↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
バンド  作者: こくぼなり
二章
PR
35/60

Elsku

 どうやら緑ちゃんの家は、バス停とは逆の方向にあるようだ。

 いつもは普段行かない所は怖くて行けないけれど、今日は不思議と怖くない。

 緑ちゃんに会ったら、まず何を言おう。「大丈夫?」から始めるのが定石だろうか。それとも思い切って告白してみようかな。

「好きです」なんて本人の前で言えるわけがない。言えたところで…

 何にせよ緑ちゃんの家に行けることが楽しみだ。楽しみすぎて、人生で初めてスキップしながら鼻歌を歌った。

「次の角を右方向、その次の角を左方向です」スマホが道を教えてくれる。上機嫌で道を曲がる。

 目の前にはトラックがあった。いや、目の前数十センチからどんどん、近づいてきていた。

 咄嗟の出来事だった。体に衝撃が伝わって体が宙に浮かぶ。世界がスローモーションになり、緑ちゃんに渡すためのクッキーが鞄から飛び出す。

「待って」声に出そうとしても声が出ない。手を伸ばそうとしても伸ばせない。

 ゆっくりと、ゆっくりと地面に叩きつけられる。落ちた右手から全身に電流が流れる。そして、叩きつけられた方がじんわりと熱くなる。

 直感でわかった。もう死んでしまう。その前に緑ちゃんの家に行かなきゃ。

 どうしてもこうしても身体が動かない。トラックの運転手さんが、声をかけてくれるがどうも煩い。

 行かなきゃ…いかなきゃ……イカナ……

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。