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バンド  作者: こくぼなり
二章
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37/60

未開

 お葬式から数日後、気持ちの整理もつかないまま私はバスに乗っていた。

 青藍のお母さんから「娘のことできて欲しい」との連絡があった。

 親曰く、遺留品整理でもやっていて、思い出の品でも見つけたから呼び出したのだろうということだ。

 確かに思いつく品は何個もある。一緒に買ったキーホールダーやぬいぐるみなどいろいろある。

 三つ目のバス停で降りて何度か角を曲がり、アパートに着く。705号室のインターホンを押して、数十秒待つと青藍のお母さんがドアを開けた。

 いつも若々しいお母さんというイメージがったけれど、今は髪もボサボサで、肌にハリもなくやつれている。

「あっ、こんにちは。…えっと…。」

「あぁ…緑ちゃんね。上がって。」

 声まで聞いたらもはや別人なのではと疑いたくなる。やはり娘の死は、相当大きなショックなのだろう。

 リバングと言うよりは居間と言った方がいいような、畳の部屋で待っているように言われ素直に従う。

 隣の部屋から戻ってきた青藍のお母さんは、四冊のノートを持っていた。「緑ノート」そう書かれたノートは緑色だった。

「これね…、娘の部屋にあったの…。いつもの癖でね青藍起こそうとして部屋に入ったらね…」

 泣き笑いなのか口角を上げて、虚ろな目をしていた。私に喋りかけているのに、私を見ていない。もしここに犯罪者がいても、この人は同じことをするだろう。

「見ていいですか?」

「どうぞ…でも青藍のこと嫌いにならないでね。」

 どう言うことだろう。私はとりあえずノートを開いた。 

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