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再生の賢者 ~スキルポイント目当てで低級奴隷を漁っていたら、再生の賢者と呼ばれるハメに~  作者: 和食 三昧


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第29話 魔草採取

 右手に握られた剣を見る。剣の良し悪しなど分からないが、何の飾り気もなく普通のロングソードかと思っていた。が……


「うっすら、青く光っている……?」


 剣身の部分がうっすら、だが鮮やかな青色の輝きを放ている。だがそれはだんだんと小さくなってきて、消えそうだ。いや、白銀世界でこれを見た時は確実にこんな光はなかった。見た目普通の剣だったのだ。


 それが、いくらチビゴブとはいえ、首も槍もほぼ抵抗なくあっさり斬ることができた。そしてあのゴブリンが持っていた剣すら砕き、斬り伏せることができた。これは明らかに俺の剣筋の鋭さ……ではなく、


「この鮮やかな青色……青蘭(せいらん)の光が原因だよな」


 俺はゴブリン共の魔晶石や折れた剣、槍などを回収しながら思考をめぐらせる。そして一つの結論にたどり着いた。


「……なるほど、これは…………”不可思議(ファンタジー)”だな!」


 とにかく疲れたので、一旦街に帰ることにした。


 ◇


 「ユキア君、魔草の換金もあるから、ちょっと奥に来てくれる?」


「あ、はい。今行きます」


 冒険者ギルドに帰り、いつも通り素材換金待ちをしていたら、ルーシェさんに奥に呼ばれた。奥と言っても別室というわけでもなく、職員フロアのテーブルみたいなとこだが。


「はい、今日はちょっと多いから、他の人にばれないようにねー。この間の魔草換金も含めて、8万3千バースだよ。正直スゴッ!」


「うえっ!? そ、そんなになったんですか?」


 ジャラジャラと袋から出された金貨8枚、銀貨3枚がトレイに並べられる。


「その内4万8千バースが薬師ギルドからの”入り”だよ。魔草の換金的には3万くらいかなと思っていたけど……これ、薬師ギルドから色付けて払われてるね。多分、君、狙われてるよ……」


 真剣な表情でルーシェさんが俺を見つめてくる。


「えっ!? そ、それってどういう……!?」


 なんだ、俺そんな目立つことやってないよな!? ”悪目立ちして有力者から探りを入れられる”的な展開には気を付けたはずだ。


 慌てた俺を見て「ぷふー」と吹き出したルーシェさんは、軽く笑いながら説明してくれた。


「あはは、ごめんごめん。別に悪いお知らせじゃないよ。ユキア君が持ち込む魔草が凄く評判良くてさ。雑草なんて混じってないし、ちゃんと種類別に分けられてるし、何より根を残すべき魔草はちゃんと茎から採取してるでしょ? おまけに根まで必要な魔草は根から土をきちんと取り払っているし。そして極めつけはとても鮮度がいいんだって!」


「お、おお~、そんなにお褒めいただくとは……」


「昔はさー、『魔草採取専門』の冒険者とかいたらしいんだけど。まぁ、ウチは迷宮もあるし、ディック平原行くと、ボア系の魔獣が丸々狩れるからさぁ。魔獣のランク的にも、収入的にもルーベの森に行くのは低位冒険者だけになっちゃうのよね~。そして彼らは魔草採取は片手間仕事だから。あの森ではホーンラビット狩る方が効率的にお金になるし、魂位上げにもなるしね」


 そうなんだよな、俺には【魔草感知】があるから効率的に採取できるけど、普通はずっと下見ながら魔草を草の形や特徴だけで探すことになる。それこそ”専門”としてきちんとした知識を身に付ければ、効率的に採取できるのだろうけど、それを冒険者、特に駆け出しや低位の冒険者に求めるのは無理筋だろう。

 ……これは、特殊なスキル持ちとして疑われている……のか? これは”悪目立ち”している……のか?? いや、微妙だけど、あまり注目を集めるわけには……


「そんで、薬師ギルドからユキア君のこと聞かれてさぁ。ウチの”初心者講習第1号さん”だよって答えたら、向こうが『ぬおぉーー!』て興奮して……」


 ”ぬおぉー”って……?


「しかも、”初心者講習ミレイさん編”だよって言ったら、『ぬんむひぃ~~』って腰抜かして……」


「…………………………」


 そう、いまさら微妙な悪目立ちなんて気にしても仕方がないのだ、俺は。なんせ、『初心者講習ミレイさん編』をクリアした男として、今やAランク冒険者にも声をかけられるくらい、このルーベリスの冒険者ギルドでは注目の的になっていた……

 ゆえに俺は、『徹底的に上に気に入られる作戦』を実施しているのだ。


「『そんな、忍耐強く几帳面で、何より仕事に真面目な人物、薬師ギルド(うちのギルド)のために生まれてきたようなもんじゃないですかっ!』って、向こうの副ギルド長が大興奮で~。ぜひ指名依頼を出したいって。ついでに薬師ギルドにも加入してほしいってさ」


 【魔草感知】はまだしも……【異空間魔法】を疑われていなくてよかった。魔草は直接異空間に収納しているし、「こんなこと、異空間魔法の使い手じゃなければ説明がつかない!」なんて、大事になっているのかと思った……

 「くっ、俺の特殊固有(・・・・)スキルがバレたのかっ!?」なんて少しイキリムーブに入っていた自分が…………恥ずかしい。


 ただ、仕事の丁寧さ、真面目さを評価されているだけだった。目立たない、だが大事な仕事に真面目に取り組んでたことが評価されると、素直にうれしいものだ。薬師ギルド、全く知らないギルドだけど、好感度アップ。


「まあ、こっちの件は余裕ができたら薬師ギルドにでも顔を出してよ。紹介状書いとくから。んで……本題はこっち」


 ゴトンッ と握りこぶし大の魔晶石をルーシェさんがテーブルに乗せた。そして少し雰囲気を変えて尋ねてきた。


「この魔晶石はどんな魔獣から取ったの? そしてその魔獣とはどこで遭遇したの?」


「えっ? これは多分、普通のゴブリンから、です。場所はいつものルーベの森で」


「……本当にただのゴブリンだった?」


「……ん、まぁ、チビゴ……いつものゴブリンよりは一回り大きかったですけど……その魔晶石、なんか問題あるんですか……?」


 ルーシェさんは少し眉をひそめながら、「うーん…」と首をかしげる。


「この魔晶石少し青みがかってるでしょ? これ、ゴブリンから取れたとしたら、おそらく、そのゴブリン、古代種の可能性が高い」


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