十八話 それぞれの選択
あの後、午後の授業を受けた後に雪音と校門で合流してから下校する。
俺と雪音は部活動には参加していないので何時も校門で合流してから下校する。
「ねぇ、お兄ちゃん」
「なんだ?」
「この後はダンジョンに潜るんでしょ?」
「そうだな」
なんだ?俺が最近ダンジョンに潜りっぱなしだから寂しいのかな?
「私も連れてって!」
「え?…」
『連れて行って?何処に?ダンジョンに?雪音が?』
俺が動揺している間にも雪音の言葉は続く。
「私も強くなりたいの、お兄ちゃんの隣に立てるように」
"強くなりたい"その言葉を聞いて俺は動揺が収まった、その言葉にこもった覚悟を確認するために。
「強くなりたい、その言葉に偽りは無いな?」
「勿論!」
「どんなに辛くても?」
「辛くても!」
「………はぁ、分かった連れて行ってやる」
その言葉を聞いて雪音は喜んでいたが俺は正直雪音がダンジョンに行くのは今でも反対だ、だが俺は常に強さを求めて親の心配を無視したような男、そんな俺に雪音を止める資格などありはしない。
「だけど週一のペースでダンジョン攻略をする事が条件だ」
「分かった!じゃあ毎週土曜日に連れてって!」
「分かった、分かったから落ち着け」
子供のようにはしゃぐ雪音を宥めて俺はダンジョンに潜る準備を整えて転移魔法で移動する。
十二階層に到着した俺はとある事を試そうとしている。
何時もなら鑑定からの即殺コンボを決めるのだが俺は敢えて鑑定をせずに、もしくは鑑定の情報を制限して戦う事をやろうとしている。
これはこのままではまた数値の檻に閉じ込められる可能性があるのでこれを防ぐためである。
それなら鑑定をしなかったらいいと思うかもしれないが、もしもの時に敵の情報を知れる鑑定のレベルは上げておいた方がいいと思ったのだ。
「お、早速敵だ」
道の先にゴブリンソードマンがいたので試してみる。
「名前だけ、名前だけ、名前だけ…鑑定!」
名前:ゴブリンソードマン
「よっしゃー!」
成功した、これでゲーム感覚を完全に捨てられる。
もっと刺激的な日常を求めて俺は今日もダンジョンを攻略する。




