52/60
追加で
今日の練習に、友黄は来なかった。それもそうか、昨日の今日なのに来れるはずもない。
それに、気が強い友黄は泣き顔なんて滅多に見せることは無いだろう。
いろいろな意味で、プライドをへし折られた友黄はどんな顔をしているのだろうか。
「紫織、今日友黄は?」
「お腹痛いって帰ったよ。学校終わってすぐに」
「そっか。じゃあ始めようか」
学校には来たのか。その言葉を合図に各々が楽器を持つ。
カッカッカッカ、とスティックを叩くと突然、ドアが開いた。
「遅くなってごめん」
いつもの笑顔で、友黄が入ってきた。昨日のことなど無かったように。
「お、遅いよ友黄」
「ごめんごめん。すぐに準備するから」
紫織も、動揺しているようだ。それもそうか。昨日異変があった人がサボろうとした練習に来たのだから。
私は、驚いて口が塞がらなかった。友黄と目が合い、物凄い眼差しで見られる。慌てて目を逸らしてしまった。
「緑、今日この後ファミレスいこー?」
何故だろう。頭の中でゴングがなった。ファミレスで何をされるのだろうか。
「う?う、うんいいよ。この後ね」
ついつい、いいよと返事してしまったが本当に大丈夫なのだろうか。
また前のように友黄が怖くなってきてしまった。




