二十話 卒業
あの世界が変わった日から数カ月が経ち、学校の卒業式となった。
いつもの時間に起きて学校に行く支度をする、そして朝食を食べた後に雪音と共に最後の通学を行う。
学校につくと昇降口で後輩達が卒業生の胸に花飾りを付けていたので雪音と別れた後に俺もつけてもらう。
その後、会場に入場してから式は始まった。
『暇だ』
あまりにも暇なのでここ最近のことを思い浮かべる。
最近はダンジョンについての研究で色々なことが究明されている、その中でも気になったのはタイプの違いだ。
ダンジョン研究チームが言うには人には取得できるスキルがその人物のタイプによって分かれるというもの。
例えるのなら前衛タイプと後衛タイプだ、武術系のスキルを取得できる者は魔法系のスキルは取得出来ない等の制限があるようだ。
だが俺は違った、俺は刀術、体術スキルを持っていながら転移魔法を持っているのだ。
例えるなら俺は魔法剣士だなと馬鹿なことを考える。
『まぁ俺的には手札が増えるのはいいことだからそこまで気にしなくていいか』
と、この問題は頭の隅に追いやる。
そして俺はダンジョン攻略の進捗状況に意識をシフトする。
今のダンジョン進捗状況は結構いいペースだと思える、今現在の到達階数は四十三層。
そして俺のステータスがこれだ。
鴉田 倭
階位:1
レベル:27
称号:"超越者"
SP:111P
スキル:刀術Lv.9・体術Lv.9・鑑定Lv.8・転移魔法Lv.7
レベルが100を超えた時にレベルが1に戻っていたので焦ったが確認してみると寧ろ身体能力が上がっていた。
原因を調べるためにステータスをもう一度見ると新しい階位と言う項目と称号があった。
鑑定結果
階位・その者の生物としての格を表す。
超越者・レベルが100を超えた者が獲得する特殊称号、ステータスに階位の項目が増える。
と、意味のわからないものだが気にしないことにした。
考え事をしている間に卒業式が終わった、その後は教室に移動して仲が良かった者達がお互いに別れを告げているが俺には関係ないことと思い、そっぽを向いているとひとりの女子生徒が話しかけてきた。
「あ、あの!鴉田君!」
「ん?えーと…」
「栗原です!」
「あぁ、確か同じクラスの…」
自分でもこれは無いと思うセリフを吐きながら目の前の女の子を見る、小柄な体躯にクリクリとした大きな瞳、整った容姿に人懐っこそうな雰囲気と全国の紳士からしたら大好物そうな女の子だ。
「あの…あの時はありがとうございました!」
「あの時?」
「はい、入学式の時に」
「ん〜、思い出せないな…」
「そうですか…」
シュンとしながら返事をする彼女を見ているとなんだか罪悪感が湧いてくる、なのでなんとか思い出そうとしていると。
「鴉田君、連絡先交換しない?」
「え?良いけど…」
「やったー!」
さっきまで落ち込んでいたお前はどこに行ったと言いたくなる程にはしゃぐ彼女を見ていると連絡先を教えってもらったので早速登録しておく。
その後彼女と別れて雪音と下校する、だが何故か雪音の機嫌が悪いので聞こうとすると。
「お兄ちゃん」
「なんだい?」
「さっきの女、誰?」
「へ?」
……家に帰ってから小言を言われたがとても怖かった、イモウトコワイ…




