第48話 現実世界
ブォンッ!
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---ミリィ・魂操作盤壱---
名:ミリィ・ネィル・ラスティア
年齢:12
魂位:3
職:
魂の欠片:10
特殊固有スキル:【火聖の穢れ】
スキル:
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---ミリィ・魂操作盤壱弐---
【魂の配分】
・体力:7
・筋力:6
・敏捷:15
・器用:14
・知力:9
・耐性:4
・内在魔素量:10
・魔素調整力:13
【魂の回廊】
・気配察知(30) ・索敵(30) ・気配希釈(40)
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ミリィの【魂の操作盤】だ。予想通り、俺の特殊固有スキル【魂の操作】は隷属者の【魂の操作盤】を操作できた。ルーベの森に来るまで、歩きながら様々な検証をしてきた。そして……
〈魂の再配分〉……ミリィの〈魂の欠片2〉を俺に再配分し、俺は〈魂の欠片10〉となる。これで取得できるな。
スキル:【魔草感知】【薬剤生成(低)】
さて、『痺解薬水』に必要な魔草は異空間にしまってあったはずだ……あった、『ステラ草』。
あとは、
【薬剤生成】—『痺解薬水』
【薬剤生成】を俺はすべて異空間の中で行った。そしてその薬水、つまりは液体が俺の異空間に収納されている状態だ。こんなこと……このずば抜けた魔調力がなければ、到底できない芸当だ。
生成された『痺解薬水』をそのまま自分の口に流し込む。効き目は……徐々にだな、即効性はないか。いや、そうか、本来はもっと……
「つーわけで、ユキア、状況は理解したな? お利口にしてれば、痛い目には合わないで済むから。俺だって、その奇麗なお顔を傷つけたくないしよー」
「……ウーガさん、最初っから俺をさらうつもりだったの?」
「おう、そうだぜ! 男だって知った時はちょっと驚いたけどよ。まぁ、お前ほどの顔なら男でも女でも高く売れるし、女の子だったら処女かどうかで値段変わってくるだろ? その点、男のお前ならこっちで存分に楽しんでからでも高く売れるから、好都合ってな!!」
「ウーガさんって、盗賊団か何かなの?」
「ああ……聞いてくれよユキア~、俺たち中央部でそれなりの規模の盗賊団やってたんだけどさぁ、軍にあっさり壊滅させられちゃって……こっちに逃げて来たんだよ。再起を図るために、とりあえず”かわいこちゃん”でも攫って軍資金を用意しようと思ってさ。んで、お前に目を付けたはいいが……おめぇ、上級冒険者たちに目ぇ掛けられまくってんじゃねぇか。あきらめかけたがよ、ここ最近、連中が迷宮にかかりっきりになってきたから、今しかねぇって、初志貫徹! 実行に移したわけよ!」
「ああ、だから『俺が森に泊まりでいく』って聞いた時、少しうれしそうだったのか。気持ちわるいと思ったぜ」
ウーガがしゃがみ込んで俺の髪をわしづかみする。そして俺を正面から睨みつけ、ドスの利いた声で続けた。
「……喰えねぇガキだな。いいか、俺の『職』は【兇賊】だ。そんじょそこらの盗賊風情とは違うんだよ。その気になりゃ、B級冒険者様とだってやり合えるんだ」
「いや、こっちの世界に来てからさ、会う人会う人がみんないい人で。日本より民度高めかよって、びっくりしたよ」
「あ? 何の話だ?」
「俺はさ、為替アナリストになりたかったんだ、それをくだらねぇ社内政治に引きづり込みやがって、あのクソ部長。こっちの世界の方がイキイキ働けるってどういうことだよ! 何がハラスメント対策だ! てめぇの存在がハラスメントなんだよ!!」
「だから何の話だ! あ!」
「あ~、いや、だからさ、日本にはすげぇ嫌なやつがいて。こっちの人がみんないい人だったら、日本のイメージがだんだんと悪くなりそうだろ? だから、何と言うか……お前らみたいな定番のクズがいて安心したというか……いい人だらけの世界なんて逆に怖いよな?」
ウーガは目に見えて顔を引きつらせている。おーおー、怒ってる怒ってる。
「訳分からんことぉほざいて~~、んでぇ、わざわざ俺を怒らせて~、何がしたいんだぁ? いたぶられんのが好きなのかぁ?? そういう趣味かぁ?」
そんな趣味ねーわ。
「何がしたいかと言われれば……まぁ、単純に時間稼ぎ?? 訳わからんこと話されると、とりあえず聞いちまうだろ? ああ、後は……たまには昔の自分?を思い出しとかないと徐々に忘れていきそうで怖いんだ。むしろこっちの世界の方がしっくりきているというか。家族のこと、仕事のこと……あれは本当に現実だったのか、なんか昔見たドラマのようにも思えて……いや、まぁ、心と体のバランス保つのそれなりに大変なんだわ。こんなこと、今から死にゆくお前にしか話せねーしよ、聞いてくれてありがとな!」
「……あ? て、てめぇ、ほんとに何言ってんだ……?」
おうおう、期待通りに困惑してくれちゃって。まぁ、確かにこの状況で見た目超絶美少女が急におっさん口調で訳分からんこと言い始めて、しまいにゃ感謝されたら恐怖だろ。俺ならこのカオスから逃げるわ。
てめぇにさぁ、極上のCHAOS、見せてやるよぉ……てな。
さて、『痺解薬水』も効いてきたみたいだ。
「ま、何にしてもその汚ねぇ口閉じろ。息臭くてかなわん」
「……あ? あぁ!!……あがががががっ!!」
ダダダダダダダダッッッ!!!! バンッ、バンッ、バンッ!!
【ゼロ距離弾】……ウーガが間抜けにも少し開けた口の中に、小さな石を直接、連続で打ち込んでやった。口開けるなと言えば口を開ける、何とも単純な。そして通常の【岩弾】もその顔面にお見舞いする。
もう麻痺はない。俺は素早く立ち上がり、異空間にずっと仕舞っていた”騎士の剣”を取り出す。
スパンッ、スパンッ、スパンッ、スパンッ!!
青蘭の輝きを放つその剣でウーガの四肢をすべて半ばから切断する。
「……相変わらず、すごい切れ味だな」
少し脈打つように光る青蘭の輝き。これは残された2本の”騎士剣”のうち、ルーベリスについてから一度も異空間から取り出してない剣だ。
「な、なんだ……は??」 「おい、なにやって」 「て、てめぇ……」
「よお、名もなき構成員共。お前らもそこになおれ」
俺は左手をかざし、奴らを囲む半円形の異空間の幕を作り出す。
「……全方位弾!!」
ダダダダッッ!! ドヒュンッ、ガガッ!!
今の俺は半径5メートルくらいなら、どこにでも異空間からの射出口を設置できる。ゆえに、近接の敵ならゼロ距離射撃も全方位攻撃も可能だ。チートすぎんだろ、避けようないぜ。ま、これも『魔調力』様様、だな。
全方位から【岩弾】をくらい、ズタボロになった3人の足をプスプス突き刺して、とりあえず歩けないようにする。
「あ、あが、ああぐぐ……」
ウーガは歯がすべて折れ、口から大量の血を流し、顔面も原型がないほど腫れ上がっている。こいつは、ひじ下、ひざ下から切断されているから逃げる心配はないが……このままでは失血死してしまうな。
とりあえず、低位の回復薬水をドボドボとかけてやり、出血を止める。まあ、こんくらいでいいだろう。
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