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#2 学校に行こうと思ったら美少女に誘惑されました。


「ルミナ...?」


 ある日の早朝。

 まだ、肌寒いこの時間に来訪者が。


 その来訪者の名は『ルミナ』。


 彼女は昨日、俺が黒服集団に命を狙われ、死ぬかと思っていた時に突然現れて、俺を助けてくれた命の恩人だ。

 あと美少女。


 そんな恩人がこんな朝早くになんの用だろうか。


「なあ、ルミナ。こんな朝っぱらからなんの用だ?てか、なぜ俺の家を知っている...?」


 ルミナは、うずくまりながら両手でおデコを抑え、ほっぺたを「ぷくぅ」としながら涙目で俺を見つめる。


「女の子にこんなことをしといて、謝罪も無しに質問攻めなんて。あなた、やっぱりモテないでしょ」


「あぁ...それについてはマジですまん。まさかお前だと思わなくて」


「まあ、いいわ。全然、痛くなかったし」


「それにしては、うずくまって、おデコを抑えて涙目になっていた気がしたが...」


 そう言った瞬間、俺の足をルミナが足で思いっきり踏んづける。


「痛ってぇー!!!」


「次、舐めた口を利いたら、二度と、その舐めた口を開かせないようにするから」


「ごめんなさい...」


 朝からなんて仕打ちを受けなければならないんだ...

 まあ、ルミナに痛い思いをさせてしまったから、これでおあいこか。


 すると、隣から「ガチャ」っという音が聞こえ、隣人の方が部屋から出てくる。

 そして、目が合った俺に心配そうにこう告げる。


「あの...大きな音と大きな声が聞こえたんですが、大丈夫ですか...?」


「あぁ、船橋さん。ご迷惑をお掛けしてすみません。今すぐ帰らせますので」


「え?帰らないけど」


 俺たちは隣人の方に迷惑の掛からないように小声で会話を始める。


「いや、何言ってんだよ」


「今日、私はあなたを連れ去るためにここに来たんだから、あなたも着いてこなきゃダメ」


「いや、本当に何言ってんだよ」


「ねぇ、さっきから小声で耳打ちしてこないで。気持ち悪い」


「お前なぁ...」


 あーもう、一体なんなんだ、この美少女は。

 こんな早朝から人の家に押しかけて、その理由が俺を連れ去るため?

 もう、滅茶苦茶だ。


「なあ、そろそろ学校へ行かなければならないから、しっかりと話し合いをしよう。だから、家上がれ」


「え、こんな、いたいけな少女を家に連れ込む気なの?変態」


「だから話し合いをするんだよ」


「それは裏の口実でしょ?私にはわかる」


「......」


「え、図星?」


「違う」


 この状況に嫌気がさした俺は、ルミナの手首を掴む。


「...あなた、本気ね?」


「あぁ、すまん。悪いが本気だ」


 ルミナの手首を引っ張り、家へ連れ込もうとする。


「キモイ、変態、ゴミ、最低、死んで」


「...っ、言い過ぎだっ」


 謎の攻防戦(引っ張り合い)が繰り広げられる中、もちろんその様子を隣人の方は見ているわけで。


「あの、警察呼びましょうか...?」


「はい、お願いします」


「おい、バカ。何言って」


「助けてー、家に連れ込まれるー」


「お前も俺を連れ去ろうとしてたろ!」


「こんな強引に連れ去ろうとはしてなかったけど」


 チッ...そろそろマズイな。隣人に110番される前に連れ込まないと...


 俺は手首を掴んでない方の手で、適当な方へ指をさして言う。


「あ、ルミナ。あっちにお前にお似合いなイケメン男子がいるぞ」


「は?全然、興味ないけど」


「あ、ルミナ。あっちに可愛らしい猫ちゃんがいるぞ」


「え?」


「取った!!」


「わっ!」


 俺は、ルミナがそっぽを向いている瞬間に手首を思いっきり引っ張り、ようやく家に連れ込む事に成功する。

 しかし...

 

 引っ張った反動で俺は床に倒れ、ルミナは俺に覆い被さる形で倒れた。

 幸い、俺の顔の近くに手をついていたので身体が接触することはなかったのだが...


 いや、これ...


 恋愛ものの作品でよく見るヤツ!!

 男性が女性に覆い被さるヤツ!!


 『こういうのって普通、逆だよな...?』と思いながらも、平常心を保とうとする。

 が、普通に無理だった。

 こんな美少女にこんなことされて平常心を保てるわけがない。なんかいい匂いするし...


 恋愛ものの作品でこれをされてる女性の気持ちが今、わかった。


 凄いドキドキする。


「......」


 なんだ、この空気...

 こんなことをするために連れ込んだわけではなかったのだが...


 すると、徐々にルミナの顔が近くなるのを感じる。


「...?ちょっと待て、ルミナ。何をしようとしている」


「舐めた事をしたら、二度と口を開かせないって言ったよね?」


「そんなこと、言ってたか...?」


 危険を察知した俺はその場から離れようとする。


 が、ルミナが右手で俺の腕を押さえつける。

 ものすごい握力で。


「ル、ミナさん...?」


 ルミナの短い髪が顔にあたる。

 ルミナは短い髪を左手でかきあげ、更に近づいてくる。


「...!!!」


 ルミナが近づくにつれて、俺の心拍数が上がる。


 見るに堪えなくなった俺は目を瞑る。その瞬間。


「ガッ...!」


 腹に強い痛みがはしり、視界がどんどん歪んでいく。


 やられた...

 これがハニートラップというやつか...


 そうして間もなく、俺は気を失った。


______________________

〜あとがき〜


ラブ...コメ...?

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