第百五十四話 ルートちゃんが大活躍の披露宴です
来賓が全員席につき、いよいよ結婚式が始まる。
緊張感に包まれる中、司祭様も祭壇の前にやってきた。
「それでは、これより結婚式を執り行います。最初に、新郎の入場です」
大きな拍手が起きる中、グレーのモーニングに身を包んだガイアさんが入場してきた。
うん、表情も固くてかなり緊張しているのが手に取るように分かった。
何とか司祭様の前につき、姿勢を正した。
「続きまして、新婦の入場となります。大きな拍手でお出迎え下さい」
より一層大きな拍手が起きる中、純白のウェディングドレスに身を包んだシンシアお姉様と黒の燕尾服に身を包んだエレンお祖父様が揃って一礼してから入場してきた。
いつもはとても優しくて明るいシンシアお姉様だが、ウェディングドレスを着ていることもありとても清楚な感じだ。
クリスや多くの令嬢も、シンシアお姉様の綺麗なウェディングドレス姿に感嘆の溜息を漏らしていた。
ガイアさんは、エレンお祖父様と少し話してからシンシアお姉様を受け取った。
席についたエレンお祖父様はとても真剣な表情だったが、目尻にはうっすらと涙を浮かべていた。
ガイアさんとシンシアお姉様が司祭様の前に並び立ち、いよいよ結婚式が始まる。
「これより、ガイア・メダリオンとシンシア・ノームの結婚式を執り行う」
司祭様の声に、ガイアさんとシンシアお姉様は真剣な表情となった。
教会内にいる人たちも、真剣な表情でガイアさんとシンシアお姉様を見守っていた。
「ごほん、それではガイア・メダリストはシンシア・ノームを妻とし、終生愛することを誓いますか?」
「誓います」
「シンシア・ノームはガイア・メダリストを夫とし、終生愛することを誓いますか?」
「誓います」
司祭様への愛の宣誓の後、二人は結婚指輪の交換を行った。
そして、二人は改めて司祭様の前に向き直った。
「それでは、誓いの口づけを」
司祭様の声で、ガイアさんとシンシアお姉様は向き合った。
シンシアお姉様は、ガイアさんがヴェールを上げやすい様に軽く膝を屈んだ。
そして、お互いに見つめ合ってから軽く口づけをした。
フリージアお祖母様は、目頭に浮かんだ涙をハンカチで拭っていた。
「今、ここに新たな夫婦が誕生しました。大きな拍手で祝福して下さい」
ガイアさんとシンシアお姉様は、一礼してから腕を組んでゆっくりとヴァージンロードを歩き始めた。
多くの人が大きな拍手を送っており、ルートちゃんも笑顔で一生懸命拍手をしていた。
「以上をもちまして、結婚式の一切を終了いたします。皆様、披露宴会場にご移動をお願いいたします」
係の人の合図で、まず上級貴族から動き始めた。
ちびっ子たちは、キングレオをもふもふしながら移動していた。
僕とクリスも、メダリオン男爵家で来賓を出迎えるために一足先に移動を始めた。
「皆さん、会場は二階ホールです」
「ゆっくり移動して下さいね」
僕とクリスは、メダリオン男爵家に着くと玄関ホールに移動して到着した来賓の案内を行っていた。
来賓は、口々に良い結婚式だったと感想を述べていた。
「どーぞー」
「ガルッ」
ルートちゃんも、僕たちとキングレオと共に来賓を笑顔で迎えていた。
張り切っているルートちゃんに、来賓も思わず笑顔になっていた。
来賓を出迎え終えると、ガイアさんとシンシアお姉様がドタバタしながら屋敷の中に入っていった。
ルートちゃんが不思議そうな表情をしていたが、お色直しをしないと駄目なんですよ。
僕たちも、披露宴会場に移動して席に座った。
「ねーねー、これからおねーちゃんくるの?」
「ふふ、お着替え終わったら、直ぐに来るわ」
「わぁ!」
ルートちゃんは、母親のセリナさんだけでなく周りの人にも笑顔を振りまいていた。
そして、いよいよいよいよ披露宴が始まった。
「新郎新婦の登場です。皆様、拍手で迎えて下さい」
「わー!」
ルートちゃんの大きな歓声を合図に、新郎新婦のガイアさんとシンシアお姉様が一礼して披露宴会場に入ってきた。
ルートちゃんは大きく手を振っていて、シンシアお姉様も思わずニコリとしていた。
新郎新婦が席についたところで、早速乾杯の挨拶となった。
チャーリーさんが、グラスを手にして立ち上がった。
「お集まり頂いた来賓の皆様、本日は息子と義娘の結婚式に参加頂きありがとうございます。まだまだ未熟な二人ですが、私たち家族や多くの方に支えられながら成長して貰いたいと思います。それでは、二人の門出を祝して乾杯します。乾杯!」
「「「「「乾杯!」」」」」
チャーリーさんの乾杯の合図で、披露宴はスタートした。
和やかに乾杯が始まると共に、挨拶対応も始まった。
僕とクリスも、エレンお祖父様側の親類として挨拶対応をした。
「どーもー!」
ルートちゃんも、父親のゴライオンさんとセリナさんと共に元気よく挨拶をしていた。
張り切るルートちゃんのおかげで、披露宴も和やかに進んで行った。
王家の双子ちゃんやジョセフちゃんも大満足しており、時々お肉を食べるキングレオの頭をなでなでしていた。
もちろん、ヘルナンデス様やルーカス様も良い結婚式だと言っていた。
こうして、和やかな雰囲気の中で結婚式の全行程は終わったのだった。
「「疲れた……」」
後片付けも何とか終わり、主役だったガイアさんとシンシアお姉様は応接室で疲れ果てていた。
男爵家の結婚式にしては来賓が多かったのもあり、とにかく挨拶対応が大変だったという。
かくいう僕たちも、挨拶対応でぐったりとしていた。
「でも、間違いなく一番張り切ったのはルートね」
「そうね、後でご褒美をあげないといけないわね」
「すー、すー」
フリージアお祖母様とイザベラさんの視線の先には、ソファーに寄りかかってスヤスヤと寝ているルートちゃんの姿があった。
間違いなく、結婚式を和やかにしたのはルートちゃんの存在があった。
今日は、頑張った分ゆっくりと休まないとね。
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