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『禁忌魔術を極めすぎて追放された賢者、死んだ最愛の女性(毛玉)を蘇生させるついでに世界を蹂躙する~「ダメ」と言われるほど、俺の魔術は加速する~』  作者: たゃんてゃん
第2章 秘められし蕾とその開花

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第20話 聖力の終焉、幼児化した豚


 目的を達成し、里に戻る俺たち。

 マールの表情は、行きと違って明るいものだった。


「マール! これは一体……!」


 どうやら『退廃の(かいな)』の様子がおかしいことに村中が気付いているようで騒がしい。

 マールの母ロルウェンナも心配してか、村の入口で待っていたようだ。


「母上! ルシアンが我のために瘴気を全て無くしてくれたのだ! 我のために!」

「まあまあまあ! そんなことが!?」

「そうだ! 我のためにだぞ!」


 何度も自分のためだとアピールするマールに、肩のミラが反応する。


「(そんなに『我のため』って強調しなくてもいいんじゃないの!?)」

「(いいじゃないか。ほとんど事実だ)」


 人化から再び毛玉に戻ったミラ。

 あの状態は相当な魔力を消耗するから仕方がない。


「ほら、これが『退廃の(かいな)』中の瘴気を圧縮した魔石だ。禍々(まがまが)しいだろう?」

「これは……! こんなに大きい魔石初めて……!」


 4メートルほどの大きさの魔石を魔界の倉庫から取り出してロルウェンナや村人に見せる。

 さすがに邪神の魔石を見せる必要はないだろう。もっと大きいが。


「それが本当なら……俺たちの役目も終わりってことか……?」

「本当!? もうこんな村に縛られなくって済むの!?」

「ロルウェンナさん……マールちゃんも……本当によかったね!」

「何百年も続いていた里の――俺たちの解放だ!」


 村人も口々に喜びの声を上げ始める。

 それほどこの魔石のインパクトが大きいのだろう。


「……マール、これからは――」

「マール! マァァーーールゥゥ!!!」


 何よりもマールを想っっているであろう、母親の言葉。

 それを不快な声が遮った。

 まるで発情した豚のような声と顔をした村長の息子、その父親の村長である。


「ヒィ、フゥ……心配したぞマール! 何だか周囲がおかしい! だから今すぐ俺と『性交』、いや『聖交の間』に行って子を成そう!」

「そ、そうじゃ! こうなったら確実に子を成せるようにわしも加わろうかの!」


 もはやその汚い欲望を隠すことも忘れてしまったようだ。

 環境の変化を理由に関係を迫るとは……知能も動物並みか?


「悪いが――」

「きゃっ」

「マールはもう俺のものだ」

「も、もう……ルシアンったら……んっ!」


 マールの腰を抱いて引き寄せ、そのまま見せつけるように胸を揉む。

 はしたない行動だが、この豚どもを黙らすのには効果的だろう。


「んなぁぁああ!? きさっ、きさ――っ! んああああああぁぁぁ~~~!?」


 怒っているのか、さらに興奮してしまったのかわからない顔だ。

 血走った目で鼻水を垂らしながら喚き始めた。


「ル、ルシアン……みんなが見てるから……」

「ほう? 見てないところならいいんだな?」

「……うん」


 マールのこの発言と、恥ずかしそうに俯く顔がとどめとなったようだ。


「しょんな! しょんなぁぁぁ~~~!? 俺のマールが……ずっと我慢してきたのにぃぃぃっ!?」

「お……おま……」


 遂には子どものように地べたに伏して泣き出してしまう村長の息子。

 さすがの村長もこれには呆気にとられたようで、信じられないものを見るような顔で見つめている。


「……いい加減にしてください! ご覧のように瘴気はもう晴れました! マールがあなた達と子を成す必要はもうありません!」


 母親の様々な感情が籠ったような絶叫に、周囲の村人も集まってくる。


「し、しかし――」

「しかしもなにもないです! あなたたちは権力と伝統を利用して私たちや村の女性を手籠(てご)めにしたいだけでしょう!?」

「そ、そんなことは――」

「薄汚いのはあなたたちです! 娘を性欲発散の道具としてしか見ていないことはその顔を見ればわかります!」

「ぐぬぅ……」


 ロルウェンナの告発、それに同調するように『確かに村長たちの行動は目に余る』だの『威張ってばかりで何もしない息子』だの、中には『私も無理やり迫られた』というような声が聞こえてくる。


「……あ、我々はここで失礼する。おい、行くぞ!」

「いやだぁぁぁ! ぼくもあのおっぱいもみたい~~~! ちゅーちゅーしたい~~~!!!」

「お前!?」

「いやだぁ! いやだぁぁぁ! マールたんのおっぱいもむのぉ~~~!!!」


 村長一家、これにて終了。

 誰もがそう思っただろう。口には出さないが、顔が全てを物語っている。


 あまりにも無様な醜態(しゅうたい)に、村の女性たちが汚物を見るような冷徹な視線を向けている。

 彼を支えていた『次期村長』という権威は、今この瞬間跡形もなく霧消むしょうしたのだ。


「(うーわ。さすがにどんびきー……)」

「(あまりのショックに、幼児化してしまったのだろうな)」


 とはいえ自業自得。罪悪感は全くわかない。


「……えーっと、とりあえず我が家においでください?」

「あ、はい」


 この場にいてもどうしようもない。

 ロルウェンナもそう思ったようで、家へと案内してくれた。

 

誤字脱字、感想などいただけたらうれしいです!

★★★★★いただけたら泣いて喜びます!!


次の投稿は

18時40分頃

となります!

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