49.
【☆★おしらせ★☆】
あとがきに、
とても大切なお知らせが書いてあります。
最後まで読んでくださると嬉しいです。
ポチの極上の毛並みに埋もれたエレオノーラは、もはや公爵夫人としての威厳を完全に喪失していた。
日向の温かさと、付与魔法『雲』による圧倒的な柔らかさに包まれ、彼女はだらしなく頬を緩ませている。
だが、モフモフの熱気に当てられたのか、その額にはうっすらと汗が滲んでいた。
「お義母様、少し暑そうですね。冷たいお飲み物はいかがですか?」
リリアナは悪魔的な笑みを浮かべ、サイドテーブルのグラスを手に取った。
グラスの中には、果実を絞っただけの常温の甘い水が入っている。
彼女は指先に魔力を込め、空中に『冷』と『泡』の漢字を素早く描き出した。
二つの文字がグラスに吸い込まれると、シュワシュワと心地よい音を立てて水面が弾け始める。
グラスの表面にはあっという間に水滴がつき、キンキンに冷えた極上の炭酸水が完成した。
「さあ、どうぞ。喉が渇いているでしょう?」
リリアナがグラスを差し出すと、エレオノーラはポチの腹から顔を上げ、魅入られたようにそれを受け取った。
パチパチと弾ける泡の音が、聴覚を涼やかに刺激する。
エレオノーラはごくりと喉を鳴らし、その冷たい液体を口に含んだ。
「ふぉおおおっ!?」
エレオノーラは目を大きく見開き、勢いよくのけぞった。
強烈な炭酸の刺激と、突き抜けるような冷たさが、モフモフで火照った体に染み渡っていく。
シュワシュワとした未知の食感が喉を駆け抜け、爽快感が全身を突き抜けた。
「な、なんですのこれ! 口の中で小さな妖精が踊っているみたいですわ! それにこの冷たさ、たまりませんわぁっ!」
彼女は頬をピンク色に染め、目を輝かせながら炭酸水を一気に飲み干した。
そして、プハァッと品のない吐息を漏らし、再びポチの腹へと豪快にダイブする。
「もう、公爵家の作法なんてどうでもいいですわ。お茶会も、領地の視察も、全部明日にしますわぁ……」
完全に堕落した姑の誕生である。
エレオノーラはポチの毛並みに頬をすりすりしながら、自堕落な笑いを浮かべていた。
リリアナは計画通りとばかりにガッツポーズを決め、自身の雲布団へと寝転がる。
「あの鉄の女と呼ばれたお方が、たった一杯の水と犬で……」
一部始終を見ていたルナは、ガックリと膝から崩れ落ちた。
ミスリル包丁を取り落とし、信じられないものを見る目で震えている。
「ワフン」
ポチはドヤ顔で鼻を鳴らし、気持ちよさそうに目を閉じた。
「どうしたんだ、こんな昼間から……って、母上!?」
そこへ帰宅したジークフリートが部屋に入り、堕落しきった母親の姿を見て絶句する。
しかし、リリアナはそんな夫を気にも留めず、平和なぐーたらライフを満喫するのだった。
【おしらせ】
※5/6(水)
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