逝去
青藍が死んだらしい。久しぶりのメッセージにおどおどしなていると、母から電話が掛かってきた。
メッセージにも同じような内容が書いてあり、嘘ではないということを理解した。
近くの病院に入院しているらしい。急いで支度をして、家を出る。
病院に着くと、バンドのメンバーと青藍の両親が来ていた。その中心に、青藍が寝ていた。
搬送された時にはもう死んでいたらしい。看護師の人達が顔についた血を拭き取っていたので、顔は綺麗だった。
顔にそっと触れてみる。冷たい。本当に死んでしまったのだ。心の何処かで信じていた、これが嘘だということを。
冷たさが悲しみに変わり、目から涙がこぼれ落ちる。呼吸が苦しくなる。だんだん視界が狭くなり、体のが言うことを聞かなくなる。
みんなが私のことを見ている。「大丈夫?」誰かが聞いてくるが、何も答えられない。
苦しい、とにかく苦しい。苦しいことは嫌いだ。徐々に呼吸が落ち着いてくる。その代わりに、目の前が暗くなっていく。
この暗闇は、多分気持ちいいだろう。少なくとも今の状況よりましなはずだ。
ゆっくり、ゆっくり暗闇に身をまかせる。何も見えなくなる、何も聞こえなくなる、何も感じなくなる。
目を覚ますと、病院のベッドだった。どうやら私は、過呼吸になった後に意識を失ったらしい。
「大丈夫?」
母がベッドの横に立っていた。
「大丈夫だよ。青藍は?」
「あの後別の部屋に運ばれたらしいの。看護師さん呼んでくるわね」
その後看護師さんがいろいろチェックして、家に返してもらった。
家に帰ると、涙が出て止まらなかった。




