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「始まりの終わりなき英雄譚」
ユカリちゃんの自室、殆ど物は無いけどこの場所で私達は沢山一緒に過ごした。
前は喧嘩なんかしなかった、皆仲良くてユカリちゃんは甘えん坊で目に入れても痛くない本当に可愛い自慢の妹だった。
骨壺以外何も無い、勝手に焼かれて勝手に亡き者にされ、勝手に終わらせた。
両親は嬉しそうにこう言っていた。
“死んで良かったね♪”って、私の堪忍袋はプツンの千切れた途端、怒髪天を衝く程黒い感情が吹き出し殺意となった。
身体のリミッターが外れてタンスをぶん投げて顔面を一撃で粉砕するストレートには自分でも驚いている。
それと同時に嘲笑した。
なんだ、私がいれば守れたじゃん。
私の力があればいつだって殺せたじゃん。
なんでしなかったんだろ?と私の人生そのものがテセウスの船状態になり、膠着した脳は次第に自身にナイフを向けた。
「ユカリちゃん、お姉さんが迎えに行くからそっちで暮らそう」
こんな世界、要らない。
ユカリちゃんがいない世界なんてさっさと捨てようと自害をしようとした時、目の前にまばゆい光が照らされ本が落ちてきた。
本棚から落ちたものだと思い一瞬驚いた、でも私にはもう関係ない。
最後に1ページぐらい見てやろうと開いた次の瞬間、私の意識は本の中に溶け込んでいった。




