第百五十七話 新年と会議
色々とあった年末の奉仕活動も何とか終わり、新しい年になった。
本当に、年末は怒涛の忙しさだったぞ。
僕とクリスも十四歳となり、いよいよ来年は成人だ。
「皆さん、おめでとうございます」
「おめでとー!」
「ピィ!」
食堂で挨拶をすると、使用人だけでなくクリス、スラちゃんたち、ピーちゃんも笑顔で挨拶をした。
そして、急いで朝食を食べて部屋に戻って身支度を整えた。
というのも、昨日の大教会で起きた事件の話があるという。
勿論、僕もクリスも、そしてスラちゃんたちも当事者なので話を聞かないとならない。
身支度を整えると、馬車に乗って足早に王城に向かったのだった。
「新年おめでとう。昨日は、皆の活躍により賊からの被害を最小限に食い止める事ができた。改めて感謝する」
昨日主だった人が会議室に集まり、陛下は新年の挨拶もそこそこに話し始めた。
結局、軽症者はいたが幸いにして死者はいなかった。
軽症者も、大教会内に避難する際に転んだりした者ばかりだった。
そして、ヘルナンデス様が状況報告をした。
「やはりというか、犯人は帝国との和平に不満を持つ過激派による犯行だった。先日制圧した過激派犯罪組織とはまた別の組織だ。爆発型魔導具なども保有していたが、幸いにして全て回収して無効化した」
爆発型魔導具の話が出てきた瞬間、会議室の中が少しざわついた。
帝国との戦争でも一部で使用された魔導具で、小規模ながら爆発を起こすことが可能だ。
流石に僕やスラちゃんたちの魔法よりも威力は弱いが、それでも多くの人が集まる状況だと被害は大きくなるだろう。
昨日行われた年末の奉仕活動は、まさに多くの人が集まっていた。
「王家を狙いつつ、国民を無差別に狙う事で、恐怖による支配を狙ったのだろう。こんな事、あってはならない。引き続き、犯罪拠点の制圧を行っていく」
「「「「「はっ」」」」」
捕まえた犯罪者への聴取中というのもあり、ヘルナンデス様の話はこれで終わった。
ピーちゃんとスラちゃんの機動力を生かした捜査や、僕とクリスが行っているスラム街での奉仕活動も引き続き継続となった。
そして、会議の終わりにこんな事も発表された。
「昨日の賊による襲撃の際、オーフレアの娘が見事母上や余の孫などを守った。本日の謁見の際に、勲章を与える」
「ありがとうございます」
オーフレア様は、席から立ち上がって陛下に頭を下げた。
そして、集まった人から大きな拍手が送られた。
マーヤちゃんが魔法障壁でちびっ子たちや王太后様を守ったのは間違いないし、だからこそリーフちゃんも攻撃に専念できた。
危険な現場だった分、マーヤちゃんの功績はとても大きかった。
会議が終わったので、僕は王家のちびっ子たちがいる部屋に向かった。
ガチャ。
トテトテトテ。
「だー」
僕とクリスがちびっ子たちのいる部屋に入ると、ビアンカちゃんがソファーから降りて僕に手を広げて抱っこをせがんできた。
ビアンカちゃんの可愛らしいおねだりに和みつつ、僕はビアンカちゃんの頭を軽く撫でてから抱っこした。
そして、そのままちびっ子たちが座っているソファーに腰を下ろした。
部屋にはメアリーさんとシーリアさんもいて、ちびっ子たちに囲まれてワチャワチャしている僕とグリスに目を細めていた。
すると、シーリアさんがちびっ子たちにこんな事を言った。
「はい、昨日守ってくれたリーフちゃんにお礼を言いましょうね」
「「「ありがとー!」」」
「うん?」
ちびっ子たちの元気なお礼に、リーフちゃんは触手をフリフリしていた。
後で、マーヤちゃんにもお礼を言わないとね。
ビアンカちゃんは何のことだか分からないのか、ちょっと不思議そうな表情で僕の事を見上げていた。
「ケン君がいるからどうにかなると思っていたけど、最初襲撃があったと聞いた時はかなり驚いたわ」
「そうですわね。王城も、来賓対応を中止して襲撃対応に切り替えておりましたわ」
シーリアさんとメアリーさんは、昨日の王城内の様子を教えてくれた。
結局大教会での奉仕活動は最後まで行っていたが、途中から護衛が倍増した。
そのお陰かどうかは分からないが、僕や王家の子どもに接近しようとした下心を持った貴族令嬢は早々に屋敷に帰った。
「奉仕活動は、今後も続けていくわ。それこそ、止めたら過激派の思う壺になるのよ」
「もちろん警備は増強するけどね。私たちは育児で忙しくなるだろうし、ビアンカも奉仕活動に参加することになるだろうね」
メアリーさんとシーリアさんは、自身の大きくなったお腹を優しく撫でていた。
二人とももうそろそろ出産予定で、シーリアさんは早めに産休に入った。
前回軍の仕事中に産気づいたので、他の妊娠している女性兵も含めて早めに産休に入る制度が作られた。
シーリアさん自身は、体を動かしていた方が良いと言っていたけど。
「暫くは、ケン君たちも含めて軍は忙しくなるだろうね。でも、こういう過激派っていうのは潰しても次々に現れるのよ。当面はいたちごっこになるはずよ」
シーリアさんは、もはや宿命だとまで言っていた。
もう、こればっかりは本当にどうしようもないですね。
「あうー」
ぷりぷりぷり。
「ふいー」
「あっ……」
「ふふふ、今は目の前の問題に対応しましょうね」
ビアンカちゃんが踏ん張ったかと思ったら、ウンチをしてしまったのです。
直ぐに使用人がオムツを交換してくれたけど、今はこうして小さい子と遊ぶことがお仕事ですね。
読んでいただき、誠にありがとうございます
ぜひブックマーク、下の評価を5つ星よろしくお願いします!
作者のモチベーションも上がります!




