましょう」

「「「「「はい!」」」」」


 話をした所で、早速実演をします。

 スラちゃんたちも、一緒に手伝ってくれた。


「最初は、体の中に流れる魔力を指先に集めます。この時、一定量維持する事が大切です。最初は難しくても、段々と慣れてきますよ。その内、こんな事もできるようになります」

「「「「「おおー!」」」」」


 僕が両手の指に魔力を集めると、マーヤちゃんと新人魔法兵は思わず感嘆の声を上げた。

 スラちゃんたちも複数の触手に魔力を集める事ができるが、ピーちゃんは残念ながらまだ訓練不足だ。

 ということで、早速やってみましょう。


「最初は、集中力も必要になってきます。でも、肩ひじ張らずに気持ちを整えてやるのも大切ですよ」

「わっ、わわっ、む、難しい……」

「な、何とかでき、おわぁ!」


 最初は新人魔法兵も四苦八苦していたが、そのうち段々と魔力を制御出来る様になった。

 一方、マーヤちゃんはオーフレア様の指導の成果もあってか、とても上手に魔力制御が出来ていた。


「マーヤちゃんは、今度は魔力を敢えて弱く集めてみよう。微細な魔力制御が磨かれますよ」

「わっ、確かに難しいよ。むむっ……」


 マーヤちゃんは、僕からの課題に必死に取り組んでいた。

 時々オーフレア様がこっちを見ていたが、指導法として問題ないとお墨付きを貰った。


「あくまでも、今日の訓練は魔法使いとしての基本中の基本です。でも、その基本がしっかりとできないと良い魔法使いになれません。基本の大切さは、オーフレア様も口酸っぱく言っています。毎日短い時間でもいいので、頑張って続けましょう」

「「「「「は、はい!」」」」」


 大変だけど手応えがあったのか、全員とても良い表情だ。

 マーナちゃんも、頑張ればもっと良い魔法使いになれるはずだ。

 マーヤちゃんと新人魔法兵は、既存魔法兵の訓練を見ることにしました。


 シュイン、ズドドド。


「ぐっ、ぐぐ……」

「ほらほら、戦場は固定されている的ばかりじゃねーぞ。人も獲物も、常に動いている。弓矢の訓練と、やっている事は同じだぞ!」


 オーフレア様が、的となる魔力弾を動かして既存兵に狙わせていた。

 集中力と共に動きの予測もしないといけないので、中々難しい訓練だ。

 ローリー様やスラちゃんたちも、魔法で作った的を動かして魔法兵に狙わせていた。


「ケン君なら、広範囲魔法を使って的を破壊できるけど、そんな事ができるのはほんの一握りよ。コントロールの向上は、魔法使いとして必須よ」

「は、はい!」


 確かに、僕なら魔法の飽和攻撃でどこに的が行っても当てることはできる。

 しかし、それでは訓練の意味はない。

 大変だけど、これからも頑張らないと。

 マーヤちゃんも試しにやってみたが、動く的に魔法を当てるにはまだまだ訓練が足りなかった。

 こうして、中々充実した訓練をする事ができた。


「マーヤちゃん、初めての訓練はどうだった?」

「とっても大変だったよ。ケン君が凄い魔法使いだって、改めて分かったよ」


 クリスとマーヤちゃんは、あれこれ話しながら感想を述べていた。

 一年間しっかりと訓練すれば、マーヤちゃんは間違いなく凄い魔法使いになれるはずだ。

 そして、マーヤちゃんはこんな事も話していた。


「あと、お父さんがキチンと仕事をしていたよ。やっぱり、お父さんって凄いね」

「マーヤ……」


 おお、満面の笑顔のマーヤちゃんに褒められて、オーフレア様が感涙しているよ。

 オーフレア様は、やる時はキチンとやるからね。

 そして、父娘の和やかなやり取りを見て、ローリー様は羨ましそうにしていたのだった。

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