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『禁忌魔術を極めすぎて追放された賢者、死んだ最愛の女性(毛玉)を蘇生させるついでに世界を蹂躙する~「ダメ」と言われるほど、俺の魔術は加速する~』  作者: たゃんてゃん
第6章 神敵、世界から追放される

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第59話 森の至宝(ポンコツ)と、大天使(ポンコツ)


 教会を出て、急いでライブラへと向かう。

 冒険者ギルドの扉を開け放ち、近くにいた受付嬢に声をかける。


「リエラ――ギルド長とロルウェンナはいるか?」

「えっ? あ、はい……2人ともギルド長室に――」

「感謝する」

「お、お待ちを! いま重要な打ち合わせをしているから誰も入るなと――」


 受付嬢の言葉を聞き流し、奥の部屋へと向かう。


 天使の大群が出てきたということは、神の奴が本格的に俺を『神敵』と認めたということだろう。

 俺は問題ないが……リエラたちが狙われると危ない。


 一刻も早く保護しなければ。

 内心で焦りながら、重厚な扉を急いで開け放つ。


「リエラ、いるか――なっ!?」


 しかしそこにいたのは……。


「ルシアン様!?」


 顔の半分――左側がド派手に化粧されたリエラと、右側に自然な化粧をしてやっているロルウェンナだった。

 左側はまるでケチャップでも飛び散ったように赤く装飾されている。


「あ、おかえりルシアンくん! 今リエラちゃんにお化粧を教えてあげていたの♪」

「誰も入れるなと言っていたのに……は、恥ずかしぃ……」

「(左側は自分でやったんでしょうね。まるで化け物みたい)」

「(ひどい言い草だぞ)」


 重要な打ち合わせとは。

 しかしリエラの奴、化粧を教わってしばらく経つが一向に成長していない。

 どうやら魔術の才と違い、化粧の才や美的感覚は持ち合わせていないようだ。


「(ルシアンもひどいと思うけど)」

「(何を言う。そこがまた愛おしいということだ)」


 さて、恥ずかしそうにしながらも……何かを期待するように左側をこちらに向けているリエラに声をかけよう。


「普段の落ち着いた雰囲気とは異なるリエラも、実に魅力的だ。だがどちらかと言うと……俺はリエラ本人の美しさを引き立たせる化粧の方が好きだな」

「え、えへへ……褒められたった♡ しゅきしゅきルシたま♡」

「思考の解析:『ルシアン様ったらそんなこと言って……どの女の子にも似たようなことを言ってるんじゃないですか?』」


 本音と建前が逆になってしまったようだ。


「おいおい、ルシアンは気を使って言ってるだけだぞ! そんなこと我でもわかる!」

「ひどい有様ね。よくそんな顔を想い人に見せられるわ」

「マールさんもラビラビィ様も言い過ぎでは――プフッ」

「(アイリスも笑っちゃったじゃん)」


 リエラの顔に、化粧とは異なる赤みが差す。

 仕方ないから助け舟を――ここに来た本題を切り出そう。


「リエラ、それにロルウェンナよ。晴れて俺は『神敵』となったようだ。教会に行ったら天使の群れに襲われた」

「――何ですって!?」

「それ故、お前らにも危害が及ぶ可能性がある。悪いが……しばらくは俺と一緒に行動してもらえないだろうか」


 俺のいないところで彼女たちが襲われる可能性は低くない。

 いや、人質にするのは戦いにおいて有効な常套(じょうとう)手段だ。


「私は全然大丈夫だけど……リエラちゃんはここの責任者さんだから……」


 ロルウェンナの言う通り、リエラは責任ある役職に就いている。

 すぐに行動できるかと言われると難しいだろう。


「やれやれ、仕方ないですね。あなたについていくと決めた100年前から、いつかこうなる気がしていました」

「思考の解析:『やったぁ♡ これでルシたまと一緒にいられるぅ♡』」

「……故に、このような事態を想定して各種マニュアル作りや近隣のギルド長に話は通してあるのです」

「思考の解析:ほんとはいつでも寿退社できるように準備してたんだけど、それが役に立っちゃった♡」

「……どこへなりとも、ついて行きましょう」

「思考の解析:『あわよくば寝込みを襲って――きゃっ♡ でもでもぉ、初めてはルシたまからシテ欲しいなぁ♡』」

「(コアちゃんに何てこと言わせるのよ! このドスケベ淫乱年増エルフ!)」


 リエラのせいではない気もする。

 そして俺の裏の呼び方は『ルシたま』で決まったらしい。

 暴露されてるから、裏も何もないのだが。


「……そういうことなら助かる。できれば今すぐにでも移動したいのだが……」

「構いません」

「私は宿舎に荷物取りに行ってもいい?」

「もちろんだ。一緒に行こう」


 ロルウェンナを先頭に、ギルドを出て大通りへと向かう。

 すると……不思議な歌声が聞こえてきた。


「ぎゃぎゃぎゃぎょ~~~♪」

「ひぃっ!? ひどい歌声だ!」

「美人さんだけど……歌声はひどいねぇ~……」


 まるで超音波のような、なんとなくリズミカルだからかろうじて歌だと判断できる奇怪な声。

 だがこの魂は……天使に似ているような気もする。珍しい女性型だが。


「うぅ……また人々が離れて行ってしまいました……」

「失礼、お前は天使か?」

「……お褒めの言葉はありがたいですが、ナンパは結構――ですぅ!? ななな、なぜあなたが!?」


 どうやら『天使』という言葉を、女性への口説き文句と勘違いしたらしい。

 しかし俺の顔を見て驚いているところを見ると、本物の天使には違いなさそうだ。


 天使に共通する長い金髪に金眼。

 異なるのは、背中からは天使よりも大きな翼が生えていることと、マール並みのムチムチした体。

 何よりも、明確に意思や知性を持っていること。


「……お前が、大天使か?」


 教皇が言っていた、俺に更なる天罰を課すための戦力。

 大天使、既にここまで来ていたということか。


「……い、いかにも! わらわは神より遣わされし大天使――“音の権能天使”チャチャであーる!」

誤字脱字、感想などいただけたらうれしいです!

★★★★★いただけたら泣いて喜びます!!


明日の投稿は

20時10分頃

となります!

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