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 セレスティアが目を閉じた。


「そこから長い時間、マーリンは魔力の計算に明け暮れたわ。解除値合計の条件を満たす相手を見つけるために、あちこち手を尽くして。彼は裏切ったあたしのために膨大な時間を費やしたのよ。とても愚かな行為だわ。彼の献身に耐えられず、あたしは自分の存在を消そうと思ったこともあった。そうすれば、彼をあたしから解放してあげられるから」


「フラクタルの領域」でネコノ…セレスティアが女王の誓約書にサインしようとしたのは…。


 そういうことだったのか…。


「でも結局、彼はやり遂げた。怠惰の神に完全に勝ったのよ。これであたしの魂は冥府へと旅立てる。ミューちゃんとも、これでお別れね」


 そ、そんな…。


 淋しいよ…。


「ミューちゃん」


 セレスティアがアタシの頭を撫でた。


「あたしは今、一時的にものすごい量の魔力をまとってる。この力を使って、あなたの封印を解いてあげるよ」


 な、何ですとーーっ!!


 マ、マジでっ!?


 セレスティアの手から、大量の魔力がアタシの身体に流れ込んできた。


 とても優しくて温かい。


 気が付けばアタシはミーナヘイムに居た頃の身体に戻ってた!


 もちろん、顔までは確認できないけど、目で見える範囲は魔女のときの身体だ!!


 服はサイズが合わなくなったからか、消えて無くなってる。


 今は裸の美女2人が輝きながら空中に浮いてる状態だ。


 よっしゃー!!


 とにかく戻れたことには違いない!!


「ミューちゃん」


 セレスティアがアタシを抱きしめた。


「お願いがあるの」


「お願い?」


「そうよ」


 セレスティアが微笑む。


「あたしが居なくなった後のマーリンをお願いしたいの」


 ええ!?


 そ、それって…。


「彼、ああ見えて淋しがり屋なのよ」


「でも…」


「あなたになら、安心して任せられる」


 セレスティアがアタシの顔に優しく触れた。


「そろそろ時間だわ。あたしはこのまま冥府へ行く。あなたを彼の居るところまで飛ばすわね」

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