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毒父に物資として戦地に送られた転生治癒師、無自覚チートで何でも癒しちゃいます  作者: 藤なごみ


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第百五十話 クリスたちの官僚試験の日

 実家の件が片付いたのもあり、僕の心は少しだけ和らいだ。

 もう少ししたら、実家に業者を入れて綺麗にしてもらう予定だ。

 今度も、定期的に清掃などを頼んでいく。

 僕の子に引き渡すのなら、やはり綺麗な状態が良いと思った。

 そんな事をしつつ、季節は進んでいった。

 そして、いよいよ官僚試験が行われる日となった。


「クリス、ミュウさん、頑張って下さいね」

「「「「「「キャウキャウ」」」」」」

「「行ってきます」」


 僕は、屋敷の玄関で馬車に乗る二人を見送った。

 そんな僕の足元には、可愛らしい応援団がいた。

 小虎が二匹で、小狼が四匹だ。

 フォレストタイガーとフォレストウルフが無事に出産し、こうして元気な赤ちゃんが屋敷を動き回っていた。

 キングレオが赤ちゃんたちの良いお兄ちゃんとして面倒をみていて、とってもホッコリとしていた。

 因みにサンダーホークの雛も孵っており、もう少しで空を飛べるという。


「じゃあ、みんなお庭で遊んで良いよ!」

「「「「「「キャン!」」」」」」

「ガルル」


 魔物の赤ちゃんたちは立派にお見送りができたので、ここはいっぱい遊ばせてあげましょう。

 キングレオやスラちゃんたちもいるし、迷子になることはありません。

 今日は僕も一日休みだし、のんびりと赤ちゃんたちの遊んでいる様子を眺めよう。

 すると、ここで元気なお客さんが屋敷にやってきた。


「「「きたよー!」」」

「「「「「「キャン!」」」」」」


 王家の双子ちゃんとジョセフちゃんが、赤ちゃんたちの所に突撃していった。

 赤ちゃんたちも、遊び相手が来たと大はしゃぎだ。

 そして、引率者はこの方だった。


「あらあら、さっそく元気に遊んでいるわね」

「あうー」


 王太后様が、ビアンカちゃんを抱っこしながらニコリと微笑んでいた。

 ビアンカちゃんも、赤ちゃんたちに興味津々だ。

 王家の双子ちゃんとジョセフちゃんは、みんな仲良く庭で追いかけっこをしていた。


「王太后様、メアリーさんとシーリアさんの体調はどうですか?」

「二人とも、悪阻も少なくて良い感じよ。食欲もあるのも良いことね」


 実は、先日メアリーさんとシーリアさんの妊娠が発覚した。

 出産は年明けを予定していて、二回目の妊娠というのもありメアリーさんもシーリアさんも冷静に対応していた。

 既に簡単な公務や仕事をしているが、それでも暫くは無理をさせないためにこうして王太后様が赤ちゃんや幼児の面倒をみていた。


「あうあう」

「はいはい、抱っこですね」

「あう!」


 ビアンカちゃんは、僕を見るなり手を広げて抱っこを要求してきた。

 王太后様からビアンカちゃんを受け取ると、ビアンカちゃんはニヤーって笑っていた。


「「「わーい!」」」

「「「「キャンキャン!」」」」


 そして、幼児三人は小狼四匹と芝生でボール投げをしていた。

 小さな革製のボールを投げると小狼が拾ってくるのだが、生憎幼児なのでそんなに遠くに投げられない。

 そこで、スラちゃんが代わりに革製のボールを投げていた。


「「キャウ!」」

「グルル」


 そして、小虎はキングレオの尻尾に飛びかかって遊んでいた。

 キングレオも分かっているので、良い感じに尻尾をパタパタとさせていた。

 何というか、ほのぼのとする光景だ。


「ビアンカちゃんも、もう少ししたらみんなと遊べるね」

「あうあう」


 ビアンカちゃんは、手をパタパタさせてとてもご機嫌だ。

 さて、みんなも遊んだら今度は屋敷の勉強部屋に移動して、絵本を読みましょう。


「今日は、お姉ちゃんたちも別の場所でお勉強をしているんだよ。みんなも、一緒に絵本を読もうね」

「「「はーい!」」」


 ちびっ子たちは、勉強部屋のソファーに座っている僕の周りに集まってきた。

 因みに、ビアンカちゃんは昼食前のお休みタイムで、勉強部屋に置いてあるベッドでスヤスヤと寝ていた。まめみみみま

 小虎と小狼も、お母さんの所に行ってお乳を飲んでいた。

 こうして、お昼前まで穏やかな時間を過ごしていたのだった。


「「ただいま戻りました」」


 トトトト、ギュッ。


「「「おかりー!」」」


 クリスとミュウさんが試験を終えて屋敷に戻ってくると、ちびっ子さんにんは笑顔で出迎えた。

 昼食の時間なので、そのまま皆で食堂に向かった。


「何とか試験は出来たと思います」

「皆さんが色々と教えてくれたので、とても助かりました」

「「「おー!」」」


 昼食を食べながらクリスとミュウさんが報告をすると、ちびっ子たちは思わず手を挙げていた。

 うん、よく分かっていないけど凄いと思ったんだね。


「そう、それは良かったわ。そうなると、マネー子爵家へ戻る準備も進めないといけないわね」

「「「うん?」」」


 ミュウさんが初級官僚試験に合格するということは、マネー子爵家に戻る日も近いということだった。

 ちびっ子たちはまだ分かっていないけど、そのうち寂しさがやってくるかも知れない。

 とはいえ、マネー子爵家に遊びに行くだけなのかもしれないね。


「あぐあぐあぐ」

「ビアンカちゃんは、本当に離乳食が大好きね」

「あぐあぐあぐ」


 ビアンカちゃんは、赤ちゃん用の椅子に座って一心不乱に離乳食を食べていた。

 ヤギのお乳も哺乳瓶みたいなもので沢山飲んでいたし、ビアンカちゃんは本当に食べるのが大好きなんだね。


「さて、皆も昼食を食べたら王城に帰ってお昼寝よ」

「「「えー!?」」」


 昼食を食べ終えて王太后様が帰ると話をすると、ちびっ子たちはぶーぶーと文句を言っていた。

 とはいえ、馬車に乗れば直ぐにお昼寝しちゃうかもしれないね。

 こうして、官僚試験の日は穏やかに過ぎていったのだった。

 後日、ナッシュさんとシンシアお姉様も含めて全員官僚試験に合格したのだった。

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