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 セレスティアの身体がアタシから離れていく。


 手だけを繋いだ状態になった。


 さらに離れていく。


 指だけが触れ合ってる。


 ついに指も離れた。


「さようなら、ミューちゃん」


「ネコノ!!」


 アタシは叫んだ。


「ギャバッ!!」とセレスティア。


 セレスティアが口を押さえた。


「やだ! クセになってる!!」


 セレスティアが笑った。


「今、ミューちゃんが持ってるネコノミコンは、あたしと分離して元に戻ってる。危険なアーティファクトには変わりないからマーリンに管理してもらってね」


 あっ!!


 いつの間にかアタシの手にネコノミコンが!


「ミューちゃん、さようならー!!」


「あっ!! さ、さよならーっ!!」


 セレスティアが、どんどん加速して離れていった。


 見えなくなる。


 アタシは反対側へと引っ張られて、ぐんぐん加速していく。


 地上が見えてきた。


 小高い丘が迫ってくる。


 丘の上に人が立ってる。


 マーリンだ!!


 アタシの身体は減速して、ふわりとマーリンのそばに着地した。


 マーリンがアタシを見た。


 メガネをかけてない。


 カ、カ、カッコいい!!


 マーリンから少し離れたところに赤毛の男が倒れてる。


 アドリスだ。


 マーリンとの戦いで何を見たのか?


 その死に顔は恐怖に醜く歪んでる。


「ミュー?」


 マーリンが言った。


「本来の姿に戻れたのですか?」


「セレスティアが戻してくれた」


 アタシは頷いた。


「彼女は…」


 マーリンの片眉がピクリと動いた。


「彼女の魂は…どうなりましたか?」


「冥府へ行ったよ」


「そうですか…」


 マーリンが悲しそうな…淋しそうな表情になった。


 アタシはマーリンに、ゆっくりと近づいた。


「マーリン」


 彼の名前を呼ぶ。


「アタシを見て」


 マーリンはアタシから目をそらした。


「じっくり見るには、いささか困る格好ですね」


「ふざけないで」


 アタシはマーリンの首に両腕を回した。


 マーリンがアタシを正面から見つめる。


 アタシはマーリンに囁いた。


「アタシを愛して」


「そうですね…」


 マーリンが小首を傾げた。


「実を言うと僕は…」


 マーリンが笑った。


「裏切る女性が大好きなのですよ」


 アタシとマーリンは熱いくちづけを交わした。




おわり

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