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『禁忌魔術を極めすぎて追放された賢者、死んだ最愛の女性(毛玉)を蘇生させるついでに世界を蹂躙する~「ダメ」と言われるほど、俺の魔術は加速する~』  作者: たゃんてゃん
第8章 神敵、『否定を否定』する

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第72話 削られた山頂と、温泉に浮かぶ山


「温泉をつくろう」


 ソニプロフェン王国の件から数週間後。

 いつまで経っても俺の仕掛けた罠――“魔力の痕跡を追尾しての居場所発見”に辿り着かないことに飽きた俺は、遂に痺れを切らした。


「温泉、ですか……?」

「ああ。昔世界を回っているときに見つけたものでな。簡単に言えば、風呂だ」

「お風呂……家にもありますよ?」


 アイリスはわかっていないのだ、温泉の素晴らしさを。

 今から彼女がうっとりとした表情で風呂に浸かる姿が楽しみである。


「(絶対やらしいこと考えてるでしょ!)」

「(そうだが?)」

「(開き直るなばかぁー!)」


 だが、日頃農作業に勤しんでくれているリエラやロルウェンナを労わりたいのも事実ではある。


「世界樹に、『絶縁黒鉱』。ちょうどよさそうな素材も余っているしな」

「それだけ聞くと……戦いそうですね!」

「ふむ」


 ありかもしれない。

 普段はみんなを癒す湯舟。緊急時には変形して巨大な――。


「(ダメ!)」

「(む? ダメと言われたら……やりたくなってしまうな)」

「(本当にダメ! 巨大なゴーレムは本当にダメだから!)」

「(……? わかったよ)」


 いつになく必死な様子のミラに、渋々諦める。

 一体なんだというのだ……。


「(代わりにスケベなこと考えてもいいから! 巨大ゴーレムは絶対ダメだからね!)」

「(わかったわかった)」


 ミラのお墨付きを得られたところで、早速温泉を作るか。


「まずは……高いところからの眺めがいいな。山を作ろう」

「一瞬で山ができました!」

「山頂を削り取り、床には『絶縁黒鉱』を敷き詰める。世界樹の枝を贅沢に組み上げた浴槽に、永久機関的な温水供給術式を刻印」

「3分もかかってないですね! そして随分広いですね!」

「みんなで入れるようにな。そういえば、温泉は何かしらの鉱石に含まれるミネラルが入っていると聞いたな」

「みねらる……?」

「世界樹の葉を粉末状にして溶け込ませるか」

「わぁ~……」

「後はスイッチを押すことで温水や水が出るような装置を作って……」

「息をするように貴族のお屋敷みたいな設備を作りますね!」

「む、このままでは……たかが貴族と同じか。ならば、浴槽の一部から泡が出るように細工をしてみよう」

「何で泡ですか?」

「なんとなくだ」

「あ、このままだと雨がふったら大変です!」

「なるほど。では開閉式の屋根も付けるか」


 アイリスに突っ込まれながら、ようやく完成した温泉。

 我ながらいい出来栄えだ。


「よし、早速今晩にでもみんなを連れてこよう」

「はい!」


 その後、石鹸やタオルなどの小道具を用意する。

 石鹸は既存の最高級品を模した物を作り出し、タオルや湯上りに切るためのバスローブには『自動洗浄』や『保温』などの機能を付ける。


 作業に没頭してしまい、気が付けば夜だった。


「みんな、温泉に行くぞ」

「おお! アイリスから聞いたぞ! 世界樹の粉末の入った風呂とな! 楽しそうだぞ!」

「お外でのお風呂……恥ずかしいですね」


 マールは能天気に、そしてリエラが当たり前のことに気が付いてしまった。


「心配するな。この世界に男は俺しかいない」

「……え? 一緒に入るのですか!?」

「もちろんだが?」

「しかも裸ですか!? 聞いてなかったです……」

「当然だ。俺の知識によれば、温泉とは全裸の男女が肩を並べて親睦を深める神聖な儀式の場だと。とある国に古来より伝わる由緒正しき儀式なのだ」


 本当は専用の薄い服を着ていたが、それは黙っておこう。


「私は行くわ! ルゥくんの聖女として♡」

「わらわも入ってみるのであーる!」

「うふふ、何だか楽しそうね♪」


 巨乳4人組の参加が決定した時点で我が勝利は確定した。




 ◇◇◇◇◇◇


「わぁ~……素敵な眺めですね!」

「本当……星がきれいね……」

「世界――とある樹もうっすら光っているぞ!」

「肯定:ぴかぴか」


 もちろんこの世界に他の星はない。

 あくまで元の世界を参考に張り付けただけの星だが、それでも悪くない光景だ。

 ちなみに、コアちゃんだけ温泉用の服を着せている。


「はぁ~……あったかくて気持ちいです~……」

「わらわが~……溶けていくぅ~……であーる~……」


 ああ、本当に浮くんだな……。


「(いいご身分ね! みんなのおっぱい見れて!)」

「(今日は『スケベなこと考えてもいい』と言っていただろう)」

「(言ってませんけどっ!)」

「(…………)」


 あんまりである。

 しかし頬をペシペシ叩かれても、今の俺には気にならない。

 目の前に素晴らしい光景が浮かんでいるのだから。


「ルゥくん♡」

「ん? ラビラビィか」

「ルゥくんの体洗ってあげるっちゃ♡」

「……いいのか?」

「もっちろん♡」


 ラビラビィに連れられ、浴槽を出る。


「きゃっ♡ ルゥくんのルゥくん、久しぶり♡」

「…………」

「い~っぱい、ごしごし洗ってあげるね♡」

「…………」

「(きぃー! 誰かこの性女を捕まえて! ハレンチ性女を追い出して!)」




 その後、洗ったり洗われたりしているうちにロルウェンナも加わったりで、実によい風呂となった。


「(温泉を作って性解だったな)」

誤字脱字、感想などいただけたらうれしいです!

★★★★★いただけたら泣いて喜びます!!


明日の投稿は

20時10分頃

となります!

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