第15話 空気大活躍、そして。
今回はちょっと毛色が違うかもしれないです。
どうぞお楽しみください。
ん?ちょっと待てよ。弾丸飛び始めてからなぁんか罠に引っかからなくなってないか?絶対雑魚が引っかかりまくって減ってたとしても、罠があれだけなわけないよな?多分だけど。
奴なら絶対に罠にかかった、もしくはかからないために回避した時を狙ってきそうなモノだが。いつのまにか弾丸も来なくなってるし。
「なぁ優、弾丸飛び始めてから罠引っかからなくなったよなぁ、ってはぁ?!」
俺の前方100メートル地点で優が詩乃を組み伏せ首元にナイフを当てて身動き取れないようにしていた。
は?どういうこと?え、何が起きてるの?
心なしか笑顔が二割り増しでキラキラしてる。めちゃくちゃ楽しそう。
繰り返すようだが、は?
どうなってるんだよ。なぁんかアイツの気配ないなとか思ってたら大活躍してるんだが。
さっきまで空気だったくせに!俺がそれやりたかったよ。悔しさをバネに(物理的に)走って合流する。もう俺のピュアなか弱い心は(どこがだよ、と自分で突っ込んだ)色々とズタボロ。
「なぁ優、ソレどういう状況?」
「え?あぁ、流狼月がトリッキーな接近して気を取られてる間に気配消して後ろからまわり込んだだけだよ?ほら、鷹って基本的に遠距離特化だからさ?近づいたら、もしかしたら行けるかもしれないなーって」
「いや、行けるかなーじゃねぇよ。そんな簡単なことみたいに言うな。脳みそバグるからやめろ」
こいつ意外と脳筋ですねー。
いや、それができるだけの能力があるのを理解した上で行動しているのだろうから計算高いと言うべきか。まぁ、金輪際どうでもいいか。捕獲できたし。捕獲したの俺じゃないけど。
「で、詩乃さんよ。俺らの仲間になりません?」
「…それ以外の、選択肢は、ケホッ、私にないでしょ?」
はい、そうです。ご名答。俺が言いたかっただけです。だってこのセリフゲームで結構な確率で出るし。ゲームオタクとしては一回やってみたかったんだよ。夢って大事だから。
「その返事は肯定でいいのか?」
優怖っわ。どこぞの悪役みたいな貫禄じゃん。いーなぁ。俺もそんなオーラ出してみたいよ。お前には100年早いとか言われそうだけどな。
「うん。それでいい。一応言うだけ言っておくけど、話し辛いから、首のナイフ退けてくれない?」
「優。鷹が近接弱いって言ったのお前だろ?退けてあげろよ。お前なら逃げられても何とかできるだろ?」
優はちょっと考える素振りを見せてからナイフを無言で首元から離した。一応握ってはいる辺り、『動いたら殺すぞ』ってことだろうなぁ。あくまで予想だが。
うんうん、賢明な判断。でも普通に俺がタガーぶん投げたら余裕でキルできるけどな。あ、これマジな話だから。
俺は投擲だとかなり上手い部類に入るのだ。ちなみに、具体的に言うと100メートル先の的の真ん中打ち抜けるから。
詩乃が口を開きかけてやめた。ん、何だよ。気になるじゃないか。そういうのやめてくれよ。うずうずする。好奇心は猫も殺す。押さえ込まねば...。
俺はあっさり誘惑に負けた。詩乃に問う。
「どうしたんだ?」
「何でもない。ただ貴方らが『何処』の人間か聞こうと思っただけ。聞かない方が良さそうだからいいの」
「妥当な判断だよ。それを聞かれたら俺はお前に同じ質問を返さなきゃならないからな」
今は言うべきでない、というか言えないし、聞いてはならないと思う。誰しも知られてはならない秘密の一つや二つはあるのだ。
が、此奴の巣が何処かはともかく『仕事』についてはある程度見当はついている。大方裏社会の暗殺者か傭兵とかそんな感じだろう。
まぁ、俺も人のことはとやかく言える立場の人間じゃないんだけどな。どちらかと言えば同じ穴の狢、つまりは同類。
優も恐らくは同じ。いや、もしかしたら此奴の方がよっぽど深く昏い所にいるかもな。じゃなきゃあんな動きが出来る筈がない。
好奇心は猫も殺す。忘れないようにしよう。
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