50.
【☆★おしらせ★☆】
あとがきに、
とても大切なお知らせが書いてあります。
最後まで読んでくださると嬉しいです。
モフモフと炭酸水によって姑が完全に陥落した日の夜。
ルナはリリアナの私室を訪れ、真剣な面持ちで進言した。
「リリアナ様。あのうざいエレオノーラを排除しないのですか」
「一応ほら、義母だからね」
「暗殺もできますが」
「やらないで」
「……腕には自信があります。完璧な事故に見せかけることもできますが」
「命令。絶対にやるな」
リリアナにピシャリと撥ね退けられ、ルナはしぶしぶと頭を下げた。
「はい……」
しかし、ルナの腹の虫は全く治まっていなかった。
部屋を退室し、廊下に出た途端、彼女はギリリリッと激しく歯ぎしりをする。
メイド服のポケットの中で、冷たいミスリル包丁の柄を強く握りしめた。
(くそが! 主様に意地悪をするあんな女、生かしておいていいわけがない!)
たとえ今はモフモフの虜になって大人しくしていようとも、害虫は早めに駆除するに限る。
ルナが再び暗殺計画を練り直そうと殺気を放った、その時だった。
「バフバフ」
背後から銀色の巨大な毛玉が近づき、ルナの背中を鼻先で小突いた。
ポチである。
「なに? 悲しむだと?」
「バウバウ」
ルナが眉間に皺を寄せると、ポチは静かに首を横に振った。
「なんでだ。あのババアは主様の敵だぞ」
「バウバウ、ワフン」
ポチはルナの目を真っ直ぐに見据え、諭すように低く吠えた。
その犬語に込められた深い意味を、エルフであるルナは正確に読み取っていく。
「なに? 私がそんなことをすれば、この屋敷の平穏が崩れてしまう。そしたら主様が泣いてしまう……だと?」
ルナはハッと息を呑み、握りしめていたミスリル包丁から手を離した。
怒りで我を忘れていたが、確かにポチの言う通りである。
ジークフリートの母親を殺せば間違いなく大騒動になり、愛するリリアナの平穏なぐーたら生活は永遠に失われてしまうのだ。
「なるほど、賢い意見だ。さすがはフェンリル」
ルナは深く頷き、暗殺の衝動をグッと飲み込んだ。
そして、ポチの豊かな胸毛をポンポンと叩き、足早に廊下の奥へと消えていく。
ルナの後ろ姿を見送りながら、ポチはふぅ、と短く息を吐いた。
(やれやれ。まったく、この屋敷の女達は面倒な連中が多いぜぇ)
ハードボイルドな魔獣は、一人静かに呆れ顔で鼻を鳴らすのだった。
【おしらせ】
※5/22(金)
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